受講生の感想レポート

東京校基礎コース修了 桜井由希さん 28歳

相手に求める前にまず自分を変えること

この心理学講座に通うきっかけは友達の紹介でした。
以前から興味はありましたが、自分でそういう機会を見つけてまでの学習意欲はなかったように思います。
彼は講座の帰りに私にすごくよかったということをアウトプットして教えてくれました。
いつも冷静で自分の気持ちを見せないような人がいきいきして話をしているのを見て単純に興味が湧きました。
帰ってすぐに申し込みをしました。彼も心配だったのか一緒に来てくれました。心理学=難しいという私の勝手なイメージが変わった瞬間でした。
衛藤先生は自分の大学生活、カウンセラーとして、自分のプライベートで学んだこと、感じたことなど体験談を話してくださいました。
中学時代から“睡眠学習”の私がちゃんと真剣に話を聴くことができるのか?と心配でしたが、わかりやすく、楽しく、感動する話もあり、涙が止まらない時もありました。
その中で“知らないことは罪”という言葉が印象に残りました。
今や現代病と言われている鬱病ですが、私の友達もかかっている子もいますし、何回もリストカットして結局自殺した子もいました。
もっとそういうことに理解していたら食い止められたこともあったのではないかと思い、知識として入れたい、自分を見つめなおして成長したいという目標ができ、受講を決めました。毎回衝撃の連続でした。“聞く”と“聴く”の違い、“傾聴”や“受容”という言葉を知りませんでした。
相手の話を聴く時に同意、命令、忠告などを相手のために…と思ってやっていたこと、それが結局相手の成長を妨げることになったり、苦しみを結局わかってもらえない…と相手との信頼関係も崩れてくることになったりする可能性もあると思いました。
ディスカッションをして客観的な立場だと、分かっていることでもそれが自分の立場で考えてしまうと同じ失敗を繰り返していることも、自分自身が無意識のうちに相手を見えない糸で何とかコントロールしていることがあることも自覚しました。私の両親は全く違う環境で育ち、年齢も離れていることもあって価値観が全く違います。
実家では父方の祖父母と同居していますので、言い争いがやみません。
父親はまじめで仕事人間ですが、仕事後や休日はゴルフかパチンコで家のことをしない人でした。
母親はだいぶ我慢していました。
そうなると私たち子供に愚痴を言ってきます。
私は思春期にもなったころから、そんな母親のことをうっとうしいと思うようになっていました。
それだけではなく、私自身も祖父母から嫌味を言われたり、父親から勉強しろと言われたり、いじめを受けたりと自分の中でもストレスが増していきました。
今思うとただ“話を聴いてほしかった”だけなのだと思います。
相手が母親だけでなくても、誰に対しても沈黙、あいづちのみでした。
友達にもよく「人の話ちゃんと聴いている?」ときかれるくらい適当でした。
自分ではそんなつもりでなかったのに、誤解を招いていました。プロの聴き方を学んで“聴き役”に回ろうと思いました。
ただうなずくだけでなく、思いを引き出す言葉や相手の気持ちを汲み、繰り返し話をまとめるなど意識するようになりました。
今は一人暮らしをしていますので、実家に帰ったり電話をしたりするときに聴く時に“繰り返す”ことからはじめました。
結果はすぐ出ました。
“誰かに聴いてほしい”、“私のことを分かってほしい”というサインだったと気づきました。
聴き方一つでコミュニケーションも変わっていくと実感しました。恋人に対しても接し方を変えました。
彼は自分のことをあまり話したがらない人でした。
その度に私は警察の尋問みたいに追及していました。
「何で言ってくれないの?」「何で私に報告が一番じゃないの?」…。
最終的には「何で私には~してくれないの?」と言っていました。
そんな自分にも嫌気がさしていました。
いつも自分中心の話であったり、相手に何かを求めてばかりいたりでした。
しかし相手の話を聴く、そのことについて詳しく聴く、相手について理解しようとする…。
彼がなかなか就職試験に受からなくて落ち込んでいるときに、私は何かアドバイスをするのではなく、ただ黙ってそばにいることしかできませんでした。
その時はどうしたらいいか分からなくて、そんな行動をとったわけですが、それがうれしかったみたいです。Iメッセージ(自分の気持ちを素直に伝えるメッセージ)も衝撃的でした。
いつも両親にYouメッセージ(相手の言動を指摘するメッセージ)を言われてきて、私自身も嫌と感じていたのに、ほとんどYouメッセージばかりを使っていました。
特に家族や親しい友達、恋人、同僚や後輩という自分が甘えられる立場の人ばかり…。
「してくれて当然、あたりまえ」に思っていたところがありました。
その分相手に対する期待値も高かったと思います。“母子一体感(子どもがお母さんは自分のことを言わなくても分かってくれる、自分の思い通りに動いてくれるはずと期待してしまう、甘えや依存心のこと)”というすべての講座で出てくるこの言葉…最初は意味が分からなかったですが、回を重ねていくにつれて分かるようになりました。
相手に対する思いやりを持ち、親しき仲にも離別感を持つことも必要だと思いました。
最初は紹介者に帰りに「この講座を教えてありがとう」から始まり、今までの数々の感謝の気持ちを素直に伝えることができました。
言葉を考えてないといけないし、素直に自分の気持ちを伝えるなんてことを今までちゃんとできていなかったことや、照れの気持ちもあり、しどろもどろ話したことを覚えています。
そんな拙い言葉でも気持ちは伝わるものだと思いました。両親に対しても、普段当たり前と感じていたことに感謝の気持ちを表すようにしました。
実家に帰るとごちそうを作って待ってくれていたり、東京に戻るときに、家のお米や野菜を持たせてくれたり…私のことを大事に思ってくれているという感謝の気持ちをうれしく思っていても素直に表すことができないでいました。
最初から言うのは自分自身も抵抗があったので、「ご飯おいしかった」とか「野菜がおいしかった、やっぱり買うのと違う」と言うことから始めました。
だんだんそれが習慣化してくるとストレートに気持ちを言えるようになりました。
しかし少し慣れてくると相手が自分の思うような反応をしてくれなくなったことが私をイライラさせました。
テクニックだけで相手をコントロールしようとする自分がいました。
再受講して一番心に響いたのは大切なのは“相手を想う気持ち”で決してテクニックだけではないということでした。どの講座にしてもですが、“For me”ではなく“For you”の気持ちが大事であると思いました。「何で見つけてくれないの?」「寒い」「いつまでこのつらいことしないといけないのかな」「もしかして私を置いて外に出ている…?」、メンタル祭りのアイランドツアーの手のワークでは、周りが見えなくなって自分が焦っている時は常に自分のことしか考えていなかった私がいました。
違う手がきたら、「これじゃない」と人なのにモノのような扱い…。
「普段はこんな事をしていないのに…」そういう感情が一番にありました。
私は結局相手を見つけることができて、しばらくみんなを見学する状態になりました。
その間に今までの自分が人に対する態度を見つめなおすことができました。ワークがまだ終わってない人を見ても、ワークが終わっている人を見渡しても、自分と自問自答する時もありました。
“無意識に自分が人に嫌がること、傷つくことをしていないか?”“相手に求める前にまず自分を変える”ことが大事だと思いました。
相手に対して求めるばかりで、「じゃあ自分は相手に対して何事も完璧なのですね?」と先生から言われた時には「違う」と思いました。
相手に対して「それって常識」「それって当たり前」…。
自分の勝手な価値観であって相手には通用しないということを求めていました。
自分流の常識を押しつけて、無理やりに相手を変えることはできないと感じました。
“他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ”。
まず自分を変えることから始めました。彼はサッカーが好きで、とても大事な話をしていても、テレビでサッカーの話題になると夢中になるのです。
私はサッカーに対しても全然興味がなく、むしろおもしろくないスポーツだと思っていました。
「ルール分からないし、点がコンスタントに入るスポーツでないから観ていてもつまらない」という考えを持っていたのです。
「一度練習とか試合とか観にきてよ」と突然言われました。
一度くらい観に行ってみたらいいかなと思っていきました。
意外とおもしろかったので、練習や試合のある度に観に行くようになりました。
今まで自分が興味のないことには見向きもしなかったので、これを機にもっといろんなことに興味持ったり、行動したりしたいです。メンタルの後編コースのテストセラピーの講座の時に家族の絵を描くことになりました。
その時の心理状態や生活環境によって絵も変わってくると感じました。
私は自分の家族の絵を描きましたが、実際私が描いた絵を先生に診てもらうと、自分が意識をしていない奥底まで引き出されて怖かったのを覚えています。
今は亡き祖父や犬の絵も描いていました。
心のどこかにその時に戻りたいと思っていたのかもしれません。
その時はそんなに深く考えていませんでしたが、未来心理学(トランスパーソナル心理学)の講座で私のずっとしまっていたものが引き出されたのです。
今まで人の死に直面したことがなかった私は、悲しみと戸惑いがありました。
家も片づけないといけないし、周りを見ていたら私がしっかりしないと思うこともあり、そんな気持ちも閉まってしまわないといけないような気がしていました。
今まで普通に一緒にいた人が亡くなると初めてその人の大事さに気付かされました。
もっと優しくしておけばよかった、あんなことしなきゃよかった…でも浮かんでくるのは相手の笑顔です。
 
今自分があと1日しか生きられない…と思ったら、今を後悔しないように生きるのに、生きているのが当たり前に思ってしまっているので、“自分は生かされている”と思って日々一生懸命後悔しないように生きていくことが私の使命だなと思います。

 >  東京校基礎コース修了 桜井由希さん 28歳

ページトップへ