Home 受講生の感想レポート 障害があっても、もう怖くない。人生のしんどい問題よ、ありがとう。
障害があっても、もう怖くない。人生のしんどい問題よ、ありがとう。

東京校  松尾 敬介さん(27歳 男性)


『僕は、生まれつき耳が不自由です』と自己開示することにためらっていた僕が常にいました。
 障害がなかったら、僕の人生はどんなに素晴らしかったものだろうかと思うことが何回もありました。
 もっと就職も簡単に出来たり、仕事も出来たり、友達も簡単に出来たり、恋人も簡単に出来たり、勉強ももっと出来ただろうなと・・・。
 全ての問題を障害のせいにして、その問題をずっと抱えたままの僕が好きじゃなかった。日々寂しさも募ってきて、そんな嫌な僕を少しでも変えたくて・・・。

 僕の人生も振り返ってみれば、家庭の環境も学校の環境も問題なかったと思います。むしろありがたい環境の中で育ててもらいました。父母、祖父母、兄弟から末っ子として甘えを許してもらい、そして温かく育てられ、穏やかな日々を過ごさせてもらったと感謝の気持ちで一杯です。生まれ故郷の島根県雲南市三刀屋町に対する想いは、年が経つにつれ強くなり、僕の気持ちをリセットしてくれる素晴らしい場所です。
 小学校でも中学校でも高校でも大学でも素晴らしい先生方、友達に恵まれて、勉強や部活と沢山の困難や苦労を乗り越えられてきたと思います。

 でも、どこかに心のもどかしさがありました。

 何か嫌な感情がわいた時、または何か問題があるたびに、障害を持っていることを原因にしていました。友達と喧嘩したり、からかわれたり、無視されたり、テストの点数が悪かったり、バスケット部のレギュラーを外されたり、仕事で単純なミスをしたり・・・

それら全ての問題に対して、障害を原因にすることで問題を解決することを諦め、またそんな自分が嫌でたまりませんでした。
 障害を持っていることを原因にすることで夢がなくなり人生の喜びを見出せなくなって、自分の障害を隠して生きようとするのが辛かったのです。

 何かのタイミングで外に出るようになったり、再び通常の暮らしに戻ったりするのですが、何が自分を立ち直らせてくれるのか全くわからないままでした。こんな繰り返しから少しでも抜け出したい気持ちが、いつも心のどこかにありました。


 そんな中、最近になってキラキラ輝き変わり始めた兄を羨ましく思うようになりました。その兄からメールで『(日本メンタルヘルス協会を)受けてみたらどうかね?』という一言で何かヒントを得て、もっと素晴らしい毎日が過ごせるようになったらと、期待や希望を持って参加することにしました。

 しかし、実際日本メンタルヘルス協会に参加させて頂くことには不安がありました。
 受講生のみんなと上手にコミュニケーションが取れるかどうか、先生の話が全て理解できるのだろうか・・・実際起きていないことを色々と想像していることが正直言って、とてもしんどかったです。

 でも、実際参加させてもらうと先生方、ボランティアの方、受講生の方それぞれが何かの問題を抱えており、自己紹介のときでも、ご自身が問題を抱えているのにもかかわらず、広い心で真摯に聞いてくださることがとても嬉しく、僕の不安を和らげてくれ、いつの間にか日本メンタルヘルス協会に参加させてもらうことに楽しみを感じるようになっていました。

 講座中は先生の話全て聞き取れているかどうかわかりませんが、先生がしっかり優しく熱い言葉で、そして舞台狭しと激しく動きながら、メッセージを伝えようとしていることはよく理解できました。そしてその他の受講生の笑い声と共鳴しながら、自分自身が大きな声で笑う事もとても心地良かったです。

 そして、衛藤先生の吉本風の心理学に触れることが本当に嬉しかったし、先生とボランティアスタッフのみなさんと受講生が、あの3時間の間で一体になっていく空間と、その時間が大好きで、本当に充実した講座の連続でした。

 どんな態度や行動であれ、ありのままの自分、あるがままの自分でいればいいんだから・・・。
聞こえなくても僕は僕だから・・・。

 僕は学び進めるうちに、起こった問題の原因を障害のせいにして逃げるのではなく、起こった問題に向き合い、自分なりに解決していこうとするようになりました。そして問題解決に一生懸命になっている自分が大好きになって、自分の目標に対しての思いや行動が日々強くなっていきました。

 今の状態を乗り越えることによって一つずつ成長していく。成長をさせてくれるために問題が起こり、大きな気付きを与えてくれる。問題は偶然ではなく意味あって必然として起こることを強く感じました。

 障害ではなく『松尾敬介』という人間を試し、その問題を乗り越えることに人生の喜びや幸せ、成功が隠されていると実感しています。

 今の僕は、問題があるたびに『問題、ありがとう』と大げさに言うくらい余裕が芽生えてきました。それは、問題は自分にとって悲しみや怒りといったマイナスの感情ではなく、自分で解決する喜びや楽しみに変わったからです。

 『障害が確かに問題を起こしていることもあるかもしれない。そうじゃない問題でもあるかもしれない。障害を抱えていることで出会う問題は本当にありがたいこと。障害を抱えていない人にはない問題に直面することで自分を大きく成長させる機会を得る事が出来る。自分をより幸せにしてくれる権利を与えてくれる。』

 僕は障害を抱えていることに感謝出来るようになりました。

 今後の人生においてかなりしんどい問題にぶつかり、『問題、ありがとう!!』って言えないときがあるかもしれません。でもそんな時は、講座で学んだ自己催眠療法、ゲシュタルト療法、音楽療法といった自分で使える療法を使って自分を癒していく事もできるから今は、問題に立ち向かっていくことに怖さはひとつもないのです。

 『I love you Because you are you』という先生の名言の通りに、僕は日々自分が大好きになってきています。自分の中に幸せがあり、自分が好きになることの素晴らしさを教えてくれた先生方、共に学んだ受講生の皆様、ボランティアの皆様には大変感謝しています。

 自分の良いところを自信を持って言えるようになり、そして自分を許すことが出来た事によって、相手の良いところが沢山見えてきて、価値観の違いに対しても受容出来るようになりました。

 今後はどんどん再受講して、自分の中にある仮面を一枚一枚とっていき、受講生のみんなともっと仲良くなり、もっと素晴らしい人間観にもっと触れてみたいです!!!

 このレポートもありのままにかけました。

 文章がどうのこうのというよりも、自分の心の中にある内面をそのまま出すことが、とても快感でした。

 今の僕は『耳が不自由な障害を持っています。』と、自分のことを自分で自信持って言えます。

 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:乙川

「今、研究コースで沢山の新しいことを学ばせてもらい楽しんでいます。職場でもコミュニケーションがスムーズにとれるようになり、また上司からも良い評価をいただけるようになって、仕事も本当に楽しくてたまらないんです。兄から教えてもらったメンタルから、こんなに世界が広がるなんて本当に嬉しいです。感謝しています。」と今の心境を語って下さった松尾さん。
 受講当初の松尾さんからは想像できないくらい、電話口から聞こえてきた声は嬉しさと周りへの感謝の気持ち、そして心からあふれる笑顔いっぱいで話してくれているのが伝わってきて、
お話している私も嬉しくなるくらい本当にイキイキされていました!!
 障害を持っている事で自分は他の人より劣っているんじゃないか、
上手くいかないのは障害をもっているからなんじゃないか・・・いろんな心の葛藤があったかと思います。

 講座の中で学んだ様々な療法を自分なりに試してみて実際自分を癒す方法を見出したり、
また一歩踏み出して自己開示していくことで「耳が不自由な障害をもっていることも含めて本当の自分」と受け入れ、「成長していく自分が大好き」と今心から言えるそんな松尾さんが素敵だと思いました。

 実は、私も小学校1年生の時おたふく風邪をこじらせ、その頃から右耳が聞こえません。
 父と母は「何とか聴力が元に戻るように」と、毎日のように大きな病院や治療をしてもらえる病院を探して、検査に連れて走り回ってくれていたのを覚えています。
 私はそんな家族に愛情いっぱいに育ててもらい、
周りの友達や先生方にも自分の状況を理解してもらい、何不自由なく過ごしていました。幼い私は「右耳は聞こえないもんなんや。これが普通やねん。」と
私にとっては当たり前の事で特に意識はしていませんでした。
 しかし、大人になるにつれて「ちゃんとみんなの話しが聞こえていないんじゃないか」
 「聞こえないことでちゃんと感じとれてないんじゃないか。」
 「みんなから遅れをとっているんじゃないか」
 「他の人より劣っているんじゃないか」・・・といつしか何か起こる度に他人と比較し、
自分に自信がなくなり、自分を卑下するようになりました。
 子供の頃の私の方が、何の捕われもなく、
自然に自分を受け入れ、認めることが出来ていたのかもしれません。

 正直受講している頃は、メンタルでの学びは自分にとって胸の痛い話しも沢山ありました。

 出来ていない自分を責め、つらい時期もありました。
 でも一つひとつ自分なりに消化し、背伸びをせず自分の歩幅で学び続けることで
沢山のメッセージを得ることができました。

 『自分の周りを見てみなさい。愛情いっぱいの家族に恵まれ、気持ちを分かち合い、学びあえる仲間・職場の仲間が支えてくれている。誰も私を耳が聞こえていないからと責める人はいない。
 受け入れていなかった、信じていなかったのは他でもない自分自身。
 右耳が聞こえていなくても私は私。大切な私。私には「こころの耳」があるんだから!大丈夫!大丈夫!!』

 私も今胸をはって自分の事を「大好き」と言えます。

 大切な家族や仲間の声も聴こえます。
 これから出逢う人や出来事にもありのままの自分で向き合えます。
 きっと松尾さんも「こころの耳」で沢山の声を聴き、今度は自分から優しい笑顔と共に多くのメッセージを発信していかれると思います。さらに自分の可能性にチャレンジしながら輝いていってくださいね。
 応援しています。