人間至上主義って…
2024/04/02
今回の旅客機炎上でペットが亡くなったことが論議になっています。でも動物と人間の複雑な議論は今回だけに始まった問題ではありません。
『象のはなし』
象のいない上野動物園にタイ国から子どもの象がきた。
まだ、鼻もよく伸びていない可愛いいやつ。
インドから大きな象がきた。
小さな象はハナコさん。大きな象はインディラさんと名をつけて
朝早く子どもがわいわい押しかける。大人も毎日見物にくる。
総理大臣もやってきて 高価なバナナもたくさん食べさせた。
象たちはうまいうまいと ながい鼻の下にのみこんだ。
なぜ、象たちはこんなに歓迎されたか。
動物園に象がいなかったからだ。
動物園に象がいなかったのは
戦争で殺されたからだ。
戦争は檻の中のおとなしい象もころしてしまう。
目の優しいアジアの象よ。
象の好きな子どもたちよ。
それはそんなに古いはなしではない。
おとなしい象はどうして殺されたか。厚くてつよい象の皮は、鉄砲の玉もはじきかえす。注射の針もとおらない。
たべものに毒をまぜると感のいい鼻でかぎわけてしまう。
だから、水ものませずひぼしにされた。
もう三週間も、もっと象たちはなにも食べない。
はらぺこぺこで倒れてしまいそう。
子どもたちもだあれも来ない。
園丁のおじさん達はこっちを見ないふりしている。
あの親切なおじさんたちが。なぜだろう。
象の目から涙が流れた。
芋がほしい。芋がほしい。何かください。
三十日ちかくたって
生き残っているのは
やせてしわだらけのトンキーさん1匹。
ああ、遠くにおじさんが見える。逆立ちの芸当をして
もう一度ねだってみよう。やっとのおもいで後足を蹴あげたはずみに
前足からくたくたとくずれた。そのまま立ち上がれず
象は死んでいた。
人間の食料も不足のときに、象のたべものなどありはしない。
空襲で力のつよい象があばれだしたらどうするか。
こうして、戦争はむりやりに象をころした。
動物園の象の話だのに、
戦争のことなどをはなしてしまった。
そんなこと、象たちや子供はしらぬがいい。
大きな象がはらぺちゃんこにやせ
しわだらけになって死ぬようなことはもういやだ。
作 秋山清
これは反戦詩集に集録されているお話です。
昔、絵本で「かわいそうな ぞう」を読み、象が人間を信じるけなげさを知り、戦争とそれを引き起こす人間の身勝手(自分をふくめ)さにショックを感じたのを憶えています。必要な時には世界から集められ、必要でなくなったら戦時猛獣処分される動物たち…
世界では戦争の日々続いています。
人間の死者数はカウントされますが、動物の死はカウントされません。
何も言葉を語らぬ瞳に、僕たち人間はどう映っているのだろう。
動物は手荷物だそうだ…
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心理カウンセラー衛藤信之
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