遠くから情報を眺めよう…

      2022/04/07

 ロシアによるウクライナ侵攻が連日マスメディアに流されています。

 でも、僕は思っています。いつも不幸になるのは武器だけを送りつけられて、戦わざるを得なくなった国の市民たちだと…

 過去を振り返ると韓国と北朝鮮にしろ、もともとは朝鮮半島にアメリカと旧ソ連が、その後に中国が軍事介入したことで、一つの国だった朝鮮半島が北緯38度線で分断されました。朝鮮戦争では45万人の人々が殺されました。その中の2/3が一般市民だったと言われています。

 ベトナム戦争もそうです。アフガニスタン侵攻も、それぞれ大国の勢力拡大のために彼らの国が戦場になりました。そして国は荒れ果てます。

 2008年にアメリカの当時の大統領ジョージ・ブッシュが、ウクライナにNATO加盟をうながしました。フランスやドイツは欧州でのパワーバランスが損なわれロシアの緊張感を高めてしまうと反対したにもかかわらずです。

 ロシアからすると兄弟だと思っていたウクライナまでも、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)にのみ込まれてしまうと不安になったのです。「もう喉元まで敵に囲まれる💦」と脅威に感じるのも視点を引いてみると当然です。

 ロシアがソ連と呼ばれていた頃には、アメリカとソ連は世界の覇権を競っていました。やがて多くの国が旧ソ連から独立し、今のロシアになりました。
 世界の中では「過去の大国」と呼ばれるまでロシアは下降線をたどったのです。欧米や欧州の言われるまま、連邦であった国々を独立させ、ある時期まで、ゆずりに譲ったら「こんなに惨めなことになってしまった」という恨みがロシアの首脳陣の深層心理にはあるのです。

 ロシアはアメリカとの軍備拡大競争に敗れ、物価も高騰してパンを買うにもルーブル紙幣の山積みに持っていかなければ買えない時代もありました。

 旧ソ連邦からは多くの国が独立がありました。それは「NATO軍はロシア周辺の国々まで勢力を伸ばさない」とアメリカは口頭で約束していたからです。でもアメリカは手のひら返しで、ロシアとの約束を破り「ウクライナはNATO側に入ればいいじゃないか!」となると我が国は騙されたとなります。

 「もういやだ!何も信じない!いい人過ぎた!」さらに「大国に返り咲きたい」との昔の人々との思いが合致しての今なのです。だからプーチンの支持率は逆に上がっています。
 昔を知っている高齢者ほど、過去の強国ソ連に戻りたいとの思いが強いのです。それをプーチンは理解できています。彼は「もう黙っていない!やりますよ!」というパフォーマンスを演じながら大衆をコントロールしています。

 この連日に流れる悲惨な戦争のニュースを見ると、ロシアだけが憎悪の的になりますよね。でも、もともとアメリカが世界の覇者であり続けるためにダブルスタンダードで「過去」と「今」とでは、その度に言うことが違うのも事実です。

 そんなアメリカに追随するだけの日本。

 日本は戦争敗戦国として、被爆国として自分の立場で意見を言い、終始一貫、自分なりの戦争に対する発言権を持つ必要があったと思えるのです。ただアメリカの顔色ばかりを気にするがあまり、自国の意見を世界にアピールすることもしてきませんでした。またアメリカの核兵器に守られているので核兵器禁止条約にも参加していません。だから、世界から日本は不思議な国だと思われています。

 今回の非人道的な行為に永世中立国のスイスも、ロシアに対して非難をしました。でも、戦争の仲介者としての役割もスイスは示しています。それはバランスの取れた国、スイスらしい動きでもあります。

 日本はアメリカに頼り切っています。「アメリカに守ってもらわなきゃならないから…」との意見が一般論です。

 ただ今まで歴史を考えると、日本がアジアのどこかの国と戦争になったとしても、アメリカは助けにはきません。武器の提供をするだけで全面的に助けには来ません。戦っている国同士がズタボロになった頃に、正義の名の下に登場をするのがです。

 アメリカに外交を頼り過ぎないで、アジア諸国とのパイプを持たなければなりません。アジアの中では孤立している日本はいつか、あのウクライナのように武器だけ送りつけられて、アジアの中で代理戦争をさせられる可能性もあるのです。

 あの悲しいウクライナの瓦礫であふれた街並みのように、日本の街は破壊され、一瞬にして都市は瓦礫の荒野になる可能性があります。

 「戦争論」の中でロジェ・カイヨワは、「人は安心している平和の時に、もうすでに戦争への落とし穴が、そばに迫っていることに気づきません。やがて戦争の落とし穴へと世界は傾れ込んで行くのです」と語っています。またカイヨワは、戦争は「破壊」した後に建築などの「再生」で経済が潤う。それを良しとする経済至上主義の連中がいるのだと指摘しています。また日常に不満を感じている大衆は、世界のルールをゆがめ熱狂的な美酒に酔う…戦争には、そのような正義を越える深層心理があると指摘しています。クリミア併合8周年でロシアのスタジアムで祝うロシアの大衆の姿を見ていればわかります。

 心を扱う僕たちは、戦争とは何か? 
 流される心とは何か?
 戦うことの意味とは何か?
 自国の正義とは何か?

 それらを考えられる人は、国家や周囲の言葉に惑わされることなく、人の中に存在している。ナワバリのために戦う脳の興奮を抑えることができるかもしれません。

 中国の武漢で発生した「新型ウイルス」は2019年末の時点では、世界において遠い世界で起こっている対岸の火事でした。それが燃え盛る炎のように広がり「日本」や「世界」を呑み込んでしまいました。まさに風の時代の前段階でした。

 今回「ウクライナ」に起こっていることは遠い国に起こっていることではなく、日本も明日その火の粉が降り注ぐかもしれません。

 ウクライナから日本に避難してきた子どもにインタビューで聞きました。「どうして日本に来たの?」
 「戦争のない国に来たかった」と。

 僕は切に願います。
 日本が、そんな国で永遠にあり続けられますようにと...


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心理カウンセラー衛藤信之
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