ああ、カン違い
2019/04/21
人間はいったん思い込んでしまうと「えっ?」というようなカン違いをしてしまいます。
いい夫婦の日(11月22日)は、連れ合いを亡くした妻の母を誘い一緒に食事をし、その次の日、妻と中島みゆきのコンサートに行きました。
チケット購入アプリから、僕が準備をしました。
中島みゆきの「歌縁」というタイトル。
会場でポスターを見て初めて、RESPECT LIVE⁇
出演者、満島ひかり、研ナオコ、大竹しのぶ、平原綾香、中島美嘉、華原朋美、クミコ、坂本冬美、中村 中、安藤裕子、矢野まき???
そう、そうなのです。中島みゆきさんに楽曲提供されている歌手や、役者たちが、自分たちが選曲した中島みゆきの曲を歌っていく、まさにリスペクトライブ ‼︎
だから、中島みゆきさんは最初から最後まで出ずじまい💦💦
「中島みゆきさんのコンサート」をワクワクしていた妻からは「いろんな歌手や役者さんをたくさん見られて良かったよ」と僕のカン違いへの慰めと、慈愛に満ちた発言をもらい…僕も好きな選曲の数々に、満足したコンサートではありました。
大いなるカン違いが続くほうが、結婚生活は長続きするという調査結果があります。
周囲から見たら「あの二人は馬が合わないだろう」と思っている周囲の評価と、「二人は馬が合う」と思っている当人たちの評価にひらきがあるほうが、結婚生活が持続するという研究論文があるのです。
僕の友人の中にも、不釣り合いな夫婦がいます。奥さんは陽気で楽天家。ご主人は、心は優しいのだが、心配性で無口な人。
奥さんが「今日は子ども達が休みだから美味しい物を食べよう!」と言うと、ご主人は、 昨日の残り物がまだあると言わんばかりに冷凍室から昨夜の残りの物を出してくる。
子どもたちが家で工作をしていると、奥さんは「創造的な遊びだわ!」と顔をほころばせ、ご主人は、リビングが散らかってしかたないという顔をする。
ご主人が自室で、趣味に没頭して家族に会話がなくても、奥さんは「あの人は趣味に没頭していると、子どものように瞳がキラキラしているのよ」と笑っている。
彼女は友人から「あんな偏屈で神経質な人とよくやっていけるわね」と言われると「あら、夫はあれで幸せなのよ、あんな風にしか、自分のことを表現できないだけなの」といつも笑っている。
周囲からの評価と、夫婦同士の共同幻想にギャップがあればあるほど、愛は持続すると論文は語っています。
周囲には「それカン違いだよ!」と苦笑されても、夫婦同士は、カン違いと思わないから、それぞれの夫婦の面白さがあり文化があります。
パートナーに、どこまでカン違いを膨らませ、欠点を長所に変えていけるか、これを「幸せのバイアス」と呼んでいます。
夫婦生活を長続きさせるポイントの一つは、先に紹介した夫婦のように、この共同幻想を膨らませることにコツがあるようです。
しかも、この共同幻想にはステキな副産物がついてきます。長い間一緒に暮らすうちにパートナーが、こちらの幻想どおりの人に変わることが多々起こりえるのです。
僕の妻は、その幻想を膨らませることのプロです。
先のコンサートの件でも「でも、その失敗したことを、ひっくり返して楽しくするから、いつも強運だなぁと感動するのよ」と目を細めて笑ってくれます。
こちらのおバカなカン違いに、妻がさらに夫を良いようにカン違いし、その相乗効果が気分を良くさせてくれる。これを世にいう「馬鹿(バカ)ップル」と言うのでしょう。でも、この共同幻想が夫婦の持続の本質だと論文は言うのです。
僕はせっせとカン違いをしながら、妻のカン違いの「ラッキーな結末」に、帳じりを合わせようと意識的にも、無意識的にも挑戦しようとする。
中島みゆきのいない「中島みゆきのコンサート」は結果として「今度こそ本物を観に行くぞ!」の次の目標に心が向きます。
二人の関係を育てるのは、周囲や外野の冷静なる意見を取り込んで、パートナーを冷めた目でイライラ💢しながら眺め、日々を過ごすことではありません。
良いところも悪いところも、お互いに共同幻想を作り出し、相手のマイナスに見える中にも、隠れた可能性を見つけ出す努力が必要かもしれません。そしていつの日か、ただの幻想だと思っていたことが、ある日、現実になって目の前に現れる。それこそが人生の幸せの番狂わせなのです。
この幸せのカン違いは、子育てにも、夫婦にも、部下指導にも、幸せへ向かう道しるべになるようですよ。
めでたし、めでたし!
しかしなぁ~、そんなに上手くいくのかなぁ…
いかんイカン、またもや「現実」と言う魔物に飲み込まれそうです。
幻滅(デスイリュージョン)を、「ホースの力」で、幻想(イリュージョン)へと導くのじゃ‼️