災難に負けない心
2019/04/21
マスメディアでは南海、東海、東京直下型の震災は話題になってはいました。どれほどの人が僕の出身の九州地区に、こんなに大きな被害をもたらす地震を予想できたでしょうか?
福岡で起きた2005年の福岡県西方沖地震の時も、地震学者は驚きを隠しませんでした。
もちろん、マスメディアで話題になっていなかっただけで「潜在的なマントルの動きは活発だったのだ」とも、言われています。
江戸時代の良寛いわく、「どこにいても、どこに隠れても災難は、来る時には来る、来ない時には、ぜんぜん来ない。不幸なのは、災難に来る前から、災難に頭を支配されて『どこに行けば助かるか、どこに移動すれば地震に遭わないか』と、あれこれ悩み、日常の平和な時から心配して生きることが、災難な生き方だ!」と言っています。災難に遭う時には「来たか!」とシッカリと覚悟して出遭い。いつ死んでも「悔いはないです」と、思えるように「今、ここ」をしっかい味わって生きろと言っているのです。
だから、前回のブログに書いたように「今回は九州の人々が引き受けてくれたのですから、僕たち被災しなかった地域の人々は出来る援助はシッカリと考えてする」のは当然のことなのです。
メンタルの九州(福岡校)のデータベースには、熊本、大分の受講生は375名います。九州新幹線の再開に合わせ、日本メンタルヘルス協会では、熊本と大分の受講生には、年内いっぱいは無料でリピートできるよう、決定しています。
少しでも教室で、笑って、泣いて「講座中の楽しい時間だけでも」大変さを忘れ、心のデトックスをして、現実の生活の中でメンタルのメンバーらしく、カウンセラーとして、それぞれの地域で活動できるようにと願いを込めての決定です。
日本の心理学の世界では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を話題にしますが、世界の最新の心理学ではPTG(外傷後成長)が注目されています。その証拠に、阪神淡路大震災の時に子供だった、大学生にアンケートを取った結果、彼らが苦難と感じているどころか、逆に「いい経験になった」「震災が、いい思い出になっている」と答えた学生が多かったのです。
ストレスが、その後の成長でマイナスに働くと言われるケースが多いのですが、実際には、震災があったから「生きることを考えるようになった」と多くの神戸の学生が応えたのです。僕は、この意見に強く強く共感をしました。
僕自身も両親の離婚、まま母の自殺の第一発見者になり、多くの人から「大変な幼少期ですね」と言われますが、子ども時代は楽しいことも多々ありました。悲しみだけで色塗られているわけではないのです。これこそゲシュタルト心理です。問題は、どこにフォーカス(焦点)を当てるかは自分次第なのです。この幼少期の体験が、カウンセラーとしての「今の」僕の原動力になっています。
大先輩たちにお話を伺っていても「『戦争は絶対に起こしてはいけない』と強く思う。ただね、幼少期は貧しく、お腹を空かしていたけれど、楽しい思い出もいっぱいある」と語る人も多いのです。大陸からの引き上げ体験、大空襲、ヒロシマ、ナガサキの原爆、オキナワの戦闘も、苦難が日常で、たくさんの死が隣接していた時代に、幼少期を過ごした人々が、日本の高度経済成長の原動力になり、トラウマに押しつぶされることもなく、むしろそのトラウマをエネルギーにして、生きて来たのも事実です。
だから、メンタルはトラウマに負けない、強き心を作ることを理念に掲げているのです。
今は、大不況と未曾有の災難が、くり返し起こる時代です。でも、それに負けないポスト・トラウマティク・グロウス(PTG)の世代として、強く未来を突き進んで生きましょう!
不死鳥の如く!!