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仕事、恋人、心の支え…

大阪校  上加世田 みほさん(35歳 女性)


私が日本メンタルヘルス協会に通い始めたきっかけは、友人の紹介でした。
 私はメンタルに通うまで、失敗や恥ずかしかったこと、辛かったことを、無意識に心の奥にしまい込みながら生きてきたように思います。

 私の家族はとても仲が良く、私は両親の愛情をたっぷり受けて育てられたと、感謝しています。
 私には兄がいますが、兄はよく両親に怒られ、両親を心配させ、困らせていました。私はああいう風にはならないでおこう、と強く思っていました。“いい子”でいることで母はいつも優しく、周りの人から私のことで褒められて嬉しそうにしている母を見るのが好きでした。学校でもほとんど怒られることが無く、みんなから“真面目”と言われるようになっていた私は、だんだん人に失敗を見せることが出来なくなっていったのです。
 失敗=恥ずかしい事と思い込み、人に同情されたくないから弱音を吐けない、もっと頑張らなければ、と常に思い込んできたように思います。頑張っていない私は私ではない・・・と。

私はアパレルメーカーで、パタンナーという洋服の型紙を作る仕事をしています。新卒で入社した会社でたくさんの経験と知識を身に付け、現在の会社に転職しました。入社して程なくすると、チームのパタンナーをまとめる仕事をして欲しいと、社長から任命されました。私は今まで頑張ってきたことが評価されたのだと嬉しくなり、期待に答えなければと、ますます頑張りました。しかし、もともとそこにいた人達にすればいきなり体制が変わって戸惑っていたことでしょう。私はそんな彼女達の気持ちを考えることもせず、ただ私の価値観・・・普通に頑張るのは当たり前、もっと頑張ってチームの利益を伸ばさなければという気持ちだけを押し付けてしまっていました。
 当然すぐに関係はぎくしゃくし出しましたが、私は間違えたことを言っていない!と、さらに価値観を押し付け、彼女達の欠けた部分しか見ていませんでした。

 それから何度か体制が変わったとき、入社してくる新人をチームに迎えることになりました。彼女はあんな私でも慕ってくれて、一生懸命付いてきてくれました。今思っても、すでに孤立していた私にとっては嬉しいことで、とても感謝しています。
 チームがまとまってくると共に売上げの方も順調に伸びてきて、仕事がとても楽しいと思える毎日でした。
 そんな時、その少し前に会社が中国に立ち上げた、新事務所の運営がうまくいっていないという問題が起こりました。結果、私達のチームの売り上げのほとんどを占めていた取引先を失ってしまったのです。チームはほぼ解散状態、私と営業職の人の2人だけが残されました。

 今まで、もっとチームの成績を伸ばそう、もっと良い商品を作ろう、と目標に向かって頑張ってきたのに、急に頑張りたくても頑張るところがない、と言う状況に陥ったのです。仕事が趣味のようになっていた私は、他に気持ちを向けるところがありませんでした。
 そしてまたちょうどその頃、付き合っていた恋人とも関係が上手くいかなくなってきました。同業種で働いていた彼とは、いつの間にかお互いにとってグチや悩みを聞いてもらう相手になっていたように思います。彼の悩みを聞いているとき、私もこんな状況でとてもしんどいのに、わかってよ・・・といつも思っていました。言わなくてもわかって・・・と母子一体感(子どもがお母さんは自分のことを言わなくても分かってくれる、自分の思い通りに動いてくれるはずと期待してしまう、甘えや依存心のこと)を持っていて、自分の中に溜め込んでいました。

 結局別れることになり、頑張る仕事も心の支えもない、いったい何を目的に、どんな気持ちで毎日を過ごしていけばいいのかがわからなくなってしまいました。
 家族も友達もいる、行く会社も住む家もあって、食べることには困らない。それは十分幸せなことだと頭では分かっていても、心が感じない。友人と会っていても好きなテレビを観ていても、何をしていても“楽しい”という言葉を忘れてしまったかのようでした。
 人前ではニコニコ笑い、家に帰って寂しく落ち込む毎日でした。

 一人でいることに将来の不安も感じ、そのうち、気持ちか、あるいは経済的にか、どちらかがもうこれ以上は無理、となったら命を絶ってしまえばいいんだ、だからとりあえずそれまで生きておこう・・・と後ろ向きな“生きる”を毎日のように考えていました。

 何のために一生懸命働くんだろう?楽しいことをするのにお金がいるから?じゃあ、楽しいことをしなければ別に一生懸命働く必要なんてない。食べるのにお金がいる?じゃあ、食べなければ働かなくていい・・・じゃあ、何のために生きているの?・・・こんな答えの出るはずもないことをずっと考えていました。
 一度、両親にも言ってしまったことがあります。父は黙っていました。母は「そうやねぇ・・・」と言いながら、困った顔をしていたように思います。

 そんなとき、友人がメンタルヘルス協会の話をしてくれ、体験講座を勧めてくれたのです。実は、友人からメンタルの話を聞くのは2度目でした。私がこんな気持ちでいることは友人には話していないにもかかわらず再びメンタルの話を聞いたときは、もう迷い無く体験講座を申し込みました。キャンセル待ちだったのですが、受講できることとなり、その日のうちに基礎コース前編を申し込みました。衛藤先生の力ある、笑いあり涙ありのお話で、久しぶりに感情が揺すぶられるのを感じ、もっとお話を聴きたいと思いました。

 受講を始めると、その内容はとても興味深く、驚きの連続でした。

 私の中でまず最初の変化は、感謝のIメッセージ「大切な人への心の伝え方」の講座でした。私は会社にどうしても受け入れられない人がいました。仕事をする上で認められない、という気持ちから、だんだんその人の行動、存在全てを拒否し、イライラしていました。

 しかし、講座で習ったように、問題は誰が持っているのか?を改めて考えました。相手は私を怒らせようと思って行動しているのではなく、普通に行動しています。つまり誰に対しても同じ行動をとっているのですが、私がその行動を受け入れられずイライラしている、つまり問題の所有者は私自身だったのです。
 したがって、自分がイライラしないために、相手の行動を変えさせることは自分勝手なことだ、ということに気づいたら、全く気にならなくなったのです。次の日から勇気を出してまず挨拶から始めました。今まで全く口も聞かなかったのですから、相手も驚いていたと思います。それでも続けていると、少しずつですが相手の方からも話しかけて来てくれるようになり、 “会話”ができるようになりました。

 不景気のせいか、もともと事務所内の雰囲気は暗く、他の人同士でも挨拶も会話も多くありませんでした。話しかけても会話が続かないことで、私も“暗い”方に引きずられそうになることもありました。でも衛藤先生に「“明るく”を少しでも持続していって」と言うお言葉をいただき、毎日挨拶と何か声を掛けることを続けました。もう今では仕事以外の話までも、笑って会話するようになっています。周りが暗いと思っていましたが、私も同じだったのだと思います。自分が変われたことで相手も変わった!こんなうれしいことはありません。不景気は変わりませんが、仕事の流れにはいい影響が出ているのではないかと感じています。

 基礎コース前編の講座が終わる頃から、“楽しい”という気持ちを取り戻したかのように、毎日過ごす気分が変わってきました。
 もともと感情の起伏が激しく、自分でもどうにかしなければと思うほどだったのですが、後編講座の「ゲシュタルト療法」や「森田療法」の講座を受講したとき、良い意味で気が抜けたような感じがしました。失敗した自分も頑張りすぎた自分も不安な自分も全部わたし。「あるがまま」でいいんだ、と思えたらマイナスの感情が消えて落ち着いてきました。

 講座の中で衛藤先生の「あなたの身体はあなただけのものではない。この世に生を受けたことに感謝し、簡単に命を絶ってはいけない」という言葉を聴いたとき、以前の私はなんてひどいことを考えていたのだろうと、自分が恥かしくなりました。両親はあの時どんな気持ちで聴いていたのだろうと考えると、心が痛みます。

 「本当の自分に出会える音楽力」の講座の中で、ワークの一つで幼少のころの自分に戻って両親のことを想ったとき、涙があふれてきました。最初は、こんなに仲がいいのに何故?とよく分からない気持ちになりましたが、その後振り返って考えてみました。もともと心配性な両親を心配させたくないと、今まで仕事でもプライベートなことでも、ほとんど“辛い”部分の本心を具体的には話してきませんでした。話さないことが心配させないこと、と勝手に思い込んで来ましたが、本当は話さないことでもっと心配させてきたのではないか、と申し訳ない気持ちになりました。
 普段から「ありがとう」はよく言っているほうですが、改めて感謝の気持ちを伝えたいです。

 基礎コースを修了する少し前くらいに会社の組織替えがあり、今、一時的に違う部署で仕事をしています。メンタルを受講する前の私だったら、おそらく不要なプライドと価値観の押し付けでぎくしゃくしていたかもしれません。でも、今はつたないながらもIメッセージを使い、明るく笑顔でいることで何の問題もなく、むしろとても親切に私を受け入れてくれていると感じます。

 よく衛藤先生が夫婦間の問題で「勝負に勝ちたいのですか?幸せになりたいのですか?」とおっしゃいます。夫婦間ではありませんが、この言葉をよく思い出すのです。以前の私は勝負していました。でも今は、同じ会社で同じ目的で働いている人と勝負する必要なんてどこにもない。ただあなたとうまくやりたいだけ、と。
 あなたがこうしてくれたら・・・あなたがこうだから・・・という、あなた主体のYouメッセージが飛び交う会社内で、私はこう感じる、自分の想いを伝えるIメッセージが広がり笑顔が増えることを毎日願いながら、私から発信していこうと思います。

 私自身、仕事に関して今後、大きく関わり方がかわる可能性もあり、不安になることもあります。ですが、人生に意味の無いことは一つもない、と学びました。選択に悩むこともありますが、選ぶことより選んだ後の方が大事なのだと。そのためには自分らしく今を楽しもうと思っています。

 最近、とてもいいことがたくさんあるなぁと感じます。特別な日じゃなくても、受け取り方次第で普通の毎日が楽しい!自分と未来は変えられると実感しています。

 このレポートを書きながら、改めて家族への思いや今まで思い出さなかったことを振り返ることができました。未来へ繋がる振り返りが出来たと思います。

 これからも再受講を続け、もっと深く学び、笑顔でいっぱいの世界になるよう、私自身がパワースポットになりたいです。



 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:乙川

いつも素敵な笑顔で教室に来て下さる上加世田さん。
 その笑顔にいつも心がほっこり、あったかくてやわらかい気持ちになります。

 今回、上加世田さんのレポートを読ませていただいて、あるがままの自分を受け入れ
 「自分らしく今を楽しもう!!」とういう前向きさ、「自分から発信していこう!」という想い。
 そして、「一歩踏み出す勇気」を感じました。「自分と未来は変えられる」勇気の一歩。

 「他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」
 衛藤先生が講座の中で教えてくださったことば。

 どうしても受け入れられない相手に対して、相手に変わって欲しいとイライラを募らせる毎日から、「まずは挨拶から」と自分から笑顔で挨拶をし続けていった上加世田さん。

 自分から発信し続ける事は、簡単なようで自分のいろんな感情が時には邪魔をしたり、周りの雰囲気に引きずられたり、容易なことではなかったと思います。
 ですが、小さな一歩の積み重ね。
 上加世田さんが毎日続けることで、お互いに笑って会話できるくらいの心の繋がりへと変わっていった。「自分と未来は変えられる」と実感された瞬間だったと思います。

 私も過去に、上加世田さんと同じ様にどうしても受け入れられない相手がいました。
 私の場合、同じ挨拶でも相手に対して「私が挨拶しているのに何で挨拶を返してくれないの」という気持ちで、心のどこかで相手を変えてやろうという思いや自分の価値観を押し付けているところが表れていたのでしょう。
 それでは、相手の気持ちも開くわけがありません。

 ただその人の笑顔が見れると嬉しいだけなのに。
 一緒に楽しく過ごしたいだけなのに。
 本当の気持ちはそこにありました。そんな気持ちが素直に伝えられたら・・・

 自分なりにちょっとした事からIメッセージで想いを伝えたり(意識しすぎて、ぎこちないものだったかもしれませんが)、自分自身が穏やかな気持ちで日々いることが一番と毎日を過ごしていました。
 月日が経ち、徐々に普通に会話できるようになってきた事を嬉しく思っていた頃、訪れたさよなら。
 残念ながらお互いの関係は、それ以上変わる事はありませんでしたが、
 その人との出会いは私にとって大切な教訓となって心に残っています。
 同じことはもうしない、後悔しないように素直な気持ちで、その時に想いを伝えよう。
 そして、他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だけなんだと。


 今もその人がどこかで笑顔で過ごしている事を願っています。

 基礎コースを修了する日に、自分自身に宛てて書いたメッセージを思い出しました。
 『 ~ はじめは小さな一歩でも、自分が動けばそこに波が生まれ、周りに広がっていく。
 またそこからどんどん輪が広がって、自分の周りに笑顔が広がっていく。
 そのために小さくても勇気をもって「一歩」を踏み出そう!!
 大丈夫、私ならきっとできるよ。 ~ 』

 自分からもらったエールのように、今はしっかりと一歩ずつ前進しています。
 この日は、出会った大切な仲間や家族がいつも応援してくれていて、支えてくれていたことを改めて心から感謝した日でもありました。

 上加世田さんのレポートには「感謝」というタイトルが付けられていました。
 心からの「ありがとう」を上加世田さんも胸いっぱいにもって、いろんな想いを感じておられると思います。
 そんな上加世田さんからたくさんの笑顔の輪がさらに広がっていくことを心から願っています。

 改めて自分自身を振り返る大切な機会をいただきました。
 上加世田さんの素敵なレポートに心から感謝します。
 本当にありがとうございました。