大局観
2019/04/21
変えられないことを受け容れる心の平穏を
そして、この世界には変えられることと、
変えられないことを知る叡智を授けたまえ
神学者 ラインホルト・ニーバ
僕は日本に生まれ、日本で育ちました。
もし、韓国に生まれれば韓国人の考える視点が正しいと信じたでしょう。
もちろん、中国、北朝鮮で、生まれれば、やはりその国の考えや価値観が正しいと信じたのでしょう。
龍馬をはじめとする倒幕の志士たちには彼らなりの、幕府側の新撰組には、彼らなりの正しさが、互いにあったのです。
それぞれの中に入って観れば、感動的な愛や友情のドラマが生まれます。
忘れてはならないことは、互いに愛する心と、怖れる心を持った人間という存在の集まりです。
違ったのは属した集団が違っただけ。
その違いだけで集団であることの愚かさは、その集団の怒りは、誰もが知らないところで燃え上がり、個人では決して止めることができない、戦いの火蓋が切られます。
この過ちを我々は、いつまで繰り返すのでしょう…
ニーバの言うように、変えることを変える勇気を、僕たちは持っているのでしょうか? 戦うことが勇気だと思っている人はいないでしょうか?
自分が変わりたくないように、相手にも変わりたくないことが存在するのです。
お互いに変わることには勇気が必要です。強い大人は、子供とのケンカに負けることができます。それは余裕があるからです。本当の余裕、強さはゆずることのできることです。
互いにゆずりあうことができないのが、子供のケンカです。
対立した時に、大切なのは、それを見きわめる叡智です。
その叡智を持った人が、たくさん住んでいる国が「大国」と呼ばれる時代が到来することを心から祈ります。