対人関係の悩みの根本にあったものを知り、嘘のようにスッキリできた |
大阪校 岡本 邦裕さん(45歳 男性)
私は会社で総務系の仕事をしております。過去に従業員が欝になり対応に苦慮した経験がありました。社内の人間関係の問題等もありメンタルヘルスについて学ぶ必要性を日頃から感じていました。
昨年の10月、息子が通う中学校でメンタルヘルスの講演があるのを知り、参加する予定にしていたのですが、残念ながら私は当日仕事のため行く事ができなくなくなりました。
妻はPTAの役員をしているので参加し、私が会社から帰ると講演内容がとても良かった事、そしてそこで持ち帰ったチラシに日本メンタルヘルス協会の講座案内があり、教室も会社の近くなので受講してみたらと勧められました。その中学校での講師が衛藤先生だったのです。
妻から講演内容を聞いていると、私も是非聞いてみたくなり、すぐ最初の体験セミナーの申し込みをしましたが、既に直近での日程は一杯で次回の日程での受付となりました。私は昨今メンタルヘルスについて学ぶ人が多いのだと感心致しました。 体験セミナー受講の為、教室がある心斎橋に向かいました。教室はディオールのビルの6階で、いいところにあるなぁと気持よくエレーベーターで上がると、いきなりスタッフの方々が満面の笑みで迎えて下さり正直戸惑いました。これはもしやアヤシイ団体なのでは・・・と思いながら、満室の教室で初めて衛藤先生のお話を聞くことができました。
分り易く、凄く身にしみる内容で、時間はあっという間に過ぎてしまいました。当日迷うことなく基礎コースの申し込みをし、衛藤先生の本を買い、サインと握手をして頂き気持ちよく帰宅しました。帰宅してからも、体験セミナーの話を熱く妻に語っていました。その後、私の熱い勧めで妻も体験セミナーに参加し、そして基礎コースをスタート、今回めでてたく夫婦一緒に修了パーティーに出席できる事になりました。
基礎コース前編でアクティブリスニング(能動的な聴き方)・パッシブリスニング(受動的な聴き方)・アイメッセージ(自分の気持ちを素直に伝えるメッセージ)と学ぶなかで、自分の今までの他の人への対応がとても恥ずかしくなりました。言ってはいけないことの連発でした。知らない事は恐ろしいことです。
受講後は当然、家庭で活用するのですが妻にはいつも「メンタルで聞いてきたんやろ。」と流されてしまいます。やはりとってつけた言い方になるのでしょうか。。。今まで出来ていなかった事なので、毎日意識していないと忘れてしまったり、うっかり言ってしまった後に気がついたりの繰り返しです。妻が講座に参加するようになってからは、いつも「メンタルで何聞いてるの?笑ってるだけとちゃうん。」と言われるようになりました。
でも、受講した後は不思議なことに毎回気持ちがスッキリして、いままでは当たり前だと思っていた事にも感謝の気持ちが湧いてくるようになりました。
例えば、講座後の食事会に参加し終電で帰る時、「私は大阪市内に住んでいるから食事会にも参加でき、みなさんと遅くまでお話が出来て楽しむことができるんやなぁ。」と自分の環境に感謝し、駅からの帰りに道路工事の現場を通ると、「こんな深夜に寒い日も暑い日も、工事をしていただいているから綺麗な道路を歩けるんだなぁ。ありがたいなぁ。」と感謝し、自宅では遅くまで私の帰りを待っている妻に感謝するようになりました。ただ、その旨を妻に伝えると「メンタルで聞いてきたんやろ。」と返されますが・・・(笑)。
その後、受講していくうちに自分自身の内面を見つめるようになりました。衛藤先生が講座の中で言われる「過去と他人は変えられない。変えられるのは未来と自分だけ。」という言葉が腑に落ちました。
そして、ライフライン(自分の人生を一本の線で表す)を書く講座で、今まで他人に話したくなかった、また話す必要がなかった長男の死産についての話をしました。順番がくるまで話そうかどうしようかと迷いもありましたが、この同じ場所にいるみなさんは、自分と同様メンタルヘルスの必要性を感じて学びに来られているのだからと思うと話すことができたし、話せた自分にも驚きました。
それは、私たち夫婦にとって結婚3年目に授かった命でした。予定日を数日過ぎ、妻が破水し急遽病院で出産となりました。帝王切開だったのですが、残念ながら「生」を持って誕生する事が出来なかったのです。妻はショックでその子の姿を見ることも出来ず、私と両方の両親とで対面しました。とても綺麗な男の子でした。彼を助ける事ができなかった私は無力感を覚えました。当たり前のように元気に子供が産まれてくるものだと思っていました。まさか、自分にこんな事が起こるなんて思ってもいませんでした。
帝王切開だったので、妻は心にも身体にも傷を負いました。その時本当に妻の事を思い、そして寄り添い、優しい言葉をかける事ができていただろうか・・・。夫婦で子供を失っているのだから、同じ思いだろうと決め付け、お互いの気持ちは相通じているものだと思い込んでいたのではないか。お腹の中で長く一緒に育んできた命、男の私には分からない女性としての妻の想い。私は口数が少ない方なので、もっともっと言葉をかけ、話を聴くべきだったと今になって自責の念でいっぱいです。
幸いにも、その後二人の子供に恵まれ家族四人で幸せに暮らす事が叶いました。私の心の中はいつも長男と一緒です。
ライフラインで長男の事を含め、自分のこれまでの人生を話すことが出来て本当に良かったと思います。話し振り返る事によって、楽しい学生生活や海外旅行等に行かせてもらい思いっきりスネカジリだった事に今さらですが両親に感謝し、二人の子供の誕生による幸せに感謝しました。また父の死による別れ・悲しみを振り返ることで、幾つもの山や谷があった自分の過去を全て愛すという意味が理解でき、そして過去を全て愛せると確信できました。
ライフラインでの気づきと、その後も学びを続けていくうちに、自分を客観視できるようになった気がします。会社での対人関係なのですが、私は顔を見るのも嫌、同じ場の空気を吸っているのも苦痛になるような人が社内にいます。組織上は別の部門なので関わる事が少なく、仕事のことで会話をする以外は存在を無視することによって心の安定を保つようにしていました。ここ数年間はそんな状況で、出勤しようと思うだけで憂鬱な気持ちになり職場でも暗い表情になっていました。
その為、職場では本来の自分を出せず、社内でのコミュニケーションも億劫になり、もくもくと仕事だけをこなすといった状態でした。
でも、学びを続け自分自身を見つめる事により、この対人関係の悩みの根本にあるのは自分の焦点の当て方や受け止め方だと気付いた時、嘘のようにスッキリしました。相手の欠点ばかりを見ていたのです。過去の印象を引きずり続け、その人の欠点が全人格かのよう見ていたのです。今は少しずつですが、その人の良い所に目をむけるよう意識しています。一日一日を大切に過ごし、どんな状況でも楽しみを見つけていけるように。
今回、このレポートを作成するにあたり、自分自身を振り返る本当にいい機会を与えて頂きありがとうございました。これからも再受講もしながら学びを続けていきますのでよろしくお願いいたします。
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~受講生のレポートより抜粋~ |
紹介スタッフ:吉原 |
岡本さんは先日の8月8日の大阪校基礎コース修了パーティーにご夫婦揃って参加されました。以前、私の母と妹も受講しましたが、同じ事を家族が学んでいるという事だけでもとても嬉しい気持ちだったので、修了パーティーに揃って参加できる事は本当に素敵な事だなぁと岡本さんご夫妻を見て感じました。
そして、人を思うという事。 私が岡本さんのレポートを読ませていただいて、一番心に残った事です。岡本さんは受講をきっかけにご家族・亡くなったお子様・ご両親への思いをあらためて感じられたように思いました。
最近、世間を騒がせた大阪の幼い子供達が母親に育児放棄をされて亡くなった事件。場所は私の家の近くでした。
私が冷房のきいた部屋の中で食事をしている間、その近くで子供達が空腹と暑さに苦しみながら亡くなったと思うと、やりきれない気持ちでいっぱいになります。 そして、高齢者の所在不明・・・。 家族という一度繋いだ手を離してしまった結果なのでしょうか。
ニュースを見ていると以前より家族間や身近な人間関係の中での事件が増えたように思います。衛藤先生が講座の中で話される「想像力の欠如」も原因の一つかもしれません。
コミュニケーションで大切な事は何かと質問すると「相手の立場になって考える事」と答える人が多いそうです。 頭では分かっていても、心の余裕がなく自分の事でいっぱいになってしまい、相手を思う余裕が持てないのが現状かもしれません。 身近な人であればなおさら分かってくれて当たり前になってしまいます。それでも、一度繋いだ手は離してはいけないのだと思いました。
岡本さんのレポートで人を思う事のチカラの大きさに気付きました。 離れて暮らしていても、どんなに腹が立っても、絆にひびが入っても、人を思う事はやめてはならないと改めて思いました。 少しずつでも悲しい事件が少なくなりますように・・・。
岡本さん、素敵なレポートありがとうございました!
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