サイレント・マジョリティ

      2019/04/21

 前回のブログは反響がありました。それだけ、そういう人が多いのでしょうね。私の周囲にも、得意先にも「そういう人がいますよ」と声をかけていただきました。

 
 なぜ、そのような人は何かに文句を言いながら執着をするのでしょう。
 
 なぜ、文句を言いながらも関わり続け、そこから静かに離れていけないのでしょうか?
 
 それは、世界が狭いからです。どんどん新しい出会いがある人は、つねに執着することはありません。イヤならサラッと離れていきます。
 「君子の交わり淡きこと水の如し」と言いますが、心が健康な人は、水のように人間関係がサラッとしています。執着してまで攻撃性や憎しみの関わりに時間を割くことはしません。
 
 前回のブログの病院の院長の頭を抱えさせた人も、やはりその集団や世界でしか相手にされないから執着するのです。その集団が気になって仕方がないのです。
 
 そして、その周囲の人に、深刻そうな顔で「私、間違っていますか?」と問う。
 優しい人々は、応答に困って「そうね...」「気持ちはわかるが...」と肯定とも否定とも取れない反応になる。すると「賛成してくれている❗」とさらに「間違った自己肯定感」を持ってしまうのです。
 
 よく「自己肯定感を持て」と言いますが、この種の自己肯定感は危険です。なぜなら、ストーカーも、犯罪集団も間違った自己肯定感を持っています。
 
 そして、一部の人の意見を「皆がそう思っている」と、さらに心理的バイアス(間違った解釈)を持つのです。
 
 カウンセリングをしていると、あまり人間関係が上手くなさそうな人が、自分は「人気者だ」と言う。でも、それが職場で分かってくれないと...
 その彼の人気者の理由は、23年前の子ども時代の教室で「自分の言った一言に、教室が大笑いした!」からだと語った。
 
 このように自分に自信のない人は、誰の記憶にも残らない「一瞬の出来事」だけで、夜空にさん然と輝くスターになってしまう。
 
 
 それが、彼が人気者である理由なのです。本当に魅力のある人は、自分は人気者だとは言わないはずです。
 
 心が明るく健康な人は、つねに新しいワクワクする事に向かっているし、出会いも広がりがあるので、同窓会で「お前は、あの時スゴいホームランを打ったなぁ」と言われても「そんな事もあったなぁ」で、懐かしい話で終わってしまいます。
 
 ある人から見ると、星に輝く宝物でも、本当の人気者は、それをカバンのすみに無造作にほうりこんで、未来や今日の出会いに向かうからです...
 
 幼児性パーソナリティの怒りに支配されている人は、その集団に文句を言いながらもしがみつくしか世界がないのです。もともと、狭い人間関係で生きているからです。
 
 ネットで、ネガティブな意見で「みんなが言っている」とつながる人々も同じ心理ではないでしょうか?
 

  自分で自分の望む情報を一生懸命に検索しているうちに「一部」の意見を「すべて」の意見へと変換してしまいます。心理学では、これを「過度の一般化」と呼びます。
 
 ネット時代には、そのようなマイナスな、フォーカシング(焦点付け)は、さらに加速するようです。
 
 ここで大切なのは「サイレントマジョリティ」と言って、静かに「もう、それはいいじゃないの...」と、怒っている人達を、悲しんで見ている人のほうが大多数なのです。騒いでいる人のほうが少数派です。だから、怒っている人は人生が孤独なのです。ですから「皆がそう言っている」と言う言葉も、その人の心の歪みが反映された、狭い人間関係のサンプル数でしかないのです。
 
 ですから、もし幼児的な攻撃性の人にからまれた時には、負け犬の遠吠えなんだと考えて、頭にとどめない事が一番ではないでしょうか。その事で、こちらまで悩むと、その人に、頭も心も支配される事になりマイナスの相思相愛になるからです。

 仕事上なら「こういう人にはなりたくないなぁ」と反面教師にしましょう。

 それでも頭から離れない時にはメンタルの教室に笑いに来て下さい。
 
 静かに微笑んで、穏やかな時間を歩く人生でいたいものです。
 
 

 

 

 

 

 


 

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