騒がしい愛と穏やかな愛

      2019/04/21

 どうすれば、ベストパトーナーに出会えますか?

 

 自分に合った人を見つけるにはどうすればいいですか?


日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき


 僕はいつも言っています。まずは、そんな上手な出逢いのためのノウハウ本は捨てるのにかぎる。またそんな婚活に執着しないほうがよいと。逆にあなた自身が色あせるからと…


 前にも書きましたが「人間の行動は、その背景にある原因を強化する」のです。

 それは多くの実験から明らかにされています。恋人に振られたからと、あまり愛情を感じない人と付き合ったり、「楽しい場所に行かないと!」と思ってムリして行動すれば、楽しめていない自分に焦点が当たってしまい、より悲しい惨めな気分に支配されます。そうです、その背景にある原因を余計に意識してしまうのです。

 だから、ストーカーは追いかければ、追いかけるほど、相手のことを忘れられない存在と思い込んでしまうのです。執着し時間をかければ、かけるほど、相手が自分の人生の中で重要な存在として固定されてしまうからです。


 トラウマ(過去の心的外傷体験)ばかり気にして、インナーチャイルドを癒そうとか、傷ついた心を探す旅に出て、それを探せば探すほど、そのトラウマが重大な問題になってしまうものなのです。だから、そんな、セミナーショッピングをくり返す人ほど、より顔色も悪くなります。


 話はそれましたが、だから、パートナーを探して本を読みあさり、自分にあった人を探して婚活パーティに出れば、それが人生の重大事に思えてくるから不思議です。そのうちに自分の中にある輝きを失ってしまいます。


  「お一人様で生きる本」を書こうとか!とか、「自分を楽しむ人生の方法」を探すわよ!と思った時に、ステキなパートナーに遭遇して結婚したとはよく聴く話です。


 なぜなら、花を探して飛び回る哀れなハチよりも、凛と大地に立っている花のほうがステキだからです。今の自分を否定し、何かにならなきゃと思って生きるよりも、その場で自分らしく咲いている人のほうが美しいものです。


 ノートルダム清心学園の渡辺和子さんも「置かれた場所で咲きなさい」と言っています。

 自分の今やれる事をしっかりやる。何に対しても、気持ちをこめて仕事をする。


 日本舞踊の所作の美しさは、手や指のつかいにまで、とても心がこもっているからです。それが、「艶」なのです。


 京都の住民は、水やりひとつとっても、植木鉢ひとつひとつの土が、水があふれ出ないように、水をかけていきます。お茶をいれる時でも同じです。静かにゆっくりと、お茶をいれます。これは謙虚さのなせる業でしょうか?それとも物を大切にする気持ちからでしょうか?

 

 京都だけではなく、お茶をいれる、残ったお茶で急須を磨く、急須をすすいだら逆さにし、フタを上にのせて乾かす。日本では当たり前の動きですが、西洋人の私から見るとこれが実に無駄がありません。

 ドミニク・ローホー


 彼女は同じように、丁重な手つきだった。この部屋にある何を扱う時でも、オーブンのつまみを回す時でも、カレンダーをめくる時でも、彼女の手つきは、とても丁重だった。それは、安らかな丁重だった。
小川洋子「完璧な病室」中公文庫収録

「冷めない紅茶」より


日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき


 自分のパートナーを見つけるよりも、自分の魅力を再発見する。


 自分の今やっている仕事や家事でも、通勤の行き帰りでも、しっかり歩く、しっかり目を見て話す。瞳の奥から笑う。手先にまで意識を向けて所作を高めるなど。広くではなく、深く自分を掘り下げるのです。ですから、他人なんかと比較しないで、より深く自分を磨く。他人とのアポイントに振り回され消耗しないで、静かな自分とのアポイントを大切にすることなどetc.


 「愛するには、愛される人になりなさい」と、ローマの詩人 オウィディウスの言葉はとても意味深いものがありますね。


 そう、「ベストパートナーを探すよりも、自分自身とベストパートナーになりましょう」by 衛藤先生

 

 心理学的な調査によると、ステキな結婚を望んで相手を探している人のほうが、日々の生活の中で出会った結婚よりも離婚率が2・5倍もあったそうです。なぜなら、多くの人のいう愛とは、心がワクワクする、燃えるような恋はホルモン中心(アドレナリン)の愛だからです。


 心理学者のR・スタンバーグは「恋とは、一時的な精神疾患」とショッキングなことを言いました。


 「不幸な結婚を作り出しているのは、愛の不在ではなく、友情の不在だ」と言ったのはドイツの哲学者ニーチェです。


 やはりワクワク、ドキドキを結婚に期待している人の離婚率の高さは、ホルモン中心の愛だったのかもしれません。もちろん、ホルモン中心の愛が悪いわけではありません。でも、ホルモンに支配された愛だけを求めると、やがて愛は破綻します。


 心理学の世界では「刺激鈍麻の法則」と呼ばれるものがあります。


 私たちの感覚は、一度快感を体験すると、それをくり返すうちに、満足や興奮が少なくなります。そう、物足りない感覚におちいります。


 さらに、何をやっても、これで満足ということがなく、他の人と比較してしまいます。誰かと「幸せ度を比較してしまう」また、いつもその先に本当の幸せがあるように思えます。これを心理学では、また「順応水準の原理」と呼ばれたりします。


 そして、いつも不満になります。


 さらに追い討ちをかけるように、恋愛指南の本やテレビでは、パートナーとのドキドキの高め方こそ正しく、絶対愛のように唱えます。そうホルモン愛だけを賛美するのです。お互いにワクワク高揚する愛が続くように。


 カラーテレビからハイビジョンになり、サラウンド、プラズマテレビから、3Dと、「満足の半減期」は年々短くなります。それと、 同じようにホルモン愛の半減期もさらに短くなります。


 ですから、ドキドキ興奮するだけの、子どもの愛だけを賛美する本だけに縛られないで、穏やかな愛も大切にしましょう。ニーチェの言い放った、友情のような関係も大切なのです。


 そのためには、人である自分を信頼し、穏やかな自分との時間を味わえる心を作ることが大切だと、メンタルのセミナーでは勧めています。見慣れた相手の中にも、新しい発見をし、それを、ゆるやかな時間の中で味わい噛みしめられる自分を育てる技術を知ることが、幸せの関係を維持する近道です。


 大切なことは、誰と出逢っても、相手をベストパートナーにしてしまう能力です。他人と過去は変化させられない、変えられるのは、自分自身と未来だけ!!


 でも、今回のブログも恋愛ノウハウの一つですよね??


 かも f^_^;)(笑)

日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき








日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき




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