君のストーリーは君だけの宝物

      2022/12/05

 心理学の体験講座で高校生が参加してくれました。

 「恋をしたいので恋愛テクニックを心理学で学べますか?」僕は素直な質問に心を打たれました。だから、甘酸っぱさを噛み締めて僕は本気で答えました。
 「相手の心を知りたい」とする心理学は、他人に居心地の良さを考える学問でもあるから、一生懸命に相手の心地よさ考えて、相手に与えたいと探求する人間がモテないはずはないと…

 でもね僕の本音はこうですと伝えました。

 君には、テクニックでない恋をいっぱいして欲しいとも思います。好きな人の心が分からない苦しさ、逢いたい思い、泣きたくなる夜…それはテクニックを越えて青春の思い出(財産)なるから。リスクとか、将来とか、世間体とかは、おじさん、おばさんの専売特許だから。いっぱい振り回されて、ドキドキして、自分でも、どうなったのかわからない日々が続いて「何をしたいの?」と自分を疑って、でも自分の恋心を信じて、自分に不信がってね。

 ほら、僕の言っていることも矛盾してるでしょ…(会場から笑い)だから、こんなに答えが分からないのが恋だと思う。

 その先は君が将来、僕に教えてくれませんか?君なりの答えを…

 それが君のストーリーだから…

 昔、経団連の会長であり、社長でありながら、バスに揺られ、電車でくる日も来る日も出社した、清貧の人と呼ばれた土光敏夫がいた。ある時に学生を前にして「経営とは何か?」と聞かれた土光会長は、経営とは「お客さまのために頭を使え、汗をかけ💦」これが私の経営哲学です。終わり!
 
 参加した学生の多くが、立て直し屋と言われた土光会長から経営哲学を学べると思ってガッカリした。その学生たちに一呼吸おいて、彼は続けた「いいかね。経営とは『しかじかこうだよ』のステキ話は、経営学を指導する君たちの教授から聞きたまえ。僕は汗のかかない経営なんてものは、僕が一番好かん「腐った経営哲学だ」君たち学生に伝えたいことは、ただ一つ「仲間と汗をかき、取引先に頭を下げて、注文をもらい、お客さまに納品して、喜びの言葉をいただいた時に得た経験だけが、すべて君たちの『生きた経営哲学』である。それが経営の美しさだ!」会場からは拍手が鳴り止まなかった。

 小手先だけで愛なんてドラマにならない。知識だけの心理学なんて面白くもない。

 君だけのストーリーをいつか見つけよう!


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心理カウンセラー衛藤信之
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