「ギブ アンド ギブ」の幸せ

      2023/08/21

 お中元の季節です。

 でも、時に何かを人にしてもらった時に、少しばかり重たい気持ちになることはありませんか? 

 それは「お返し」を考えるからです。

 これは日本だけではなく、未開な文明でも贈与の習慣はあるそうです。

 フランスの社会学者のマルセル・モースは「贈与論」でそう述べています。彼の考えはとてもユニークで、マオリ社会でも、贈り物に精霊「ハウ」が存在していて、特定の人や集団に留まりつづけることを、この「ハウ」は望まない。そのため、物を受け取ると、誰かに返さなければならない。これが社会性の起源である。「贈与の連鎖」を止めてしまうと精霊「ハウ」が大暴れして、不幸が舞い込むと述べています。誰かが経済を独占することで社会経済が停滞するというのです。

 少しスピリチュアルな話ですが、なんとなく贈り物をもらうと心が少し重くなるのは精霊のせいでしょうか。この精霊は、贈り物をした側も「与えたのだから一言あるだろう」と考えるし、一言もなければ「相手は非常識だ」という気持ちになる人もいます。また、贈り物をされた側も、どんな形でお返しをしようと考えてあれこれ考えて頭を痛めます。
 ギフト(Gift)の語源は「毒」が隠れています。毒はこのように、心を少し重くするのかもしれません。

 これは西洋の考えで「ギブ アンド テイク」の基本姿勢です。

 でも、それに打ち勝つ考えが日本の仏教にはあります。それは「喜捨(きしゃ)」の考えです。「喜んで捨てる」お布施の考えです。自分が捨てた物を相手が拾ったのだから、お礼を言われる筋合いはないのです。

 優しい言葉や愛の行為を、相手に向けて捨てたのだから未練はないはずです。
でも、この優しい言葉や愛情に、相手が「お返し(take)」をしてくれるはずと思えば心に「毒」が残ります。

 家族の誰かのために料理を作る。家族の幸せのために働く。それもこれも「喜捨」だと思って生きるとモヤモヤから離れます。「ギブ アンド ギブ」の幸せです。僕は提案します。「ギフト」ではなく「プレゼント」をしましょう。英語の「プレゼント」は今ここの「現代」を指します。明日は捨てるのです。与えて終る。それがプレゼントです。お布施に通じます。


 「あの人のために愛を捧げたのに、他の人に乗り換えたぁ〜許せない💢」  

 あなたは過去を喜んで捨てて「今ここ」に生きていますか?

 生きていない人がストーカーになるのです。人生に毒が回ったのです。あなたは、そうならないように…

 追伸 : お中元をいただいた方、本当にありがとうございます。お布施でありますように🙏(笑)
 愛をいっぱい恩送りしますからね💝


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心理カウンセラー衛藤信之
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