グレーであり続ける勇気を…

オセロの世界では、黒と白、どちらかに裏返れば一気に風景が変わります。
そして私たちの社会も今、同じように「どちらの側につくか」を問われるようになっています。
あなたは味方か?敵か?
あの国は善か?悪か?
でも、そんな“白か黒か”だけで判断できるほど、世界は単純でしょうか?
実はこの「二元論」が、戦争の最も危険な火種になります。
トランプ派か?反トランプ派か?テレビは嘘ばかりの情報を流している。いや、SNSこそ情報の信頼性がない。
互いに二つの極端な思考がぶつかり合います。テレビで活躍していた人たちの不祥事が続くと…よりテレビの信頼度が揺らぎます。

ただ僕は「どちらかを信じる」という極端な発想が一番の危険性をはらんでいると思っています。
人類の歴史は、自分の属する集団を誇って、他を見下すことで安心する傾向にありました。それを社会アイデンティティ理論(H・タジフェル)と呼んでいます。
関税戦争などで経済的な不安が高まると「我われ vs 奴ら」の白黒思考の二元論が強くなります。さらにSNSやネットによって集団心理はさらに加速していきます。
第二次世界大戦前にアメリカは1930年に大恐慌対策として、900品目以上の輸入品に高関税をかけました(スムート・ホーリー関税法)。
これに対抗して、イギリス、カナダ、ドイツは報復関税をかけて対抗しました。これは現代のトランプ政権の関税戦争に酷似しています。

結果として世界は貿易が縮小して、世界中が「ブロック経済」に向かいました。国際的な協調(仲間意識)は崩れ去り、経済的な各国の孤立化と自国優先のナショナリズムが中心になって時代は進みました。
ヒトラーは、関税戦争の後に「ユダヤ人排斥」や「我々は被害者である。自分たちゲルマン民族は被害者である」とドイツ国民の不満をユダヤ人への敵意に結びつけました。
ヒトラーの当時の演説で「私たちは優生民族なのに被害者だ」と連呼しました。連呼される言葉は、時に「どんな攻撃をも正しい」という気分を高めることになります。
群集心理(ル・ボン)の興奮状態では「個人の冷静さは消え、誰かが作った物語に酔う」と警告しています。
ですから僕たちのように “心を扱う” 心理カウンセラーは、オセロのような思考にならずに、世界は、本当はグレーでできていて「それは違う!相手が間違っている」と情報を鵜呑みにせず、多視点的な思考を持ちたいと思っています。

どちらかの「正義だけ」にどっぷり加担した瞬間に、もう一方の人間性は見えなくなり、世界はオセロのような白か黒かのゲームに変わってしまいます。
皆さんは戦争の始まりは銃声や爆発音を思い浮かべるかもしれません。でも実は、戦争の火種は、静かに、そして誰にも気づかないところでスタートするのが歴史の事実です。
だからこそ心理カウンセラーの学びは、グレーであり続ける勇気を身につけるのです。
それが “本当の平和” を守るインディアンの “ 虹の戦士”の祈りなのですから…

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心理カウンセラー衛藤信之
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