情報のバランス感覚を養おう
2025/01/06
ある人が異動先の会社で、先輩たちから「知っておいたほうがいいよ」と上司の悪口を早々に聞かされたそうです。まるで誰かのメガネを強引に「これ装着してね」みたいに…。
たしかに、その上司に最初に頼まれた仕事は、上司の背広のボタン付けの依頼でした。
その瞬間に職場の雰囲気はドン引き。確かにある人にはパワハラに該当するのかもしれません。
けれど彼女はそれが決してイヤではなかった。裁縫にも自信があったし、何よりも必要とされたと感じて「さぁ頑張ろう!」と慣れない会社での初日の緊張が一気にとれたそうだ。
だから、その上司が会社を去る時には彼女は心から「ありがとうございました」と伝えられたそうです。
彼女は言います。
「誰かのメガネと、私のメガネは同じではない。誰かのメガネをかけて予習などしないで、最初から純粋に、その上司を白紙で見たかった」と…
交流分析という学派に、「ここだけの話ゲーム」という「歪んだ心理ゲーム」があります。「あの人いろいろあるらしいよ…」「私はいいのだけど知っておいたほうが良いと思って…」と誰かにネガティブな先入観を吹聴することで、自分と同じ思考を植えつけるマインドコントロールの手法です。
「人の為」と書いて「偽り」と読むのはとても深い意味が含まれています。
現代は、個人だけでなく大衆も「洗脳されやすい時代」です。SNSが、それを加速しています。
SNSのメリットの一つは、考えや価値観の近い人たちと簡単につながることができる機能です。ただ世界中とつながっているはずのSNSは、自分と同じ価値観を集める機能が、逆の問題も発生させます。
人は似たような価値観ばかりを見聞きすると世の中の人は、ほとんどが私と同じ意見を持っていると錯覚を起こしやすくなります。
このような錯覚を、閉じた小部屋の中で、声を出すと反響し、あらゆる方向から自分の声が聞こえてくる現象に似ていることから「反響室」という意味の言葉を使って「エコーチェンバー現象」と呼んでいます。
それが同じような情報だけに包まれていると、自分の価値観が絶対に正しいと自分を疑わなくなります。この違う価値観や情報にふれる時間がなくなる現象を「フィルターバブル」と呼びます。
現代は食べ物のトレンドから、政治的な信条までSNSの動向だけを頼りに生きるようになると、自分の意見がいともたやすく誰かに乗っ取られる危険性が高くなっていきます。
ですから、最初の女性の話にあったように、僕たちは誰かの偏ったメガネではなく、自分自身のしっかりとしたメガネをかける訓練が何よりも大切な時代だと感じています。
そのためにも多くの情報に触れるようにしてください。ネットだけに頼るだけではなく、本を読むことも大切な時代です。またネット全盛期前に書かれた古本や古典に親しむことも大切になると思っています。
僕もなるべく偏らないでいろんな角度から情報を発信したいと思っています。
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心理カウンセラー衛藤信之
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