ツバメを守る!

      2019/04/21

 僕が幼かった頃、野生の王国というドキュメント番組がありました。
 もともとは、アメリカの番組でNBC制作「Wild Kingdom」の日本語版だそうです。

 その番組は、弱肉強食などもテーマになっていたようです。

 草食動物のインパラやシマウマの家族の生活、その愛くるしさを映した後、レイヨウやライオンの肉食動物にその家族が襲われ、子どものインパラなどが、犠牲になるシーンを見るたびに「なんでテレビの人は、撮影をしていないで助けないの?」と僕は幼い胸を痛めていた。

 大人になると、自分の個人的な感傷で、自然の摂理をゆがめてはいけないことも学びました。そう、ヒョウやライオンの肉食動物にも生活があり、家族があるからです。

 実は、ここ数週間で、僕の家のガレージにツバメが帰って来ました。

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 5年前に初めて来た時は、巣を作るための泥をくわえて来るので、洗車したばかりの車が汚され「なんで?」って感じでした。

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 でも、カップルの二羽が連れ立って電線で楽しく歌っている姿を見ていると可愛くなり、

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 車にカバーをつけたりと自衛し、彼らの巣づくりを、いつしか容認していました。

 卵が産まれて、お母さんツバメが卵を温めている姿をみると、なんとも自然界の愛を感じて、僕の家族も癒されます。

 そして、ツバメのヒナが孵り、子ども達は親にエサをねだり、親はせっせと休む間もなくピストン飛行でエサを持ち帰ります。そして、成長した子どもたちは、飛ぶ練習を開始し、すべてが巣から巣立ち、空になった巣を見上げると、幸せを分けてもらえたような気持ちになります。

 その次の年にもツバメたちはカップルになって戻って来て、ガレージに巣を作りました。

 でも、その年は卵を産んで間もなく、カラスに奇襲され、卵がいくつか無惨にも巣の下に落ちていました。

 悲しいことに全滅です。ショックでした。

 次の年はツバメは来ませんでした。

 昨年にツバメはやって来ましたが、二羽で巣を作っている段階で、カラスに襲われたようで、巣の残骸だけが下に無残にも落ちていました。

 カラスは頭がよく、一度、味をしめたエサ場は1000箇所も記憶しているそうです。そして、ちょうどよいタイミングで、卵を産んだ頃を見計らって襲ってくるそうです。

 何という記憶力!

 僕は好きな食べ物屋さんを1000店も憶えていないのですから、食に対する貪欲さでは、僕はカラスに完敗です。

 そんなことが毎年続き、ツバメが巣を作ってもカラスに襲われると、やはり家族は悲しくなるので、僕たち家族は、ガレージのシャッターを必ず閉めるようになりました。

 なぜなら、我が家のガレージはカラスの記憶にはエサ場ですから。

 でも、今年は人がいても、少しガレージを開けていた間に、ツバメが勢いよく入っては、出てゆくのです。様子をうかがって見ていると巣をせっせと作り出しました。

 そうなるとガレージのシャッターは閉じれなくなります。それならば「今年は何とかヒナを孵してやりたいなぁ」と思っていたやさきに、今年もカラスの奇襲にあい、巣をカラスに落とされていました。

 ならば、それが自然の摂理だからと納得して、ガレージのシャッターを閉めていても、今年のツバメは、どうしても巣を、僕の自宅のガレージに作りたいらしく、再度、巣づくりを始めました。あきらめないのです!

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 「よっしゃァ、ならば君たちは、僕が守る!」と、ツバメ保護に立ちあがりました。

 たとえ、弱肉強食といえ、自然の摂理とはいえ、愛着のわいた君たちを見捨てるわけにはいかない! 車からボディガード改めボディバード(厳密にはバードガード)になると決心をしました。

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 遊びで飾っていたエアーガンを取り出して車の中からカラスを威嚇してやる!

 でも、これは以前に日本の子供たちの心を痛めさせた矢ガモ(矢が刺さったカモ)ではないか⁈

 たとえ、殺傷能力のないエアーガンだって、自分が守りたいツバメだからと、カラスを傷つけてはならないし、それに、カラスがいつ襲来するか分からないのに、車の中で昼夜監視することは出来ないと…f^_^;
浅知恵は却下です(笑)

 そこで、考えたのが先制攻撃などと危険な政治家と同じにようにならず「やっぱり防衛でしょう!」

 そうだ、予防の一オンスは、治療の一ポンドに勝るのです。「カラスからツバメを自衛しよう!」と思いたち、カラスの生態をネットで調べました。

 「カラスはホバーリングと呼ばれる、羽ばたきながら空中で停止するハチドリに代表されるような飛び方が出来ません。また体が重いため、つばめのように引っ掛かりの少ない壁面にとまる事も出来ません。
 そこでつばめの巣を襲うときは一旦巣の下の地面などに降りてから、羽ばたきながらジャンプし、クチバシで巣を壊し、ヒナやタマゴを地面に落としてこれを奪います。
 鳥は翼が傷つけられたり翼に異物が当たるのを嫌います。そこでカラスがつばめの巣に近寄れないようにするには、カラスの攻撃ルート上に、『つばめは通れるがカラスが羽ばたいて通れない間隔』で障害物を設置するのが有効です」(ツバメを守るブログより)

 なるほど…

 で、ホームセンターで必要な物を買い足し、障害物作りに励みました。

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 で、完成したのがこれです。

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 ただ、これを作っている時にも、僕の周りでツバメが心配そうに行ったり、来たりと、飛び交っていたし、このカバーネットに警戒してツバメが近づきません。

 「卵を産んでメスが座り始めてから設置するようにしましょう」とネットで書いていたので、基礎をそのままにして、ネットだけは垂らしました。まだ抱卵が始まらないときに設置して、ツバメが警戒して巣を放棄して逃げてしまっては、僕自身がツバメの天敵です。

 さらに、カラスが、もう一つ嫌がると、ブログで調べたモノを、たらしたままの防御ネットにかけました。

 黒いシャツをハンガーにかけて、アルミホイルを円形にくり抜いて、前と後ろに貼る。そして、シャツの下を輪ゴムでとめる。 すると、カラスは仲間が、殺されて吊るされていると思って近づかない????のだとか??

 そして、キラキラ光るものがカラスはイヤだと言うので、銀色の脚立を、立てたままで放置しました。

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 その状態で観察をしていると、ツバメは気にせず巣づくりを再開したので、これで一安心です。

 あとは、この吊るした黒シャツのエセ烏と銀色のキラキラの脚立で、メスが卵を温め始めて巣に座るまで、敏感で臆病なカラスが警戒して近づかないことを、ただただ祈るだけです。

日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき

 できれば、カラスさん、君も家族を守るために大変でしょうが、情が移った、僕のツバメだけは見逃してくれ~っ!






日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき


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