Home 受講生の感想レポート 誤解はお互いが、より理解しあえるために起こるもの
誤解はお互いが、より理解しあえるために起こるもの

東京校  木村 仁美さん(42歳 女性)


基礎コース・後編、最後のセミナー。
印象に残ったのが、「見返りを求めず、純粋に今を楽しんでいる人が自己実現している人」という衛藤先生の言葉です。
私が20代の頃、当時の職場で野心の強い上司がいつも口にしていました。

「自己実現」

最近よく耳にする言葉ではありますが、いざ「あなたの自己実現とは?」と聞かれると、うまく十分に説明できない自分がいました。

ここで、これまでの自分を振り返るために、少し自分自身のことを書いてみます。
私は自分で言うのもおこがましいのですが、いつも目標に向かって突き進むタイプの人間でそれなりに忍耐力や根性もあると思います。目標に向かって努力もして来ました。

「仕事ができれば、特に結婚しなくても問題ないのでは?」と思っていたところもあり、仕事で認められることを意識して過ごしてきたのですが、気が付けば世間で言われるアラフォー世代の仲間入りをしていました。

自分自身「一生懸命、頑張る」ことが好きなのですが、やはり硬い、頑固、融通が利かない。思い通りにならないと気がすまない。
常に「こうあるべきだ、こうしないと。」そういうことを思いながら、ひたすら走り続けてきたように思います。

また、今では精神的にも落ち着いているのですが若い頃は、よく言えば「自分の感情に素直でストレート。」けれどもその分人の好き嫌いもハッキリしていて「言いたい人には言わせておけば良い。」と言った強気なところもありました。

しかし、比較的順風だった20代とは環境も異なり、30代も半ばを過ぎた頃からいろんな壁にぶつかるようになりました。


・仲の良い友人がみな結婚して疎遠になっていくと同時に、自分を理解してくれる人が回りから少しずつ少なくなってくる。
・仕事でも理想を追うばかりで実力が伴わない。
・いろんな、焦りと不安が自分を襲ってくる。
・常に計算しないと生き残っていけない。と感じ「できる自分」を演じてみたり。

今、振り返るとすごく痛々しい自分がいます。

40歳を前にして体力の衰えなども感じ始め、職場の人間関係や、プライベートでもいろいろなストレスが重なり、メニエール病の症状が出てしまいました。
「自分はどうしてしまったんだろう。ここまで来るのにあんなに頑張ってきたのに。真面目にやって来たのに。ほんとにどうしちゃったの?」そんな感じでした。
「みんな私のことを認めてくれない。理解してくれない。」一生懸命もがいている自分がいました。

それでも、徐々に体調も精神的にも落ち着きを取り戻し、自分の希望する職で再就職できたのですが、やはり人間関係ではすごく苦労しました。

・仕事はできるけど、協調性のない先輩。
・常に自分をアピールする人。そんな人と争うように、負けないように、毎日計算する日々。

かなり疲れてしまいましたが、それでも自分の努力を認めてくれる人もいて、試行錯誤を繰り返しつつも、徐々に自分にも追い風が吹いてきた頃に日本メンタルヘルス協会を紹介されました。

紹介者は以前の職場で同じだった、中田舞さんです。
中田さんとは、約1年間同じ職場で過ごしました。違う職場に移ってからも、連絡を取り合い交流が続いています。
お互いないものを補い理解しあえる、良き友人です。
その中田さんに「メンタルヘルス協会がおもしろい」と誘って貰ったのが、セミナー受講のきっかけです。

初めてのセミナー
体験セミナーを受けたその日に、基礎コースの申し込みをしました。
そしてセミナー初日。運命なのか、たまたま帰りが同じJR線の方々と一緒の席になりました。
それが、渡瀬さんと真鍋さんです。
あの時、同じJR線のお二人と同じ席にならなかったら、こんなに楽しいセミナーにならなかったかもしれません。毎週、講座後のお食事会にも参加しました。
あまり自慢になりませんが、食事会はセミナーと同様、皆勤賞です。(笑)
でも、それはセミナーとは直接関係のないことのように見えますが、すごく大事なことだと思います。

その日に受講して習ったことを、その日に同じ受講者の方々に語ることによって、少しだけ自分のものにでき、身に付けられたのではないかと。
また、セミナーを経るごとに、自分にも心の余裕が出てきた気がします。
「自分は自分でいいんだ。こういう気持ちを分かってくれる人がいる。」そういう感覚がすごく心地良かったのです。

基礎コース・前編を受けていた頃、今の職場ですごく頑固な年配男性がいて私はその男性がすごく苦手だったのですが、ある時いい機会だったのでセミナーで習ったアクティブリスニング(聴き方のテクニックの一つ)を使ってみました。
その時はまだ、お相手に変化はありませんでしたが、「自分の中で何かを越えた。」少しだけその男性に対して苦手意識を克服できた気がします。
同時にその方も少しずつ心を開いてくれていると実感しています。

心に残るセミナーは数多くあるのですが、次に挙げるとすれば「ブレーン・ストーミング(小グループによるアイデア発想法の一つで、会議の参加メンバー各自が自由奔放にアイデアを出し合い、互いの発想の違いを利用して、連想を行うことによってさらに多数のアイデアを生み出そうという方法。)」です。具体的に仕事やプライベートでは実践していませんが「こんな素敵な手段があるんだ。」とてもいいことを教えてもらった気分です。
大事なのはみんなが参加することにより協力し合う雰囲気ができること。
家庭や友人間、職場でもみんなの意見を尊重しながら友好的な解決をさぐることができると思いました。
今後もそういう場面になった場合は是非、実践してみたいと思います。

テストセラピーの講座も楽しい内容でした。
その時描いた、実のなった木は「寂しがり屋の部分もあるけれど、それなりに目標を持っている、でも画用紙から木の一部がはみ出しているので、会社で自分をわかって欲しい願望があるけれども、うまく表現できていない。」など言われてみれば納得できるものが多くありました。

2番目のテーマ「家族」と聞いて想像するものは、未来の自分のこうありたい家族像を描いて、今の自分の気持ちや心理的なものを知るきっかけになったように思います。
絵を描く心理テストは、なんとなく予想できる回答もありましたが、思いもよらず隠れた自分の深層心理に気付くことができました。

また、「親しき仲にも離別感」・「子供には失敗する権利がある」この内容は、お相手も子供も家族みんながHappyになれる大事なことだと思います。これからも自分の心に留めておきたい言葉です。

また受講の途中で参加したアイランドツアーは私にとって更なる転機になりました。


自然とふれあい、ワークを行う。
星空のワーク。手をつないだ相手を探すワーク。感動的な幸せな結末。
いろんな人たちと出会い友達になれたこと。
最後に1年後の自分自身に手紙を書いたとき、これまでの自分が自分のできないところ、足りないところに目を向けていたことや「やはり自分は自分に期待している。」ということを改めて実感しました。

このアイランドでのさまざまな経験も同期として受講されていた、渡瀬さんと真鍋さんが申し込みしていなかったら、私も申し込みしていたかどうか分かりません。
これも自然な流れと思うと、とてもいい経験をさせていただいたと思います。

私がセミナーで学んだこと。
人の気持ちを汲み取る言動をする。
セミナーに通いながら、アイランドへ参加する。
すごく自然な流れでした。不思議なくらいです。

とは言えまだまだ、職場ではいろんなことを計算する自分もいます。
ここでアピールすれば、うまくいくとか。
でも、それ以外にも自分のよさを活かしながら、人の役に立てる仕事を楽しめるし一緒に仕事をするパートナーを認めながら、一緒に成長できると感じる自分もいます。

本当にまだまだ、これから。
でも心に余裕ができたから、起きる出来事もすごく楽しく感じることができるし笑顔も自然と出てくる。
本来自分が持っている、良いところを取り戻すことができ、本来の自分に戻れた気がします。

でも、まだ達成できていないこともあります。それは、両親に感謝のIメッセージ(自分の気持ちを素直に伝えるメッセージ)を伝えること。私は元々、母親との相性が悪くそれが悩みでもあります。
娘のいいところではなく、悪いところばかりに目を向ける母親。
「こんな素直ないい子なのに!」といつも思う自分です(笑)
でも、最終回の講座の時に衛藤先生が言われていた、禅寺の和尚が言う「母親のせいにしながら母親の家で暮らす息子」と自分は同じ。

また嫌いと思っている友達との仲。
その友達の中に自分のいやなところが投影されている。
でも、そんないやな思いを引きずらなくても、嬉しく楽しく過ごせる友人に目を向ければいいのでは?
エンプティ・チェア(椅子を向かい合わせて置き、片方に自分が座り、もう一方の椅子に親や友人、上司、自分自身など、悩みの対象となる人を架空で座らせて、その相手と会話をしたり、席を替わって、相手の心情を考えて話したりしながら気づきを深める方法)を実践することで、苦手な母親、友人の気持ちにも気付けるのでは?

やはり人間関係は鏡。
日本メンタルヘルス協会でいろいろ気付かされることはあるのですが、自分が長年培ってきた性格や性質はなかなか変えられない。
「自分を大事にする、愛する、認めてあげる大切さ」というのを教えていただいたのですが、同じように相手もことも大事にすることが必要だと、いつも痛感します。分かっていてもなかなか実践できない自分。
セミナーに参加すれば、自然に解消されていくわけではなく、誰かが変えてくれるわけでもなく、これは少しずつ意識しながらうまく自分自身を変えていきたい私の課題のひとつです。

でも、両親にはいえなくても職場でIメッセージを伝えることによって、うまく行ったこともあります。
つい最近ですが、職場の新人の社員が取った行動にショックを受ける出来事がありました。
要は嘘をつかれてしまったのです。仕事である以上、仕方がない状況でもあったのですが、とても馬鹿にされた気がしました。でも、翌日その新人さんと話をするきっかけができたので、「嘘をつかれたのが、すごくショックだった」とIメッセージで伝えたのです。
そうすると、相手も「次回は致し方ないときはどうすればいいのか」をちゃんと質問して来たのです。ほんとに「やった!」という感じでした。

また、講座の中で話されていた各先生方の体験談が記憶に残っています。
そして、参加者のみなさんからもいろんな、素敵な話をお聞きしました。みなさん、素敵な笑顔でした。

これからも自分のペースで自分のいいところをみつめながら、私を囲むすべての人のいいところもみつめながら、心豊かな毎日を過ごしていければ、自己実現の状態に近づいていくと思います。
メンタルで学んだからこそ、自己実現の本当の意味が理解できたのです。
いつでもどこでも、今の自分を楽しめればそれからすべてが始まる。
笑顔が幸せを呼んでくる。わかっているようで今まで気付けなかった自分。

でも、セミナーを受けたからと言って、実践しなければ思う方向へは進めません。
実践していく中で、仕事やプライベートで何か問題が起きた時、衝撃を少なくし柔軟に対応していく方法も、メンタルで学びました。
なので、ゆっくりだけれど、ひとつずつクリアーしていければと思います。

実は、この感想レポートを書く間にも、職場の人間関係にぶつかってしまいました。


ちょっとしたことなのですが、私が社内で誤解を招くメールをしてしまったようなのですが、自分なりに考えがあり、そのメールを送っていたので、それに対する相手の態度に対して自分も少し意地になってしまっていました。

こんな時こそ、Iメッセージを使って自分の気持ちを素直に伝えるべきと分かってはいるのですが、なかなかうまくできない自分がいます。「誤解はお互いが、より理解しあえるために起こるもの。良い答えは自分で作る。」と前向きに、物事の良いところに焦点を合わせていきたいです。

これからも試行錯誤は続きますが、いい状態の自分が保てるように今後も基礎コースの再受講に励んでいきたいと思います。

 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:野本 

東京校でお会いする木村さんはいつも周りの方への気遣いをされていて、
講座をそしてそこで出会う仲間との関わりを本当に大事に楽しんでいらっしゃいます。

講座だけではなく、一年に一回のメンタルのお祭り<アイランドツアー>に参加された木村さん。
そこでの出会いや経験が本当に大きかったと話されていました。
アイランドツアーを参加された皆さん「一生の思い出になりました!また参加したいです!」
と必ずおっしゃいます。
その一生の思い出に残る経験を、僕たちスタッフは何回も経験させてもらっています。

その時に毎回感じます。講座の中で衛藤先生が「人間には晴れの日と褻(ケ)の日がある。褻の日とはなにげない日々・日常のことをいい、人生のほとんどはこの褻(ケ)の日の積み重ね。その中で、たまには晴れの日(非日常、祭のようにバカになる日)が必要なんです。」と。

理性過多の時代です。まじめ過ぎて身体を壊す方、心を壊す方が増えています。
ストレスをため過ぎずに上手に発散することができなくなっているのだと感じます。

僕もメンタルに来るまでは自分に対する評価が低く、もっと頑張れ!もっと成績を上げるんだ!

誰にも負けない勝ち組になるんだ!と、「ねばならない!」「こうあるべき!」の
完璧主義で周りや自分の足らない所を探すのが得意でした。

今思えば、誰かに認められたくて誰かに愛されたかったんです。
僕自身<自己実現>の本当の意味を履き違えていました。

「見返りを求めず、純粋に今を楽しんでいる人が自己実現している人」
そのことを衛藤先生から教わった時、最初はよくわかりませんでした。

「だって楽しむって言っても、もっと頑張らないとあの人に、
あの上司に、あの恋人に認めてもらえないから今は楽しめない!」と思いました。

ただその時に衛藤先生から、「心理学では<一人称>で考えなさいと言います。誰かのせいでではなく、そういう事をこう受け止めて感じている“自分”がいるのだ、と考えることです」
と言われて、「はっ」と気付かされました。

周りが誰かが自分の理想通りにしてくれないから自分は楽しめないのではなく、
自分が楽しもうとしていないだけなんだと。
身体は大人になってもいつまでも周りに甘えている自分に気づいて涙が出ました。

そして<自分の最高のサポーターは親でも配偶者でも恋人でもなく“自分”なんです>と
講座で学んだことがストンと腑に落ちたのを今でも忘れません。

それからです。
今、出来ることを日々やっていこうと心に決めました。
学んだことを実践していくこと、そして一番簡単に出来ること“笑顔”でいようと!

今では多くの受講生さんから、笑顔が素敵ですね!その笑顔を見るとほっとします!
と言っていただくことが本当に何よりも嬉しいことで、
今日、今、笑顔でいられることは、僕にとっては自己実現へ近づく一歩なんです。

幸せとは山の彼方空遠くにあるのではなく、
身近な所にあるものを見つけることなんですよね。
木村さんのレポートを通して改めて気付かせていただきました。
本当に素敵なレポートをありがとうございました。