大阪校基礎コース修了 大島みわこさん 45歳
子供達が早く大人になりたいとおもえるような、カッコいい大人が一杯の社会を
今から五年前、私は子宮癌と診断されました。幸い早期発見でしたので、手術をし、通院を継続することで、健康に生活できています。その頃の私は、この幼い三人の子供が(当時小三、小一、幼稚園児)成人するまでは何が何でも生きてやるという思いで一杯だったので、全ての治療に必死で取り組みました。夫と子供たちの協力もあり、私は健康を取り戻すことができました。しかし、私は随分と勝手らしく、自分自身の命に限りがあることを知ると、子供たちに対する教育がどんどん厳しいものとなり、私が焦れば焦るほど、子供たちだけでなく、夫、周りのお母さん仲間ともギクシャクし始めました。
私自身が、勝手に自分の心の中に閉じこもるようになり、二年程前には、自分で、少し私はおかしいかも?と思うようになりました。幸せなことに、こんな時にいつも勇気を与えてくれるのは夫と三人の子供たちです。夫は会社経営の傍ら大学院へ通っています。夫は心理学の講義でのレポートを書くために幼児教室へ取材に行きました。その様子とレポートを読んで、心理学は、きちんと勉強すれば、子育てに役立つのではないか、という思いが私の中に芽生えました。一年前、次女の様子がおかしくなり、そんな娘を見ても私は、どうすることもできませんでした。今思えば、母親の私が苦しめていただけだったのかしら、と思います。このとき心理学の勉強は、私にとって強く強く必要だと思い、大学を探し始めましたが、なかなかみつからず、その場で、悶々としていました。そんな折、友人が、メンタルヘルスの体験講座に誘ってくださり、今に至ります。以前の私なら、子供を置いて、広島から大阪まで行くなんて、思い切れなかっただろうに、体験ゼミナールが、私の背中をドンと押してくれたのです。基礎コース前編・後編の計12回の講座の中で、私自身が色々な気づきを頂きました。私は何故か夕方になると、ものすごく寂しさを覚え、孤独感を感じる時があります。前編の第2講座を受け、種を保存するための3大本能欲求に「集団欲」があるという事を知り、夕方寂しさを覚えるのも、私は「人間だったんだ、私の脳幹は頑張ってくれているんだ」と、感謝し「ホッ」とした瞬間でした。また、人間は、「学ぶ」ということができることも知り、「諦めてはならぬ」という思いも湧きました。次にとっても耳の痛い講座が幾つかありました。一つ目は前編の第1講座の≪聴き方 秘密のテクニック≫です。よく我が家の親子喧嘩では、子供たちから「お母さん、決めつけないで」というフレーズが発せられます。そうです、私は決めつけていたのです。この講座を受けて知ったのですが、子供たちの言っていることは、尤もなのです。そして、最後には、親のエゴと力でねじ伏せる。これでは、良い親子関係は、築けないのはあたりまえでしょう。受講後、アクティブリスニング(能動的な聴き方)を心掛け、日々を過ごしていると、中二の反抗期真っ只中の娘から「お母さん、今まで言えなかったんだけど」と相談を受けました。「変えようとする前に分かろうとしなさい」という担当講師の丸山先生の言葉を体感でき、学びの幸せを頂いたできごとでした。次に、前編の第3講座の≪大切な人への心の伝え方≫です。衛藤先生のお話の中にアメリカの海岸での日本の親子のやりとりがありました。(子どもが砂浜で砂のお城を作っていると、波で消されてしまい、また作り始め、また波で消され・・・を繰り返していると、母親が黙っていられなくなり、結局母親が砂のお城を作ってしまう話し)私はそのお話を笑って聞いていましたが、穴があったら入りたい、とはこのことかと思うくらい恥ずかしい思いでした。まさに私です。見守ること、待つことを忘れ、子供の失敗するチャンスを奪い、私の感情で私のエゴでの「厳しさ」を押し付けていたと思うと申し訳ない思いで一杯でした。そしてカール・ロジャース博士の「失敗は、相手を信用しているから受け入れられる」という言葉と、衛藤先生から教えて頂いた「過保護の親は子供を信用していないし、子供を見ていない」という、この二つの言葉は、私にとって変革の言葉となりました。日々を振り返ると、人間直ぐに変化できるものではないということも思い知らされました。夫に、子供たちに感謝のIメッセージ(自分の素直な気持ちを伝えるメッセージ)を伝えようと思っても、どこかに期待を持ち、私自身に正直になれないので怒りの感情が湧きます。おそらく、私の中では感謝のIメッセージでも、相手からするとYouメッセージ(相手の言動を指摘するメッセージ)そのものなのでしょう。反省の日々です。私は、次女のために心理学を勉強しよう、子育てに役立てようと思って通い始めた講座でした。Iメッセージを学んでから、実は私自身の心の整理をきっちとしなくてはいけないのではと思い始めました。私自身が私自身に正直に向き合う、しかし44歳にもなると色々と思う事、人に知られたくない思い考えなどもあります。Iメッセージを相手に伝えられる日が少し遠くなったようで情けなくなりました。他の講座で「心理学では、他人と過去は変えられない。変えられるのは自分と、そして未来である、と言われています。」という言葉を知りました。何故か、ふっきれ前に進む勇気と将来の私自身のために今一度、正直に私自身と向き合ってみようと思いました。その次に、後編の第1講座の≪大切な人とわかりあえる解決法≫では、評価、批判、反論は、ナイフと同じで、他人を傷つけると林先生がおっしゃいました。私は、沢山の「偽り」(~の為だからね)を持ち、評価、批判というナイフを持って人に接していたように思います。この時あの時こうだったと具体例は挙げられませんが、私は多くの人々を傷つけてきたのだと思います。傷つけた方々本当にごめんなさい。おかげさまで、これから先の私の人生は、学び、反省を繰り返せるので温かいものとなると信じて歩みを進める事ができます。後編の第4講座の≪新しいあなたに生まれ変われる8ステップ≫は、もう10年早く知っておきたかったと思いました。E.エリクソン博士の「人は人と関わることによっていかようにも成長、変化する。」という言葉に救われました。丸山先生から「ハーローの実験のサルたち」の話を聞いて身が凍るおもいでした。子供達が母親の膝の上を好み、まとわりつく理由を知りました。「哺乳類は、柔らかくて、温かいものが好みである。」このことを頭に入れ子供達と接していきたいと思います。最も私が衝撃的だった講座は、後編の第5講座の≪どんな時も自分をコントロールできる魔法の暗示≫でした。丸山先生が「このワークは、子供に過剰に声かけをし、かかわりすぎている親へのものです。人は、言われたようになるという事を体感してもらうために用います。」と説明をされました。これは、是非体感したいと思い、丸山先生に暗示をかけて頂きました。驚きました!私自身には、身体が硬くなっていく、硬くなったという意識はありませんでしたが、しっかり硬くなっていたようです。
二三日後、背中から始まり首、足など身体中が痛くなりました。私は、子供達に毎日こんなにしんどい思いをさせているのかと痛感しました。私は無意識に「あっ、また。いつも言ってるでしょう。」と否定的な言葉ばかりを連発し深く子供達を傷つけているのでしょう。また私自身も何かに縛られ息苦しく生きていることにも気づきました。基礎コースの12講座を終えて、私は、今やっと自分自身と向き合う姿勢と覚悟ができました。心理学の学びへの扉の前に立てたように思います。基礎講座の再受講を繰り返し、もっともっと学びを深め、将来は、研究コースへと歩みを進めていきたいと考えます。私同様、何かに縛られ、子育てに悩んでいるお母さんを、女性特有の病気で苦しんでいる方々、地方で、心の元気が欲しいと思っている方々に、ここ日本メンタルヘルス協会での学びを分かち合えるように努力を続けていきたいと決心しています。愛する夫と子供達に、最近 輝いているね、といわれるように、これを、50歳に向かっての目標として歩んでいきたいと考えています。2009年5月19日は私の人生において大きな分岐点となりました。衛藤先生が、「子供達が早く大人になりたいとおもえるような、カッコいい大人が一杯の社会にしましょう。」と、おっしゃったこの言葉が、子育て奮闘中の私の心に響きました。その言葉に導かれるように二か月半の受講期間、色々ありましたが12講座無事終了できました。何より私を支えてくれた夫の「学び」に対する深い理解と協力、子供達の明るい笑顔に感謝の気持ちで一杯です。本当にありがとう!そして、幸せなことに、受講中に仲良くしていただき、励まし、協力してくださった同期の皆さんありがとう!先生方、スタッフの皆さん、いつも温かい笑顔で見守って頂き勇気を頂きました。二か月半、沢山の愛を頂いたおかげで50歳に向かっての目標へ力強く歩み始めている私自身を確信しています。