面倒な人との関わりが、人を伸ばす。

      2019/04/21

 去る者は日々に疎し(うとし)、離れて過ごすと、親しさも失われるものです。

 大切な人の死などの悲しい出来事は、日に日に、記憶が薄らいでいくことで、人は救われる時もありますが…

 でも、人間関係が日々、疎遠になる人は、「人生の出会い」という大切な蓄財を失っています。

 会社を起こしてもすぐにつぶす人、友達関係や恋愛でも、瞬発力だけで、あまり長続きしない人は、日々の人間関係を維持させる努力を嫌います。

 「面倒だ」と思ってしまうクセがあります。

 「面倒だから」と、自分のストレスばかりを気にするから、人間関係のメンテナンス(維持)の努力をおこたってしまうのです。

 セールスでも、コンサルタントと名乗る人の中にも、会っていると、たしかに楽しいのだけれども、自分からは小まめに連絡を取ろうとする努力をしないから、その人の薄情さを、相手に感じさせてしまう人がいます。

 人間関係の広い人、つながりを大切にする人、ビジネスで成功する人などは、一時的な人間関係ではなく、持続的に人間関係を大切にしていると人びとだと、僕は確信しています。

 「断られてからが営業だ!」と営業される方は言われます。

 一度くらい断られても、トップセールスに輝く人は、そのお客様に、嫌われない程度に、小まめに連絡をとり、日々、お客様との関係が、疎遠になることを防いでいます。

 商品ではなく、自分自身が最終的に「売り者」だと言われるトップセールスの人は、無視をされることへのストレスへの耐性が強いのです。

 笑福亭鶴瓶さんの師匠である笑福亭松鶴 師匠は、成功する落語家は、弟子入りを断られても、断られても、あきらめ無かった人間だと語っていました。そう「人間関係は、面倒くさがってばかりではダメです」と…

 我が日本メンタルヘルス協会にも「スタッフになりたい!」と、言ってくれる有り難い仲間がおられます。

 ただ、僕は一度は、かならず断ることにしています。それは、前回のブログでふれた、その人の「ストレスに耐える能力」を知りたいからです。

 一度断られると、ピタリと顔を出さなくなる人がいます。
 それで、おおよそ、その人の生来の人柄が分かります。

 その人がオール or ナッシングな性格な人だと。

 雇うなら関わる、雇ってくれないなら一切関わらない。このような人は、瞬発力の人で、持続力の人ではないのです。

 ビジネスはうまくいく時と、いかない時があります。仕事が、うまくいく時は問題はないのです。でも、うまくいかなくなると、そのような人は逃げ出してしまうような人間関係でしかありません。

 仕事で成功するのは、容姿でも、言葉の巧みさでもありません。 究極は、その人の腹(その人の真なる姿)です。

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 今まで心理カウンセラーとして、たくさんのカウンセラーを育てさせていただいて、有能な講師陣も誕生するようになって、そのように強く確信するようになりました。

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 上司に一度注意されたり、叱られたからといって、その上司から日々、足が遠のいて敬遠するようになる人がいます。まさに「日々に疎し」です。すると上司も、その部下を「可愛げないやつ」と評価します。また、上司との関係をよくするチャンスも、タイミングも失ってしまいます。

 逆に、上司から叱られ、注意されても、上司から離れず、次の日にはニコニコ笑顔で、指導を受けようとする部下はストレスに耐性があり、最終的には可愛がられて、一番伸びる部下なのです。

 もちろん、すべての人に好かれる必要はありません。ある程度の年齢になると、面倒な人間関係をムリをして持つ必要もなくなってきます。

 だからと言って「面倒だから」と人間関係を切り捨てていると人間的な成長の機会も失います。

 人はある年齢を過ぎ、自信が出来てくると、自分にとって楽な人と付き合うようになります。そして、自分にとって心地の好いことを言う人とだけ、付き合うようになったりします。それが、人間的な成長を止めてしまうのです。

 なぜなら、人間が一番成長している時は、面倒な人間関係も、そこそこは付き合い、外からの忠告にも耳を傾けている時期なのです。

 ですから、苦しい時期は、師からきびしい指導を受けている頃であり、人が究極に不幸になるのは、指導をしてくれる師を失うことにあります。

 なので、誰からも愛され、成功する人は、人間関係が消去型ではなく、「親しくご指導いただきました」「日々、可愛がっていただいています」と胸を張って言える人、つまり人間関係が貯蓄型の人です。

 貯蓄型の人は、一生を通して、仲間に恵まれ、いろんな人生の場面で、たくさんの応援団に、支えてもらえる蓄(人)財をしてきた人なのです。

 一時的な成功をおさめても、やがて落ちてゆく人を、たくさん見てきましたが、それらの人びとは消去型の人間関係の人でした。

 「人間関係が殺伐として、イヤな時代です」と、人に語りながら、自分の消去型の人間関係のパターンに目を向けない人は、一度、自分のこれまでの人間関係のパターンを見直してみることが必要ですね。

 孔子が「巧言令色鮮し仁」(こうげんれいしょくすくなしじん)と語りました。

 人間関係を消去し、言葉で、その時々を巧みに飾り、顔つきを和らげて上手く、その場、その場で、とり繕っても、その人の行動を見ていると、 人間関係への真心に欠けている人が多いと…

 ですから、百の言葉よりも、一つの行動なのです。ズルい大人になると、言葉ばかりが達者になって、誠意あるアクションが失われてしまうようです。

 あなたが一番、面倒だと思う人間関係が、一番あなたを伸ばしてくれる人かもしれませんよ!

 それは、あなたにとって誰なのですか…






日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき





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