名古屋の修了式を終えて…

      2019/04/21

 名古屋校の2017年(春)ライセンス授与式が終わりました。
 271名のメンバーの喜び、笑顔、涙目が会場にあふれていました。

 

 あるご婦人は、余命宣告を受けたご主人に感謝のアイ・メッセージを伝えようと結婚記念日に病室に行ったそうです。するとご主人のほうから逆に「オレの人生で一番良かったんはあんたと結婚したことや。オレはずうっと幸せや」と、過去形でなく言ってくれたこと。
 奥さんは「これからも二人で行きたい所がいっぱいあるもの、私が運転するから隣でガイドをお願いしますね」と言ったら「ムリはいい。オレはいま幸せや。あんたに感謝しとる」「私こそあなたがいてくれたから、今こうしていられる。伴侶であり、友であり、支えられて生きてこれたの…」そして奥さんは続けて思わず「ひとりにせんといて!」彼女の本音の愛メッセージだったのかもしれません。
 それに対してご主人は「ひとりやないぞ。オレはいつも見守っている。自由に生きろ、あんたは生きていける。オレはあんたが楽しそうにしているのを見ているのが嬉しいんやで、今日は最高の結婚記念日や!」その日は「あの時、この時…」たくさんの思い出話しが出来たそうです。

 

 そして、五日後に愛するご主人が亡くなったそうです。
 「今日は仕事だから、明日の早朝に行くわね」と話したのが最後だったそうです。僕が以前に義理の父の最後に会えなったことを「会えなかったのではなく、会いに来てくれたのだと信じている」と話したことがあります。家族の笑顔の好きだった義父だから、横で涙でみとられるよりも、家族がワイワイと楽しく食事をしているところを見て、一番好きなシーンを確認して旅立ったのだと思っている」という話を思い出して「私が一番仕事が楽しい!」と言っていたので、あの人は職場に来てくれたのだと思うと語ってくれました。

 

 でも、やはりご主人が亡くなった後は淋しさと悲しみからメンタルの後編コースは、来られなかったそうです。後編コースの予約はキャンセルして、仕事以外はどこにも外出しなかったある日の夜が明ける頃に夢を見たそうです。
 後ろ姿のご主人がゆっくりとふり返り「どんなことも、なるようになっていくんやで、安心したらええ」それだけ言っていなくなった夢だったそうです。でも、その瞬間に講座の後半に出ようと新年から後半の講座に彼女は出席を始めた。
 講座を受けるたびに落ち込んでいた気分が浮上し始めたそうです。

 

 論理療法の講座で、僕が悩んでいる人は「自分だけが不幸」と言ってしまう。でも、リストラで苦しんでいる人、大切な人と別れて悲しんでいる人は、海の砂の数、夜空の星の数ほど存在しています。その人たちのすべてがノイローゼになるわけでも、ウツ病になるわけでもない。アルバート・エリスは「自分だけ不幸であってはならない。自分だけ特別であるべきだと、ノイローゼの人は完全な人生を求めてしまう」でも、誰にも孤独な夜はあるし、思うようにいかない日常もある。

 

 子どもはそれに耐えられないけど、大人は孤独でも死なないし、大人は不幸でも生きられる強さがある。子どもはいつもミルクをもらい、抱きしめられなければならない。でも、大人は孤独でも生きられる強さがある。また、その強さを身につけないといけない。その時の大切なことは、人から愛がないと生きてはいけないではなく、大人は荒野にたたずんでも「どっこい生きてやる!」という自己信頼感、いさぎよさが大人の心の条件なのです。そして、孤独に打ち勝つ力は「セルフ・ラブ」自分が最大のパートナーなのです。だって60兆個の細胞がいつも味方なんですから…

 

 僕のその話を聴いて、ご主人を亡くした奥さんはいつも身体を優しくさすって、「大丈夫、私がついている」と言いきかせているそうです。
 「大人は独りでも生きられる。それが大人なんだから」と唱えながら…そして、講座に来るたびに心が安定して来たそうです。

 

 そして、何か「自分は役割を持とう!」
 役割が弱い自分を強めてくれると思い心理カウンセラーになって、自分のように孤独で苦しんでいる人を助けよう。そして、4月2日にライセンスの授与式があると知って、今回参加してくれたそうです。

 

 彼女の顔は、最初に教室に来た頃とは、別人のように輝いていた。

 

 そう、生きることは孤独だけど、でも、目に見えない一生懸命に生きている仲間との連帯感を、今回のパーティのように、ほんの少しでも味わえる瞬間があれば、人は孤独でも生きて行けるものなのですよ。大人は一人でも生きて行ける!!!

 

 

 

 

 

 

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