手放すことの美しさ

      2023/05/04

 僕の地域では、多くの桜が散っています。

 潔いですね…桜の木はすでに未来の準備を始めています。来年のために散った花を忘れ、未来の花の準備をしているのです。

 悩んでいる人は逆に散った花に意識が向いています。
 失ったことを時間をかけて悩む人がいます。もちろん誰もが失いたくはないし、誰もが過去を後悔する。ただ、後悔に費やす時間の長さがポイントです。

 完璧主義者は、自分には失敗は許されないと感じてしまっている人です。凡人中の凡人の自分では許せないのです。だから失ったものに苦しむのです。

 一度の失恋で、異性とのつきあいを「絶対に上手くいかない」と恋愛に臆病になる人がいる一方で、新しい恋をふたたび目指す人もいます。失敗をエネルギーにして、前に進めばよいのに、失敗にこだわるから、こだわればこだわるほど不安になってくる。

 悩んでいる人で「あの出来事が私を傷つけた」と訴える人がいます。でも、その過去の傷を、自分にとって大きな傷に変えたのは、何を隠そう本人でしかないのです。

 バッターボックスで空振りした時に「やっぱり失敗したか」と叫ぶ人は、過去の失敗体験に囚われています。

 また失敗するかもしれないという不安感が「ほら失敗した」という言動になり、とっさに出るのです。バッターボックスに立っと、完全なる自己像を求め過ぎて、逆に不安になってしまいます。不眠の人も「やっぱり眠れなかった」と訴えます。それも、眠ることにこだわり過ぎて、眠れない事実に意識が向くから「やっぱり眠れなかった」となる。

 これも完璧主義性格の特徴です。自ら作り上げた完璧なシナリオにこだわり、最後には自分自身の不完全さを敵に回して、やがて自分で自分を嫌いになります。

 成功者の条件として”Can you failsuccessfully?”(あなたは上手に失敗できますか?)と問いかけがあります。人間は挫折した時に真価が問われるのです。

 あるテニスプレイヤーが自分は強力なサーブが打てないことに悩んだとします。すると完璧主義にこだわるプレイヤーは、自分の得意なボレーの才能を生かそうとはしません。

 すべての世界ランクのテニスプレイヤーたちが強力なサーブが打てるわけではないという事実を認めれられない。

 完璧主義の人は、自分に適したこと、自分にふさわしいことをやろうとしないで、他人を基準にしてものごとを考えてしまう。完璧な睡眠、完璧なスイング、完璧なサーブに囚われてします。確固とした自分軸がないから、自分らしい行動がとれない。だから、上手に失敗ができないのです。

 桜なのに一年中フルに咲こうとするようなものです。

自分軸は大切ですね❣️


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心理カウンセラー衛藤信之
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