時の神さま。
2019/04/21
クロノスとは、時計と同じように進み流れる時間です。
カイロスとは感動的で、時間が止まったような、心が関与するような時間をさします。
ただ流れる時間のクロノスの中にも、カイロスのように何年経っても思い出す時間が存在します。
なんとなく流れてゆくクロノスの時間の中に、カイロス的な、この一瞬を永遠に忘れないだろうと思えるような感動的な時間が隠れています。
そう、このために今まで生きてきたんだと、思える瞬間…
仲たがいした誰かと、何年かぶりに誤解が解けた瞬間。
何かのセミナーで「そうだったのか!」と解決策をもらった瞬間。
愛する人と心が通いあえた瞬間。
自分のこれから生きる道が明確になった瞬間…
でも、これらは瞬間だけではなく、「幸せだなぁ~」と思える日々もそうなのです。
ただ、このカイロスの時間は、お金持ちになって、成功した日々ではないようです。
ホイットニー・ヒューストンやマイケル・ジャクソンも、とてもセレブでした。
でも、彼らは夜に薬がなければ最後は眠れなくなっていました。
そういうセレブの立場になれば、幸せの時間にズーッと、ひたって居られるのかと言えば、そうではないのです。
なぜなら、人は幸せな時間にもマンネリ化が始まるからです。
だから、時間にはある区切りがあります。人生にも死という区切りがあります。
それがあればこそ、クロノスからカイロスが生まれるのです。
ホスピスのお医者さんが話してくれました。
ある奥様が末期のガンで余命三ヶ月と告知され、治療法がないのなら病院ではなく、自宅で過ごしたいと在宅医療が始まりました。
在宅で療養する短い時間がキラキラ輝き出したのです今までは何気なく聴いていた鳥の声も、公園から聞こえる子供達の声も、とても感動して聞こえてきたそうです。
そして、今までは子供達にも一生懸命に作っていた豪華なお弁当も、病気のために奥さんは今まで通りには作れなくなっていました。今は子供にオニギリを握って持たせるだけで精一杯なのだと、でも、子供達はそれを宝物のように学校に持って行くのだと…子供たちも、コメ粒一つ一つに、母の愛情を噛みしめているのです。そして、お母さんも子供たちに、今日で最後かもしれないと思い愛情をオニギリに込めているのかもしれません。
そのオニギリの中にもカイロス時間が存在するのです。
脳腫瘍の宣告を受けた人が、最初は神仏を呪った日々だったと…でも、会社のはからいで、きびしい営業から内勤に移動して、規則正しく帰り、休日は休む日々の中で、
子供と散歩するようになったのだそうです。
昔は口を開けば「勉強はしているのか?成績はどうなんだ?進路は考えているのか?」だったのが、今は今を楽しんで散歩をしている。
そして、「お母さんを大切にな。人生は一度だから充実して生きなさい…」と語るのだそうです。そして、寄り道が贅沢だと思ったそうです。
その患者さんはこうも言った「人はいつかは死ぬのです。交通事故もある、災害もある。でも、このガンには時間がある。もし、突然に亡くなったら、こんな散歩の時間や子供達との会話もなかったのですね…だから、今は私は脳腫瘍に感謝しているのだ」と…
ただ時計が、時を刻むような流れるクロノス時間の中で、心を目覚めさせて生きる、カイロス時間を大切に思えるのは、人には終わりがあるからです…
今日、街を歩いていてビラを配っている少女が、誰にも受け取ってもらえなくて、途方に暮れている姿が目に止まりました。
僕はそんな時は、自分から前に出て「新しく開店したお店なの? じゃ時間見つけて行ってみるかな ! 」と声をかける。「はい!」と、笑顔がもどり元気エネルギーが回復しました。
不安顔から笑顔にチェンジさせる魔法…
通りすがるのも一瞬(クロノス)、声をかけるのも一瞬(カイロス)。
ならば、ただ流れるクロノス時間からカイロスに移行させる。
流れる景色の中で、手を差し出し止まる……カイロス男、カウンセラーEtoh.の魔法
もちろん、時間がない時や、手なれたビラ配りには、わざわざ寄ってまでは魔法をかけない、いや、かけれない
《 おまけ》
カイロスの神様は、前髪がすごく長い美形の神様です。どうもこの、カイロス神から「チャンスの神様は前髪しかない伝説」が生まれたのでしょう。
だから、チャンスのタイミングは、あまり考えすぎないで、スグにチャンスの前髪をつかめ!と…タイミングを考え過ぎて、前髪をつかむチャンスを逃し、後から「あれはチャンスだったのかも」と思い直して、チャンスをつかもうとしても、もう、チャンスをつかめない後ろ髪になっているそうです。
後の祭りではなく、後のハゲ頭なのです。
お後がよろしいようで…