虹の戦士としての旅立ち

      2019/04/21

 将来、人と人の心が冷めてゆく、やがて身近な人ですら分かり合えなくなる時代が来る。その時に、母なる大地は「これ以上、人間を存在させる理由があるのか?」と悲しみ…

 そして、大地は不純物(心を失った人間)の浄化を始める。

 ネイティヴ・アメリカン(インディアン)ホピ族の予言にはそうある。

 最近の地震の多さ、火山の噴火、ハリケーンの巨大さ、異常気象は世界中から報告されています。もう、浄化のプロセスは始まっているのかもしれません。

 でも、多くの地域に住んでいるネイティヴ・アメリカン達は信じている。ホピの唯一ある救いの予言を…

 大地に、浄化のプロセスが始まった時に、たくさんの「虹の戦士」が世界に現れる。その虹の戦士の数が、心を失った人間の数よりも勝れば、母なる大地は浄化のプロセスを停止するだろう。と、ホピの予言には、そう語られている。

 メンタルでは、福岡校と名古屋校の修了式が終わりました。
 多くのメンバーが、虹の戦士として羽ばたいて行きました。

 その修了者から、ステキな修了レポート<アイ・メッセージ>を、ご紹介します。

 サヤカ へ

 あなたが亡くなってから、もう8年の月日が流れようとしています。サヤカは、先生が初めて担任をした生徒でしたね。とっても明るくて活発で、誰よりも正義感の強い、あなたでした。

 クラスでドッジボールが一番強くて、サヤカの投げたボールは、男の子も受けることができなかったね。女の子だけどケンカも、誰よりも強かった。正義感の強かったあなたは、弱い者いじめを見つけると、相手が誰であろうと向かっていって、決して弱い者いじめは許しませんでしたね。そんなところが昔の先生に似ていて、先生は、あなたが可愛くてたまりませんでした。

 いつも、サヤカは、学校に来るなり「先生。あのね…」「先生、私ね…」「先生、聞いて!!」と、たくさん先生にお話しをしてくれました。先生は、あなたの話を聞くのが大好きでした。話をしている時の、サヤカのキラキラした目を見るのが大好きでした。

 3年たって、先生が、学校を変わらないといけなくなった時、あなたは「先生なんて大キライ!!」と、教室から飛び出していったね。急いで追いかけてつかまえると、目にいっぱいの涙をためて「どうして、先生は、学校を変わるの?どうしてずっとサヤカと一緒にいてくれないの?」と言って、ウワァーと泣いたんだ。先生は、そんなあなたの気持ちが痛いほど伝わってきて、ただただ「ごめんね」「ごめんね」と言って、抱きしめることしかできなかったよ。

 でも、あなたは、先生が学校を変わっても、先生をずっと頼りにしてくれた。お手紙もたくさんくれた。電話もくれたね。相変わらず元気いっぱいで、たくさんのおしゃべりしたね。

 一度、あなたは、お母さんとケンカをしたと言って、どこで住所を調べたのか、先生の家まで来てくれたことがあった。家に帰ると、家の前でサヤカが立っていて「先生のところしか行くところがなかったんだ」と言って、大泣きしたね。先生は、とっても、びっくりしたけど、あなたが来てくれたことが、嬉しくてたまらなかったよ。

 それから、サヤカが大人になり、大阪に働きに行くことを知った時、先生は、あなたが立派に成長してくれたんだと思い、すごく嬉しくてたまりませんでした。

 サヤカが大阪に行って2年した冬のある日。あなたはその当時、先生が働いていた学校に突然やってきたね。「先生のお誕生日のお祝いを一緒にやりたくて…」と言って、訪ねて来てくれたんだ。先生は、すごく嬉しかったよ。
 2人で喫茶店に行ったね。でも、先生は、そこで、あなたの手首にあるたくさんのリストカットの傷に気づいたんだ。「サヤカ!その傷はなに?」と言う先生の言葉に、あなたは、一度、袖で傷を隠したけれど、次の瞬間、思いきったように、その手首の傷を見せてくれたんだ。両手首に無数の傷。横に数10本。縦に数10本。そして丸く大きくえぐられた傷。先生は、何がなんだかわからず、ただ泣けてきて、たまらず「何をしているの!サヤカ!!」と怒鳴ったね。すると、あなたは、とっても悲しそうな顔をして「違うの。違うの、先生。もう大丈夫。大丈夫だから、先生に会いに来たんだよ」と言ったんだ。

 そして、あなたは、今までの出来事を話してくれた。働きに出た大阪で頑張っていたこと。しばらくして好きな人ができた事。一緒に暮らしはじめてから、すぐに赤ちゃんができたこと。でも、赤ちゃんができたことが、わかった時、彼はいなくなってしまったこと。悲しくて博多に戻って来たこと。まわりから反対されて、赤ちゃんを堕ろしてしまったこと。それから、赤ちゃんを堕ろした自分が許せず、リストカットを始めたこと。

 でも、そんな自分を守ってくれる人に出会ったこと。その人に守ってもらいたくて、夜中に呼び出した時に、その彼は、サヤカのところに来る途中で、ダンプにひかれて亡くなってしまったこと。そして、それから、今度はたくさんの薬を飲み始めたこと………そのことを、一気に話してくれたね。先生は、たまらなく悲しくて、また、たまらなく腹ただしくどうしようもなかった。

 どうして、サヤカが、こんな辛い目にあわないといけないのかが分からなくて。悔しいぐらい悲しくて、悔しいぐらい腹ただしくてたまらなかった。誰に、この悲しみをぶつけていいのか分からなかった。
そして、先生は、その悲しみと怒りと、悔しさを、あなたにぶつけたんだ。

 「サヤカ!あなたは、何をしているの?命は一つしかないんだよ。頑張らなきゃ。頑張って生きて行かなきゃダメじゃない!!」
 サヤカは「ビクっ」としたね。先生の言葉に何も言わなかったね。そして、あわてたように「大丈夫だよ。先生。もう大丈夫だ。わかっているよ。頑張るよ。頑張って生きていくよ!」と言ったんだ。

 本当のあなたの気持ちなど考えようともせず、本当は、あなたが、どうして、先生に会いに来たのか? など考えようともせず、先生は何度もあなたに「頑張って生きて行かないといけない!!」って言ったんだ。そして、あなたが「わかっているよ!」という言葉を言った時に「もう、これで大丈夫だ」と、思ってしまったんだ。

 でも、それから、2~3日して、先生のところに届いた便りは、あなたが亡くなったという知らせでした。

 あなたはネットカフェで、たくさんの薬を飲んで亡くなって行った。たった一人で亡くなって行った。あなたのことを、始めに見つけた人は、ネットカフェの店員さんで、あなたの事なんて全く知らない人でした。サヤカは、誰にも言わず、たった一人で亡くなっていきました。

 あなたの死が信じられず、あなたのお家に走って行った時に、あなたのお母さんが、先生の顔を見るなり、大きな声で怒鳴ったよ。
 「先生!!サヤカと何を話したのですか?」「先生!! サヤカに最後に何を言ったんですか?」「サヤカが、最後に会ったのは、先生だったんですよ!!」

 その言葉を聞いた時、先生は頭をハンマーで叩かれたような気持ちになったよ。あなたは、最後に、先生に会いに来てくれたんだ。そんな、あなたに、先生は、最後に、何と言っただろう。何と声をかけただろう…

――― 頑張りなさい! ―――
 確かにそう言った。

 そして…「頑張れ」「頑張れ」と、そう言った。

 あなたが、先生から聞きたかった言葉は、その言葉ではなかったんだよね。

 先生は、最後に、先生のところにやってきた、大切なあなたを助けてあげることができなかったんだ。
 先生は、それから、自分をたくさん責めました。出るはずのない、あなたの携帯に電話して「ごめんね。」「ごめんね…」と、謝ったり、ネットカフェにあなたを探しに行ったりもしました。あなたの家の周りのどこかに、隠れている気がして、「 サヤカー!!」って叫んで、探しまわったりしたよ。

 先生の心と体は、坂を転げ落ちるように、転がっていったんだ。あなたが亡くなったという事実を受けとめきれず、自分を責めて心の病気にもなっていきました。

 サヤカ。あれから、8年して、先生は、日本メンタルヘルス協会というところの、心理学を学ぶことになりました。自分の心を見つめ直したくて、学ぶことにしました。

 初めて、教科書を手にした時、そこには「PASSPORT」と、書かれていました。先生はなぜか、その時、とってもドキドキしました。この「PASSPORT」という本を開けば、新しい世界が、そこに待っているような気がしたからです。先生は、自分の心のことを学ぶ「PASSPORT」を手にした気分になりました。

 そして、毎時間、毎時間、たくさん学びました。学べば学ぶほど、サヤカ。あなたのことを思い出しました。今でも忘れない…前編の第3講座。「アイ・メッセージの授業」あの時、先生は先生が幼い頃に亡くなったお母さんへ アイ・メッセージを伝えたけど、本当に伝えたかった人は、サヤカ、あなたでした。でも、怖くて言えませんでした。また、あの時みたいに、心が閉ざしてしまうかもしれない。自分を責めて、また、心の病気になってしまうかもしれない。と思うと、怖くて言えませんでした。

 でも、衛藤先生のお話を聞いていて、自分のこの大きな一歩は、自分のためでもあり、あなたのためでもあると思いました。勇気を持って、自分の心を開示し、あなたへの想いを伝えようと思う。

 8年間、言えなかった想い。先生の心の中に、しまいこんでいた想い。気付かないふりをしていた想い。でも、大切な大切な想いを《アイ・メッセージ》で伝えます。


 《サヤカに送る、アイ・メッセージ》

 8年前のあの日、先生のところに来てくれてありがとう。先生に、たくさんのことを、お話してくれてありがとう。たくさん、たくさん辛いことがあったんだね。でもね、サヤカ。赤ちゃんを失ったことも、あなたのことを守ってくれた人を失ったことも、全て、あなたのせいじゃない。あなたの責任ではないんだよ。

 あなたは、きっと、先生に「大丈夫だよ。サヤカの責任じゃないんだよ!!」と、言ってもらいたかったんだよね。だれかに、全て、「あなたのせいじゃない!」って言ってもらいたかったんだよね。
でも、先生は、あなたのメッセージを受け取ることができなかった。

 ごめんね。サヤカ、本当にごめんなさい。先生は、あなたが、リストカットしたことが許せず、あなたを責めたね。あなたの本当の心を受けとめることができなくてごめんなさい。

 一番、あなたが苦しんでいたのに、あなたを責めてごめんなさい。
 頑張らなければいけないことなんて、わかっているのに、それでも「頑張れ!」と言ってごめんなさい。

 抱きしめてあげれなくてごめんね。

 リストカットしても大好きだよ。
 薬を飲んでも、大好きだよ。
 あなたが何をしても、先生は、あなたが大好きで、あなたが大切だ。

 だから、生きていて欲しかった。
 先生が一緒に乗り越えて行く方法を、見つけてあげたかった。
 あなたの笑顔を、もう一度見たい。
 あなたには、幸せになってもらいたかった。
 そのお手伝いが出来なくてごめんね。

 あの日、大好きなサヤカと最後だとわかっていたら、先生は、あなたに、たくさんのことを伝えたかったよ。

 先生の生徒でいてくれてありがとう。
 先生に何でも話してくれてありがとう。
 先生と出逢ってくれてありがとう。
 そして、最後に、先生のところに来てくれて、ありがとう。

 先生は、心理学を学んで「その人をまるごと受けとめる」ということを学びました。

 先生は、今、あなたをまるごと受けとめています。

 そして、サヤカのことで、ずっと許せなかった自分自身を許そうと思います。

 「自分自身を許せない人は、他人をも許せない」ことを、衛藤先生が教えてくれました。

 先生は、ずっと、自分自身を許せず、生きてきたように思えます。でも、サヤカ。先生は、やっと、自分を許せる時がやってきました。
喜んでね。サヤカ。そうだね。あなたは、きっとそのことを喜んでくれていることでしょう。

 そして、これからは、あなたが、先生に、命をかけて教えてくれたことを、たくさんの人達に伝えていきます。

 そうすることで、あなたの命が再び、生きかえっていくことを信じて。

 先生は、心理学を学んで、本当に良かったと、心から思っています。

 それは、どんな出来事にも、感謝できるようになったからです。
 どんなに苦しい辛い出来事にも、全てに意味がある事を学びました。

 そして、その出来事が、感情を決めることではない!ということも、ABC理論で学びました。出来事(A)の受けとめかた(Belief)が、感情(C)を決めるということです。そうであるなら、“ サヤカの死 ” を、悲しい出来事であったけど、学びに、変えていこうと、思えるようになりました。そして、そう思えた瞬間、あなたが、笑ってくれたように思えました。

 サヤカ。
 先生は「虹の戦士」になっていきます!!

 「虹の戦士」となり、サヤカと同じように、心苦しむ子どもたちを、笑顔にしていきたいと思っています。その子が、本当は、何を語っているのか、「心」を見ていける先生になっていきます。

 心理学を学んで、本当に良かったと心から思えています。サヤカ。これからの先生を見ていてくださいね。強く優しく生きていきます。

 「虹の戦士」となり、「虹の戦士」をたくさん育ていきます。

 サヤカ。ありがとう。先生と出逢ってくれてありがとう。先生は、決して、あなたの死を無駄にはしません。学びとして生かしていくからね。だから、安心してね。
そして、これからも、一緒に生きていこう!!

 大好きな サヤカ へ

                  香葉村 真由美

 この映像は僕の友人でもある、居酒屋てっぺんの大嶋啓介代表(たった15分の習慣で人生が変わる すごい朝礼/現代書林「元気が出る本」出版部刊)の朝礼に刺激されて香葉村先生が生徒と一緒に考えた、きらきら朝礼です。




 悲しみを悲しみで、心に沈めないで、悲しみの意味やメッセージを、誰かのパワーに変える。

 それが、生きている者の使命だと思っています。






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