インナーマリッジ!
2019/04/21
少し説明をすると、ユングは男女に関係なく、わたしたちには、男性原理(アニムス)と女性原理(アニマ)が共存していると言います。
男性原理は、理論的で、現実の社会での行動力です。
女性原理は、直感的で、新しいアイディアを生み出す無意識のチャンネルです。
僕たちは、何かのアイディアにひらめいて、そして、それを現実の世界で行動に起こして、何か新しいモノを生み出すのです。
その時には、自然や人々の心が連帯している集合無意識に、女性性がアクセスして、それを行動力である男性性が現実的に考え、形にして、作り出してゆくのです。
そして、新しいモノが生まれます。
この時に、インナーにある男女のタッグが、うまくいっているのです。
それを僕は理想的なインナーマリッジと読んでいます。
でも、思っても行動しなかったり、何かのアイディアがひらめいても、それを「誰でも考えていること…」と現実化していかないと、チャンスを失ってしまいます。
インナーの女性性を、インナーの男性性が、ひどく抑圧しているのです。
あの人に電話をして謝ったほうがいいかも(女性性)と感じても、現実に(男性性)が電話をかけて謝るという行動をしないと「思ってはいたけれど…」になります。
部下が失敗するかもしれないと(女性性)が感じて、それを事前に「あの書類は、次回の会議では大切だから、忘れないでね」と伝える(男性性)ことをしないと、のちに後悔することになりかねません。
家族の誰かが気になって(女性性)が電話をして、(男性性)が「あわてて帰ってこなくてイイからね」と伝えなかったタメに、家族が事故を起こしたら、一生後悔するかもしれません。
「思ったら吉日!」は、無意識の女性性を大切にね!ということなのかもしれませんね。
ところが、理屈ぽい人は、自分の中の女性性(感性)を日々、抑えてしまっているために、相手が自分の話題に退屈していることにまったく気づきません。
そして、自分の興味のあることだけをベラベラ、ダラダラと話します。
それは、女性性のチャンネルを無視して、男性性を使って「寒くない?」とか「もう、そろそろお店を出ようか。疲れると困るから…」と表現してみないと、相手から「もう帰りませんか」と切り出され、エスコートが上手くいかず「空気が読めない君」と周囲から呼ばれます。
だから、インナー女性性の言葉を聴き取る能力は、人間的な魅力につながります。
理想的な人間力とは、ユング風に言えば、インナー・マリッジが上手くいっていて、一人の人格の中で全体的に調和が取れている人のことを言うのです。
そのバランスがうまく取れていないと、現実の異性の中に、自分の欠けた部分を見いだして(投影)、相手に寄りかかりすぎて「重たい」と言われたり、裏切られたりするかもしれません。
僕がいつも講座で伝えているように、自分で、自分のサポーターにならなければね。
僕は講演会でも、自分を信じているからアガルことは、ほとんどありません。以前、自分に自信がなかった頃、自分の無意識にアクセスできなかった頃は、極度のアガリ症でした。
今は、自分の女性性を信じて、男性性が、それをサポートするだけで良いのです。
そして、理屈や理論で、何を話そうと思わないほうが、会場と一体になります。
その場の空気や雰囲気を大切にするのです。
その瞬間、その瞬間に、必要な言葉は
女性性が感じてくれると強く信じているからです…
昨日と今日の博多の講演会でも、それが起こりました。ありがとう、僕のインナー女性性!、そして、自分アクションの男性性!そう、君たちはベストパートナーだ!