凡人が一番強い!

      2023/05/04

 出かけないといけない間際になって、やらなきゃいいのに、あれもこれもとやってしまって、うわ〜こんな時間に💦とぷちパニックになってしまう人がいます。そして大切な時間に遅れトータル人間関係の信用を失ってしまう。

 また何かを決めなきゃいけない時に(食べたいもの、着たいもの、行きたい場所など)必ずといって自分の思っていない事や、やりたい事、好きな場所とは違う反対のものを選んでしまう。そして後で、あっちが良かった、こうしたほうが良かったと自分を責めてしまう人がいます。悲しいことに、それを誰かに「実はあっちのほうが…」と後になってボヤいてしまうので、周囲から優柔不断な人、ウジウジしている人、挙げ句の果てに嘘つき呼ばわれされてしまう人がいます。

 このような人の深層心理は、人生の中で「最高の選択」があると信じています。言い換えるならば「超完全主義者」を目指しています。だから、少し何かが気になれば「それをしないではいられない人」です。だから、あと少しこれをしてから、これを観てからと、どうでもよい少しが諦められない。だから、本当の大切なもの「人との約束」「打ち合わせの集合時間」に遅れてしまう。

 また別の心理学では「自分はダメ人間」と自分で「自分の筋書き」を書くと、それにあった自分を演じてしまう。これも自分の筋書きを、しっかりと果たそうとするのも歪んだ完全主義者です。

 このような人は、完全な最高のものが世界に存在すると思うから、無意識で最高の選択を目指すあまり何も決められない。だから自分にとって最高の買い物、最高のスケジュール、最高の食事は何か?を悩んで時間だけが、やたら空転してしまいます。

 このような人に必要な考えはなんでしょう。それは「凡人中の凡人」として生きる覚悟です。今の時代は情報が飛び交っています。最高の食材、最高の環境、最高の人生を目指そうとします。

 でも、本当に心穏やかに生きたければ、自分の身の丈にあった人生を楽しむ事です。足らなさではなく足りている部分にフォーカスを当てることです。

 この世に「最高のうまい話」はない。僕は自分の教室で教えていることは「今日は私の最大値と思って生きる」ことです。「ああしておけば良かった」「こんな選択肢もあった」と思っても、それが浮かばなかったら自分を責めないで、あの時点では「あれが私の最大値」「あの時の最高の選択をした」と思って納得して生きることです。

 それが完全主義と後悔の多い心理状態から離れる秘策です。何よりも忘れてはいけないことは、人生とは振り返ってみれば、最悪な方向だったと思った出来事が「災い転じて福となす」ということのほうが多いです。失敗から学んだことが大いなる転機となって、それが人生の奥行きを広げることにつながります。

 すべての人生の浮き沈みを受け入れて、学んだことを栄養にした人たちのことを「成幸者」と呼びます。


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心理カウンセラー衛藤信之
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