地球のささやき…
「ガイア仮説」
地球は生きている。
恐ろしく冷たい宇宙の中で、凍ることもなく、太陽の恐ろしく高温の熱放射にさらされていながら、地球の川や海は沸とうして蒸発することもありません。それはなぜか?
僕たち人間の身体は体温を36度前後で維持しながら、身体のすべての細胞や有効微生物たちと共存して生きています。この地球も過酷な宇宙の環境の中で、常に安定した体温を維持し、僕たち生きとし生けるものを抱きしめながら巨大な生命として40億年も生きているのです。だから、地球は巨大な生命体だ!という仮説です。地球が多様な生命を生かしていられるのは、他の星のように鉱物や土のかたまりでは説明できません。
生命としてのバランス〈恒常性〉と解釈すると、すべての説明がつくと…NASAのジェームス・ラブロックが「ガイア仮説」を提唱しました。
地球の生命体としてのシステムは、アフリカの養分を含んだ細かな砂が風に乗り、アマゾンの熱帯雨林のジャングルに降りそそぎます。その養分で緑のジャングルは酸素を放出します。そして、そのアマゾンの木々が栄養のある水を作り、それが太陽と風の力をかりて空に昇り巨大な雲を作ります。その雲は世界の各地で栄養を含んだ雨を降らせ、海の中にある微生物が取り入れて、光合成をして膨大な酸素を作りだすのです。
それが地球の多くの生命を育くみます。
その酸素は地球の皮膚であるオゾン層の中を血液のように流れ生命が満ち満ちた青い地球と多くの生き物(ガイア=地母神)を存在させているのです。だから何をとっても奇跡の惑星です。
僕たち人間も、動物も植物も巨大な生命=地球の中で生きている細部の一部と言えることができるのです。多くの生き物は互いにバランスを取り合って生きています。
アリゾナやサウスダコタで出会ったインディアン達は、こう語りました。
「地球は母なる大地、空は父だ」と。
それなのに人間という生命は、緑の大地を削り、海を汚し、工場の出す煙で空の色を変えました。そして多くの動物や植物を絶滅危惧種に追いこみ実際にこれまで、たくさん滅ぼしてもきました。そして地球の中で主人であるかのように、いまだに地球のバランスを壊しつつあります。ガンは人体の情報を取り入れないで好き勝手に増殖しつづけます。人は地球の中で、まるで「ガン」のように好き勝手に振る舞い、地球内のバランスを崩しているのです。
インディアンの予言では、だから地球が怒り、巨大な台風、雷、各地で起こる竜巻、地震、火山の噴火が起き、身体が病巣を排除するために戦う免疫力のように、地球の人体は、一細胞である「人間たち」がバランスを崩していることへの警告を続けるのだと言うのです。
だから国と国が舌戦している場合ではなく、140億個の人の脳細胞の情報が行きかい連結し、人としての意識が生まれるように、やがて僕たちも進化した人類になり、人と人が結び合い、国と国で分けることを止め、人類が〈巨大な地球の〉脳になってバランスを取り、平和で精神性の高い人類に変わる必要があるのです。そのために僕たちは静かに自然の声に耳を傾け、多くの生き物との共生で結び合い、人と人と、国と国が連結し合って地球の声に耳を傾け、ガイア的なバランスの良い政治をしなければと僕は思っています。だから、隣人(仲間)を大切に敬わなければいけません。その隣人はお隣のお家ではありません。
その隣人は、動物や植物たち地球の声です。
覚醒が大切な時代なのです。
自然は抑えこめません。原子炉、ダム、海の防波堤、川底のセメント化が、さらに自然被害を大きくします。多くの人びとの命を危険にさらします。
被災された人の痛みと悲しみを、未来の子どもたちへの社会づくりに生かさないと、地球からの警告(災害)は意味を見失ってしまいます。
季節が急ぎ足で感じなくなると、人類への警鐘に感じてしまうのは僕だけでしょうか?
秋は静かに地球のささやきを聴く季節です。