カオス（混沌）と戦う方法
どうすれば貧乏から抜け出せますか？
どうすれば悩みが解決しますか？
どうすれば自分に合った仕事に出会えますか？
今は答えをすぐに求める時代です。
僕は、人生はカオス（混沌）だと思っています。若者が使う「カオス」という言葉は、頭が混乱した状態を指すようですが、それも意味としては間違いではないのです。だからこそ、多くの大人たちも、その混乱から抜け出したくて、最適解を求めるのです。
でも、僕はカウンセラーとして思っています。本当に強い人とは
「混沌に漂う能力」の持ち主だと。
ある女性の話をしましょう。
彼女には不倫相手がいます。相手は会社の先輩で、彼女が「この職場は自分に合わないのではないか」と落ち込んでいたとき、慰めてくれたことがきっかけで関係が始まりました。
でも、最初から好きだったわけではない。ただの馴れ合いのようなものです。その証拠に、奥さんに訴えられても戦うほど夢中でもない。でも、放っておかれると腹が立つ。
別れたいと思うけれど、仕事を変えるのも親が反対しそうで不安。そんなことを考えていると頭がいっぱいになり、彼女は「何も考えないように」といつも眠ってしまう。
そして言います。
「私はどうしたらいいのか、答えが欲しい」
これは彼女だけの話ではありません。僕に相談する多くが「答えが欲しい」と訴えます。
でも、申し訳ないけど、僕には答えを出せません。なぜなら、答えは「自分で探すしかない」からです。
カウンセリングで「何が大切ですか？」と問われることがありますが、その一つは「カオスに漂う能力」だと思います。相談者がどのような解決に向かうかは、僕にはわかりません。なぜなら、それはその人の人生であり、最適解は本人にしか出せないからです。
人生とは、そもそもカオスに漂う覚悟が必要なもの。僕が彼女に伝えたのは
「何もしないで現状維持を続けることが、さらにカオスを増やしていく」ということでした。人がカオスと戦う方法は、カオスに漂いながらも「アクションを起こすこと」。
完璧な答えなど、どこにもありません。
たとえば、君がステキな人と結婚しても、愛が続くかどうかはわからない。子どもができるかどうかも、子どもが健康で育つかどうかも、たとえ育っても非行に走るかどうかも誰にもわからない。君がよい会社に入っても、その会社が倒産するかもしれない…
人生はカオスの連続です。
彼女は最適解を求めようとするあまり、頭の中でカオスを広げ続けています。親が反対することも、不倫よりもいい相手と出会うことも、よい仕事に出会うことも、何も動かなければ状況は今のまま何も変わらず、カオスはさらに広がっていく。現実逃避のために眠っていても、新しいカオスが生まれ続けるだけです。
僕が相談を受ける人の多くは、最適解を求めすぎるあまり、かえってカオスを許容してしまっています。
「カオスと戦う唯一の武器はアクションです」
それこそが、カオスの真っただ中に飛び込む能力。不確実性と戦う力だと、僕は思っています。
その先にしか未来はないから…
そして、その答えの本当の意味は人生の終焉にわかるものだから…
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心理カウンセラー衛藤信之
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