時代のスピードに飛ばされない生きかた…
2021/05/06
ジャニーズ事務所から近藤真彦が退所するというニュースが流れ、SMAPの脱退からジャニー喜多川さんの死去と、大手事務所の崩壊の流れが止まりません。これは芸能界にはじまったことだけではなく、企業の寿命も50年、30年、20年と年々短くなっています。
流行りの服や歌の廃れも早くなり、なじみのお店も余儀なく閉店し、見慣れた街の景色もどんどん変わってしまう現代。変わらない景色が人の心に与える安心感は計り知れません。
260年続いた江戸時代は、町の景色は変わらなかっただろうし、生活もゆっくり流れていたことでしょう。人の営みや幼い頃の景色が、それほどには変わらない安心できた社会だっただろうと想像ができます。その時代は、誰もが時間の流れが均一で、老人も若者も同じ速度で、ゆるやかに変化する時代。時間の変化スピードがリアルに感じにくい時代だったのだろうと思います。
今はネットから望んでもいないのに何でも飛び出てくる時代です。「有名芸能人の劣化」という見出しで「過去に写真」と「現代の写真」が、すぐに見比べられてしまう。ある年配の男優が言っていました。「長年、芸能界で生きていると若い女優を見ても、将来の女優さんの中年期の姿が見えてしまう。だから、美しい女優ほど可哀想だと思うんだ」と… 男性でも女性でも、やがてくる未来の予測が可視化されやすい時代が現代です。有名人の離婚には、入籍時の仲睦まじく微笑む二人の映像は付帯されます。多くの人々の心に「愛は冷めていく」のだと無意識に刻みつけてしまう社会です。
あふれるメディアの情報を倍速で見る傾向が若者から中高年に広がっています。ただスピードが速い時代にあっても脳の情報処理速度は、今も昔も変わっていません。それが悪いというのではなく、多くの人がスピードアップのストレスにアクセルを踏み続けています。「スピード化ストレス」時代だと僕は思っています。
今や不眠や、説明ができない不安、突然の衝動や怒りを訴える人が増えています。これは時代の「スピード化ストレス」時代に多くの人々の心は疲れきってしまっています。
このスピードアップに加担したITの成功者のステーブン・ジョブズも、自分の子どもたちにはiPadもiPhoneを持つことを嫌った話は、あまりにも有名です。
情報を「奪われる時間」と「自分と向き合う時間」このバランスが大切なのです。「自分と向き合う時間を大切に!」と僕は受講生にも薦めています。それが心身の不調をとり戻す方法だからです。
時には倍速にできない自然の雲の流れや、風のそよぎに吹かれませんか。ゆっくり目で字を追う読書もよいでしょう。僕などは、速読なんて好きではなくて、同じ行間を行ったり来たりすることに幸せを感じる読書タイプです。月に何冊読むかを誇るよりも、ゆっくりと味わいつくすことを大切にしたいと思って読書をしています。
もちろん、人間関係も同じで…
スピード化ストレスの治療にはネット遮断する時間が治療薬です。でもこれは簡単ではありません。これは覚醒剤と同じネット中毒ですから、同様に禁断症状と不安が襲ってきます。だから、リアルなゆったりとした会話が何よりも治療薬なのです。
だから、会話が中心のカウンセリングを僕は大切にしています。これも治療薬になります。
あなたは、そんなに早く未来が知りたいですか?これからの情報を追いかけ、消化不良を起こす食べ方をしないようにお願いしますね。
僕ですか? 未来なんか見えないほうが、ずーっと、ずーっと面白くて好きです。