幸せになれないと悩む人に••••

      2019/04/21

 「幸せになれないのではないか」と不安な人がいます。

 こういう気持ちを持っている人は、世の中に確固とした永久不滅の幸せが存在すると信じています。

 「永遠の命」を求めて、部下を世界に派遣した哀れな皇帝と同じなのです。

 完全なる幸せなど、どこにもないのです。

 あるのは「今、ここ」にあるホッとした時間なのです。

 「今、ここ」の日常を味あわないで、どこにもない完璧な世界を求めるのが不幸せなのです。

 そもそも、この世界は不確実な世界なのです。恋人がいつまでも自分を愛してくれるという保証はないし、今もらえている給料がずっともらえるとも限りません。日本の国がずっと安定しているかどうかも確かではないし、自分自身が明日も生きている確証もないのが人生です。

 要するに、この世は混沌と不確実な世界なのです。僕たちはその中で生きていかなければならないわけです。

 人生とは、なんら確証のないところで、毎日、笑ったり泣いたりしながら生きているのです。

 「自分は幸せになれないのではないか」と思う人は、きっと心の中でこう思っているのでしょう。

 「自分以外の人は上手に幸せに生きているんだ。自分だけが不幸で、不安定でいるに違いない」と•••••

 そういう人がこの悩みからぬけ出す方法は簡単です。

 「なあんだ、みな同じような不安を抱えて生きているんだ。自分はその不安だけをクローズアップして虫メガネで眺めているんだ」と知ることです。

 それが一番の解決方法です。

 ウツの人は「こんなに悩んでいるのは自分だけだ」と訴えます。

 なにより、視野が狭いのです。

 誰かを失って苦しんでいる人は、この世界の中で、こんなに苦しい状況に置かれているのは自分だけと信じています。

 そんなことはありません。

 たくさんの苦しみを見てきた僕には、それがわかります。

 今の相談者の前にカウンセリング・ルームを訪れた相談者も同じように嗚咽をあげて相談に来ていましたから。

 だから、この悩みが解決するためには、たくさんの人と出会って、たくさんの書物を読んでみることです。

 似たような苦しみや、それ以上の心の痛みに出会うでしょう。

 人は人の間で癒されます。だから、人間なのです‼

 たくさんの人と知り合って、いろんな考え方にふれたり、意見を交換するのもいいでしょう。いつも、同じ人とつきあっていると、なかなか悩みの突破口が見つかりません。それは、視野が狭くなるからです。

 この世界に生きる人は、誰もが不安定で、不確実な世の中を、一生懸命に生きて、人生を楽しむ時には、楽しんで生きているんだ、と気づけば、自分も楽しく生きる方法を学べるようになるでしょう。そのほうが前向きだし、幸せになれる可能性がグッと上がります。

 それをしないで、いつまでも「不幸だ、不幸だわ」とつぶやいていると、友達も周りに寄ってこなくなるし、仕事のチャンスは減るでしょう。さらに、ステキな恋人と巡り会えないかもしれませんよ。

 だれでも、不幸そうな人と一緒には長時間いられないからです。

 つまりは、「不幸だ、不幸だ」とつぶやいていることが、自分が不幸になる可能性をドンドンと高めている、というわけなのです。

 ね、空見上げません?最近は夜空の月がキレイですよ。
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