今そこにある危機!
2019/04/21
たくさんの人命が失われました。 その時に多くの諸外国からたくさんの応援をいただいた日本。
その日本が、今や近隣諸国と、今までは日本国民があまり知りもしなかった島で睨み合っています。
日本は中国と1972年の9月29日に日中国交正常化を結びました。
その時の中国の周恩来首相は、パンダを日本に贈りました。
記者会見の席で日本の記者に囲まれて、尖閣諸島の問題をたずねられた時に、周恩来首相は「今の私たちでは争ってばかりで、解決を見出せない、だから、未来の人々はきっと、頭が良くなって、素晴らしい解決策を見つけてくれるでしょう」と会場の緊張を和らげました。
それから、40年経って、僕らは解決策を見出せるほど、頭がよくなったと思えないような、意地の張り合いが続いています。
中国側は、海洋監視船二隻を尖閣諸島に向かわせ、そして、日本の海上保安庁は厳戒態勢に入ったようです。
まさに、一発触発の「今、そこにある危機」が平和な日常生活の裏で刻々と進んでいます。
お互いにケンカになりそうな時にインディアンは「相手の目になり、頭になって、世界を考えて見るものさ」と言いました。
中国の目になり、頭になって考えてみると、日清戦争のドサクサに紛れて、日本が領有権を奪ったと思っています。
そして、自分たちの祖父母を奴隷にし、戦争の指揮をとった軍人も祀られている靖国神社へ、国家の首相が参拝することは、戦争支配を謝罪する気など、日本人には皆無だと思っているようです。
中国外務省は「日本は侵略の歴史を直視しているのか、中国のようなアジアの国々の犠牲者の気持ちに日本の敬意は皆無だ」と批判をしています。
そこに、弱腰外交と言われ続けた日本政府が世論に煽られて、あわてて尖閣諸島を買う行動は、完全に日本国家が中国にケンカを売ったのだと、彼らは思っているようです。
ドイツの友達も、靖国神社への参拝はやっぱり問題だと、僕に言ってきました。
そのドイツ人の彼は「ガウク大統領やメルケル首相が戦死した兵士を祀っている教会とか、ハイドリヒやゲッベルス、その他の殺人者の墓を訪問したとしたら、ユダヤ人も、アメリカ社会も許さないだろうと…」
僕はドイツの友に「靖国」は墓でも、教会でもなく、日本人の心の集まるところで、人は死ぬと、良い人も、悪い人もなく、すべては、それぞれ方向は違っても、日本のために働いた人だからって考えがあって??日本人は死んだらすべては神さまになる??
それは日本の「許しの文化」で「終わったことは水に流そう」と…???
だから、終わったことを、いつまでも持ち出す韓国も、中国も、日本の心情からすると「いつまで同じことを言うのだ…」という気分になって…??…?
「だから、死生観と文化の違いで、だから、この問題は日本人にも難しく」と…彼も僕も混乱しながらのやり取りが続くことになる…f^_^;)
それほど、日本の「思い」を各国の世界の人びとに伝えるには、相当な根気と時間が必要なのです。
ましてや「戦争で支配された」と思っている人びとに、気持ちを伝えるには、相当な敬意と根気が必要なのは当然なのです。
自国の論理をシッカリと時間をかけずに説明なく通そうとすると、それは諸外国からは暴挙と見えるのです。
日本は、説明することに手を抜く傾向にあります。
パンダを日本に贈った40年前に、周恩来が来日した際に、
戦争についてどう思うか?
「戦争は国を動かしている政治の問題なのです…日本人民も中国人民も、ともに日本がやった軍国主義の被害者にすぎないのです」と答えた。
「国」と「人」とを分けた解釈です。
僕は、彼のような穏やかな答弁が好きだ…
いつも、相手の立場になって考えられる人でいたいです。
日本の終戦前夜、知覧飛行場から飛び立った軍人が、弟に書いた手紙があります。 「人それぞれに本分がある。
いたずらに軍人に憧れるのはよくない。軍人を使命とするのは、俺たち一部の者だけでよいのだ。俺たちは海へ出て戦うが、君は君の本分を良く見きわめて、しっかりと本分をつくしなさい。
そして、なにより正しく強く真実を失うことのない人間でありなさい。
偉い人間とは立身出世した人間ではないのだ。
自分の思ったこと、信じたことを正確に素直に、実行できる人間が本当に偉いのだよ。
周囲がどんなに虚偽であろうとも、決して心にないことをするものではない。
周囲に負ける男はみじめで卑怯な人間だよ…」
この手紙を残して帰らないからと、「自分のお弁当を食べて下さい」と笑って飛び立った特攻隊員も、死を前にして弟に、あの時に日本が間違った方向へ行く時に「間違っている」と言えたらと、手紙に残したかったのかもしれません。
今、日本は、どちらに操縦桿を向けるのか?
「あの時に!」にならないようにと祈ります。