どんな時代になっても…

      2019/04/21

 これからの日本経済は、僕の育った高度経済成長の右肩上がりの時代と違って、右肩下がりになる可能性が高くなっています。多くの経済学者の見解では、今以上にこれからの子どもたちの時代は、日本経済は落ち込む、厳しい時代へと突入すると言われています。

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 右肩上がりの時代は、もっと豊かに、もっと高い地位を目指す、それが多くの人たちの目標でした。
 「もっと高い学歴、もっといい家に住んで、もっと裕福な生活を目指す」それが、誰も疑わない夢でした。

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 でも、現代はどうかというと、会社の役職は満席、年功序列はくずれ、会社に頼っていれば将来は、安心だと思っていた時代と違い、リストラ、倒産と先の見えない時代です。

 今の世代よりも、子どもたちが経済的だけを取るなら、豊かになることは難しい時代に入って行くでしょう。 そのような時代に、右肩上がりの「もっと出世、もっと豊かに!」と子どもを追い詰めれば、そうなれない時代の子どもたちは、自分自身に落ち込み、自信を失い、うつ病やノイローゼに追いやられる人たちが現代よりも増えるでしょう。

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 本来の教育は、どんな状況でも、楽しみを探し出し、楽しめる人間を作るのが究極の教育です。お金があれば楽しめるけど、お金がなければ楽しめないのは、お金の奴隷です。

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 内側にパワーがある人間は、リッチなフランス料理も楽しめるけど、質素な家庭の料理にも同じくらいに感動できる。それが本当の成功(幸)者です。いつも、刺激のある人生でなくても、普通の日常にも感動できる人が、自己実現した人なのです。

 ですから、こんな仕事につきなさい、こんな地位になりなさい。こんな人と結婚しなさいと「そこにしか幸せがない!」と親の「枠」を教え込むことは、間違った幸せ教育になる危険性を秘めています。

 教え込まれた子どもは、人生のすべてを選り好みするようになります。

 僕は、いつも若者に語っています。

 有能な経営者は下足番しても「どうしたら、お客様が喜んでくれるか」を考えられる人だと。
 豊臣秀吉は、最高の信長の下足番でした。彼は冬の寒い日に、ふところで草履を温めていたのです。

 また、ダンボール箱いっぱいに入った玉ねぎを「皮を向け!」と先輩に言われ、心を込めて一生懸命に、玉ねぎの皮をむける人は、一流ホテルの総料理長にもなれます。

 それを「そんな低レベルの仕事はやりたくない」「このために一流大学を出たのではない」と言って、働けないニートの青年や、プライドだけを大学で身につけた新入社員が、会社に行けなくなるケースが多く見られます。これも親が「どんな仕事にも汗をかくことは価値がある」「お金を稼ぐというのは、誰かに喜んでもらうことだ」と教えなかったからです。

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 ですから、どんなことにも生きがいを見つけ、それを楽しめる人は、どんな時代になっても幸せになれる人です。景気が上でも、たとえ下に下降しても「人生を楽しめる人間」を育てることが、最高の教育なのです。

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 そう、雨にも負けず、風にも負けず、そんな人間を目指せです!

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