合掌の心…

   

 

 世界的にヒットしているアニメなどの影響もあり、外国の人たちも忍者は大好きです。

 

 

 海外では印を結ぶのが子どもたちの中で流行っています。1番わかりやすいのが忍者がドロンと消える時に手の指で「印を結ぶ」ものです。

 

 印の結び方は沢山あります。でも、一番に有名なのが「合掌印」です。

 

 

 ご仏壇に向かって手を合わせて拝む時にも、ご飯をいただく時にも「いただきます」と胸の前で合掌印を、日本人は自然に印を結んでいます。

 

 いつも合掌することで、すぐに自分の中にある仏の精神(仏)に近づくことができるのです。つまり「即身成仏」です。これは仏壇や食事の時だけの作法ではありません。

 

 成人式で「青空だ」と思えば空に向かって合掌し、雨が降れば作物の恵みを思って、やはり空に合掌すれば良いのです。

 いいタイミングで地下鉄が来たら地下鉄に向かって合掌する。

 

  大好きな人から電話がかかって来たらスマホに合掌し、電車の中で高齢者に席をゆずった若者を見たら、その若者に向かって心から合掌もしましょう。もし両手が荷物でふさがっていたり、人前で合掌するのが恥ずかしいなら、心の中で合掌すれば良いのです。僕もそうしています。

 

 会社の上司に叱られた時も、夫に罵倒された時も、その相手に心の中で合掌すればよいのです。

 怒っている相手は、荒れた世界(修羅の世界)に生きています。こちらは合掌印を組むことで、怒りに引きずられずに仏のレベルまで心を平静に保てます。

 

 

 「そんなの叱られ損だ!」と思って腹が立つ人もいるのでしょう。でも、その時には、あなたが、怒っている人の術中にハマってしまったのです。

 

 そう「怒り飛び火の術」です。

 だから、その怒りの火の粉を自分の心で払いのけるためにも合掌印を組むことです。僕は若い時に、お世話になった寺のご住職さんにそう教わりました。

 

 怒りは動物の本能で生まれます。それを「煩悩」と仏教は呼びます。その怒りの気持ちを「合掌印」で、仏のレベルまでに昇華するのが「悟り」の境地です。

 

 2025年もスタートしました。電車内で誰かが捨てたゴミを、見知らぬ人がゴミを持って下車した時に、もし日本人の誰もが合掌した姿を見たら、日本人の心の美しさに世界は感動することでしょう。

 そんな美しい人たちの住む世界が涅槃(天国)なのかもしれません。

 キリスト教でも、イエスは「天国は『ここにある』『あそこにある』と言ったものではなく、人と人の『間』に天国は存在する」と答えています。

 

 2025年は、ステキな時代が、僕たちの間に生まれますように…

 

 

 

 

  

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心理カウンセラー衛藤信之
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