その無力感をどこに向かわせようか…
2024/04/02
早々の元旦に能登半島地震が起こり、翌日には羽田でJAL機と海上保安庁の輸送機が接触事故で炎上するシーンなど心が落ち着かない情報がテレビから流れてきます。
もちろん、プライベートで各々が映像を見る時代だからこそ、自分自身で情報をコントロールしている人も多いと思います。
LINEのダイレクトメッセージに相談がありました。
「看護師の職を辞めた私は、不幸なニュースを見るたびに自分自身は人を救う職業に就いていたのに、何もできないで平和で暮らしている自分にイライラしてしまいます。その結果、夫や子どもにも悪影響を与えているのに何故かモヤモヤが心から晴れないのです。どうしたのでしょう。心理を教えて下さい…」
今、自分が何もできないもどかしさを感じて自分を責めている人が多いのではないでしょうか?
これは心理的に「サバイバーズ・ギルト」と言われる心理です。
このサバイバーズ・ギルトとは、一般的には、事件や事故に巻き込まれた時に、自分だけが生き残ったことに対する申し訳なさ、自分だけ被害に遭わなかったことで抱える罪の意識のことを指す心理状態です。
戦後は自分だけ生き残ったことに罪の意識を感じた人が大勢いました。東北の震災による津波で家族を救えなかった人や、福知山線脱線事故でも多く見受けられたPTSD(心理的トラウマの後遺症)です。
まずは抑えておいてもらいたいことがあります。
一、被害に見舞われるのは無作為であって、生き残ったものには何も罪も落ち度がないということ。
二、自分が被害に遭わなかったことを誰も責めてはいないし、自分も責めてはならないということ。
三、ただ罪の意識を感じている人に、一、二、で僕が伝えた「あなたのせいではない」と安直にアドバイスしないで下さいね。ただ静かに自分を責めたくなる気持ちを語って吐き出させて下さい。聴く側がネガティブな相手に対して、くれぐれもアドバイスを始めないこと。
四、支援したい、誰かの役に立ちたいと思っている気持ちがあるのに被災地に行けない自分にイラついている人も多いので、誰か身近な人に親切にしたり助けることでサバイバーズ・ギルトは徐々に癒やされていきます。
例えば、自分の戦争体験を若い人に語るだけでもサバイバーズ・ギルトは癒やされると研究では分かっています。
だから被災者を助けに行けない自分を責めたくなった人は自分を責めてイライラしないでください。以前にこのLINEで僕が紹介した「恩送り」で、被災者でなくても、自分の周囲の人や家族に親切にすることを「恩送り効果」と呼びます。
例 : 亡くなった親に優しくできなかったので、年配者に優しくするなど。
だから、質問者のように、自分は人を救う仕事なのにと、自分だけ平和に暮らしていることに申し訳なさから、自分を責めたりイライラしていると、家族である夫や子どもに「恩送り」どころか逆に一番よくないです。
身近な人を守れないで他人を守ることはできないですね。
2024年も、誰かの元気の源になって下さい。本年もよろしくお願いします。僕も明日から楽しいお仕事です。気合いマックスです。
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心理カウンセラー衛藤信之
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