幸せの居場所⁈

      2019/04/21

 カウンセリングをしていると「幸せになりたいです」と言われる。

 「どんな状態が幸せだと思えますか?」とたずねると…。

 「スゴく幸せな状態が続くこと…」「誰もがうらやむ様な幸せな生活」

 僕は、その望みを聞いていて、心の中で「それはないなぁ…」と思う。

 それは木に登って魚を捕えるような不可能な話だから。

 まさにミッション・インポッシブルな、自分に向けた指令です。

 なぜなら、幸せはずーっと続くことはないし、誰もがうらやむ様な幸せも、いつかは本人がマヒして、その幸せが普通の退屈な日常になるからです。

 ホイットニー・ヒューストンが、なぜあんなに成功を収めながらコカインやマリファナに溺れた生活をして、命を落としたのか。

 マイケル・ジャクソンが、なぜ不安で眠れなくなり、麻酔用の睡眠導入剤を服用したのか…

 大切なことは、

 幸せとは、幸せな生活や環境にあるのではなく、幸せを、どんな状態でも感じる能力が何より大切なのです。

 鍛えないといけないのは、日常にある幸せを発見できる心のトレーニングです。

 セレブな生活も、人から認められるような立場も、そんな状態になければ、幸せではないと思っている思い込みが、一番の不幸な原因なのです。それを「幸せの強迫観念」と僕は呼んでいます。

 なぜなら、その高い目標に到達できないというだけで、どれだけ多くの人が挫折し、ウツにおちいり、自殺したことか…そして、人生を悲観して、自暴自棄になり、犯罪に走ったか‼

 ある社長さんは、喫茶店に入ってお茶を飲む時にも、特別な待遇、特別な接待で迎えられないと、お茶一杯楽しめないのです⁈叫び

 こういうタイプの成功者は、僕は、おびえているのだと思っています。

 だからこそ、その特別な生活にしがみつき、権力の座から降りられない。結果、その座を誰かにゆずることができなくなる。

 アブラハム・マズローは、真の成功者とは、リッチな料理も楽しめるけれど、日常の家庭料理にも、同じように舌づつみをうてる。お金がある生活もそれなりに楽しめるが、無ければない生活もエンジョイできると語っている。

 そうなのです!ひらめき電球

 真の成功者とは、周囲の環境や立場に関わらず人生を楽しんでいる人をいうのです。

 そう有名にならなくても、大金持ちにならなくても、毎日リッチな料理を食べれなくとも、いつも、ご機嫌なのです。

 そんな人は、環境が変わることを恐れないのです。なぜなら、環境や立場が、その人を幸せにしているからではないのです。その人の内側に、幸せを持っているからです。音譜

 だから、成功のセミナーに参加して、金銭の成功、地位の成功を目指せば目指すほど、環境や地位のみが大切なのだと、強烈に自分に印象づけてしまうのです。

 それが「幸せの強迫観念」になる。

 それに、そのセミナーに多額なお金を払い、成功セミナーを開催するビジネスの人たちを儲けさせているのです。

 車に乗っていて、ある青年が言いました。
 「衛藤さん、成功のCDを聴きますか?」
 「あぁ、聴かせて」「成功とは、あなたが強く成功をイメージし…(ナレーション)」
 「なるほどね。いい事言うね」と僕。
 「20セットあるんですよ」と彼。
 「スゴイな、このCDの数⁈」

 「そうなんですよ。60万目もしたんですよ。でも、そのローンが苦しくてダウン

 僕は彼の真面目さを思い涙した…。

 そして、その真面目さゆえに、心の中で、彼にツッコんだ!

 「お前、カモられてるヤン!
すでに成功していないやないか!そう
成功しているのは、CD販売の人やん!」

 もう一度、僕は声高らかに言おう!

 成功は、あなたが今、生きている、そこにこそ、あるのだから。

 楽園は、行くところではなく、今ある幸せを深く味わうことだから…

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日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき









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