なぜ、吉本風、心理学なのか…

      2019/04/21

 メンタルの体験講座が終わった後に、深刻そうな顔をした女性が近づいて来た。

 僕は「質問かなぁ」と思って「楽しめた?」と挨拶がわりに言ってしまった。

 いつも、僕の挨拶は「楽しんでる?」と言う傾向があります。もちろん、苦しい時にも、その苦しみも含めて人生を「楽しんでる?」と言う気持ちで挨拶するのです。

 すると彼女は、深刻な表情を、より曇らせて「もっと、カウンセラーとして、深刻な問題をどうするか?を聞きたかったのに、何もかも楽しく話して…それでカウンセラーになれるのかと思って…」
 「あ、ゴメンねσ^_^;期待していた話でなかったんだね」と僕。

 「じゃぁ、メンタルは合わないのかもね」
 「もっと、深層心理の深い話が聞きたくて…」と彼女。
 「そうか、いろいろ勉強の方法があるからね。大学のオープンセミナーとか、いろいろ君に会いそうな心理学の勉強会に行って見るといいね」と、彼女にアドバイスして見送った。

 「そうだよなぁ。深刻な話を聴きたい人もいるからなぁ」と深く反省してみるものの、すぐに、僕は「これで良い」と確信している自分がいる。

 僕はトラウマとか、傷ついたインナーチャイルドなどと深刻ぶった話を、笑い飛ばす傾向にある。もちろん、カウンセリング中にはないですが…

 また「パワースポットに行くより、何としても自分が、いつも歩くパワースポット(パワーパーソン)になれ!」と叱咤した講座をしてしまう。そして、深刻になりそうな深層心理や究極は、孤独な人生を「がはははは…」と笑って、蹴飛ばしたい傾向もある。

 どうも、これが僕、風なのだとも思う。

 時より神経質そうな、暗い表情のカウンセラー志願者が「僕は臨床心理士の資格も○○年に取得して、なになに大学の○○教授にもご指導をいただいているのですが、どうすれば、先生のような、いろんな企業の顧問ができるのかなぁと思って…」と質問される。

 「そうだなぁ、君が資格をいくら身につけても、君と一緒にいたいと思ってもらえなければいけないし、この人なら助けてもらえそうだなぁ、という雰囲気を身につけることかなぁ。ところで、君はステキな友人が多いかなぁ…」と僕が逆に質問をしたくなる。

 僕は思う。「どの国に行っても、どの職場に行っても『お前といると楽しくなる』と思われることが、どんな知識より資格よりも、国籍よりも人を惹きつける優先課題」だと。

 パワースポットでエネルギーを充電して、ステキな出会いを待つよりも、人を惹きつけられる魅力ある人間になることがステキな出会いへの最短距離だとも。

 もちろん本人には言わないけれど、僕は心の中で叫んでいる。いいかね、表情のない若者よ、君に伝えるべき言葉は「君は笑顔を作れ!」なのだ!

 禅の有名なダルマ大師に、弟子が深刻な顔をして「いまだに、心を悟れません。どうぞ、師よ救って下さい」と泣きついた。師のダルマは、笑顔で「そのいまだに悟れない心を、ここに出して見なさい、今すぐ汝の心を救って見せるから」と大笑いした。

 その言葉で、その弟子は悟った!

 「悟らねばならない~ッ(>_<) その深刻な心が煩悩であり、苦しみなのだと…」
 だから、その悟れない心とは、どこにあるのか、あると思うから苦しくなる。そんな人に「人生を明るく生きよ!」と言われても、誰も救えまいと…
 それは、お前が深刻そうなのだから…

 話は変わりますが、心理では「人間の行動は、その背景にある原因を強化する」と言われている。

 これは簡単に言うと、恋人と別れて悲しいからと、誰かとムリしてデートすると、恋人のことを忘れたいという原因で、始めた行動(違う人とのデート)は、その原因を強化する。そう、より別れた恋人のことが恋しくなると言うことです。

 眠れないからと、アロマたいたり、枕を変えたり、ホットミルクを飲んだり、リラクゼーションの瞑想をしたり、羊を数えたりしても眠れないと、そうまでしても(数々の行動)自分は眠れないのだ(原因)と、自分の眠れない現実をより深刻化して落ち込む。

 誰かと口喧嘩して、悔しいからと家に帰って、家のこともしないで、明日のやらなければならない支度もしないで、次の日に、それを別の人から注意され、指摘されると「あの人のせいだ」と口喧嘩した人のことが、より腹が立ち、怒りが増していきます。

 できれば、こんな時は、その口喧嘩した相手に囚われないで、日常の普通の生活をしっかり生きればいいのです。それが、二重被害にあわない方法です。

 だから、トラウマを忘れたいから、インナーチャイルドが癒されていないからと、いろんな深刻なセミナーに行って高額な費用を支払い、時間を使えば、そのトラウマ(原因)は、やった努力に比例して(行動)囚われることになり、より深刻化してしまう。

 だから、メンタルの体験講座では、僕は過去と他人を忘れたいからと深刻にあくせくすると「よりその過去と他人に囚われるよ」と話をすることになる。

 そう深刻な人々にショック療法で、笑い飛ばしながら話すのです。

 そう、彼女の言っている深刻な心理学なら他で、誰かが話している。僕はやっぱり卒業生の活躍と顧問企業数は、深刻な心理学ではなく、笑顔の心理学にひかれて寄ってくるのだと思っています。

 そんな「笑いで、いいですか?」「はい、いいです!」(*^_^*)

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日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき




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