名誉ある撤退…
2019/04/21
二泊三日の予定のスケジュールで土曜日に、全エリアから定員200名の仲間が参加してくれました。 楽しみです。
一日目の夕食時に、大型台風の接近のため「今の状況では、帰る日は船が全便欠航する予定」と島を管理する村長に言われ、明日の昼までの台風の動きで最終結論がでるとのことでした。
それからは、楽しそうな仲間たちの歓声を聞きながら裏ではスタッフたちが天気図を見つめながらプログラムを削除したり前倒しにしてと大変でした。
「こんなに晴天なのに⁇」と首をかしげながら… その夜の島の上に広がる星空の美しかったこと…月がなかったので、星が胸を張ってさらに輝いていました。天の川銀河が見えました。
それぞれのロッジでの語らいは、笑いあり涙ありと…今までは知らない者どうしが、なんだか昔から知っていたように心ふれあう時…
二日目は、目隠しをしてパートナーを探すワーク。 僕らは言葉や視覚に頼ってコミュニケーションを取っています。 ふれあった手の感覚と記憶だけで200人の中から無言で一人のパートナーを探す。
相手を探し出して、お互いに無言で座る。パートナーが見つかり抱き合ったり、パートナーでない人に手を引っ張られて、確信もなく座ってしまい、パートナーとは違う人と座って落ち込む人
たかだか、ゲームなのに、人に引っ張られやすい性格があらわになったりする人。
自分たちはパートナーが見つかったからと、安心してお互いの成功談に夢中になっている人。
たくさんの仲間たちが、パートナーを一生懸命にいまだに探していることに無関心であったり。
「最初はゲームだから」と面倒になって、誰か他のパートナーを強引に引き込んであきらめて座ってしまう人。
その人も、やがて気づいていく。
自分のパートナーが、一生懸命に自分を探している姿を見て涙を流し始める。
「お願い!自分は、もうその輪の中にいないから、早く誰かを見つけて座って」
でも、その願いも、他の仲間が自分のパートナーを探すことへの妨害になる、自分勝手な考えになってしまうのです。
たしかに、パートナーが目隠しという孤独の中で、自分自身を輪の中で探し続ける姿は、他の人と座ってしまった人にとって、いたたまれなくなります。
そう、自分はもっと真剣にゲームに取り組めば良かったと…
正直、目隠しの中で、200人の中からパートナーを探すことは、孤独と淋しさとの戦いです。 まるで、人生のようです…
人は誰もがみな「夢」や「愛」。そして「大切な人」を人生の中に、手探りで探している。
もう、いないのかもしれない。もしかして運命の人は、誰かと、もうカップルになって、こっちらを見て笑っているかもしれない。
でも、あきらめて座ってしまったら、パートナーが、輪の中で孤独と戦いながら、自分自身をまだ探してくれているなら、相手は自分に永遠に出会えなくなってしまう。
静かな輪の中で、耳の近くで、パートナーと出会った仲間たちの感動して泣く声がする。
そんな感動の声を身近で聞きながら、自分のパートナーを探し続けるわけですから、時間経過と、ともに不安と孤独は深まる。
日常の人生みたいに…
その究極、不安のゲームの中でパートナーと出逢えたことの喜びは、ゲームに参加した人しか味わえない感動があります。
だから、パートナーと出会えなかった人は、これからの人生に、あきらめない、投げ出さないことを胸に誓うようになります。
また、パートナーを探している時にも気づきがあります。
パートナー以外の人の手をさわって「違う」と思うと、手を振りほどいて次に行こうとする人たち…
私たちは、人とのコミュニケーションの中でも、利益のないことには無関心であったり、身近な人ほど、話を真剣に聞いていない時があります。
でも、ゲームが中盤にさしかかると、同じ立場にある仲間の孤独に気づき、手を離す時に振り払わくなります。
一緒に探している仲間に「がんばろうね」と、ねぎらう気持ちをポンポンと合図にして、誰しもが手を離すようになるのです。 目隠ししている手ぬぐいは、涙でにじみ出す… そして、皆が何かに気づいてゆく…優しさが200人のメンバーの中にわき起こってくる。
そして、午後に島の村長からは、最終結論は「明日は船が動くか、動かないかわからない」
僕は、二泊三日を断念して、一泊二日に切り替える結論を出しました。
もちろん、明後日には船は動くことはわかっているので「三泊四日に切り替えてほしい」という要望もあり「明日、船が動くことを信じて続けましょう」と言う声も…
なによりも、出逢った素敵なメンバーと、もう一日だけ一緒に過ごしたいが一番多かった。
でも、大切な仕事に影響が出る人がいたり、誰かとの約束をはたせ無い人がいるのだけは避けたかった。 で、名誉ある撤退になりました。
でも、Facebook(僕はやっていませんが)とうで、20年近くアイランドツアーをやっていて、初めての名誉ある短縮の年に、アイランド参加できたなんて記念に残るし、最高じゃないですかと多くの受講生が言ってくれたそうです。
やっぱりステキな仲間です。
ハプンニグも「あなたとなら楽しい」なんて最高の言葉ですよね
夜のインディアン大地と空のワークや星空へのトリップ・ワークはできなかったけど、未完成は次につながるから来年が楽しみです。
来年のことを言うと、鬼が笑うと言うけれど、大笑いさせておきましょう。
ちなみに、やはり当初帰るはずの予定の日は、船は終日欠航になりました。
決断は、正解でした!