変わることと、守ること。

      2019/04/21

 皆さん、新しい年の過ごしごこちは、いかがですか ?

 何を言っているんだと思われますか?年末と年始から日付が変わっただけで、何も変わらないと思われている人も、いるかもしれません。

 でも、身体の中では、いつも生と死がくりかえされています。

 皆さんは、細胞レベルで言えば、5年前と、全然違う人になっているのです。

 ですから、何時だって生き直すことはできるのです。

 いつも出会っている学校のクラスルームのメンバーも、会社でデスクを並べている仲間も、周囲の人々も変化しているのですから。

 いつまでも、何かイヤな感情を引きずっているのは、貴方の方かもしれませんね。

 新しい年、新しい目で、周囲を見わたして見るのもいいですね。

 新年から生き直し、生まれ変わるのもいいでしょう!

 話は変わりますが、年始の休み開けの休日に、友人がたずねて来ました。

 15~6年前の借金の返済金を持参して…

 彼に貸した金額は、僕にとっては当時、高額でした。もちろん、今の僕にとっても高額なのですが…f^_^;

 僕の信条として、友人との貸し借り絶対しない。もちろん、ジュース代貸してくらいはOKですが(笑)

 子供の時から、親分肌であった父親が、頼まれた保証人や借金の肩代わりをして、苦労した時期もあったので、父親が「貸すなら、やるつもりで貸せ!」と言われてきました。

 だから、彼に借金を頼まれた時には、悩みました。そして、その信条も彼に伝えました。

 お互いに、若いヤンチャな時代を過ごし、僕が学びの時代に、先に社会に出ていた彼に、食事に連れ出してもらったことも、数えきれないほどありました。そう考えれば、彼の友情に借金とは言わず、くれてやってもいいのではないか。「よし、差し上げよう!」と決心しました。

 そして、彼に僕はこう告げました。

 「僕は、人に、お金は貸さない!と、今まで決めて生きてきた。保証人になって、バカをみた父親を見てきたから。なによりも友情を失いたくないから。…だから貸す時には、差し上げるつもりで渡す。だから、絶対に忘れないでくれ、次の借金はないし、そして、その時には、俺たちの友情は終わると思う」と…

 彼も苦しそうに「俺も衛藤には、絶対そんなことをしたくなかった…」と…頭を下げた。

 それから、彼とは電話での近況のやり取りだけの数年間を過ごした。それは、お互いに、日々の生活が忙しくなったこともあります。

 そして、彼が投資したビジネスはうまくはいかなかったことは、風の噂で知っていたし、それに僕は「彼に差し上げたもの」と借金のことは封印して生きているので、彼と会うたびに、借金の話になるのを僕は避けたかったのかもしれません。

 彼と年に数度、電話で話すたびに「申し訳ない」と、彼は借金が、そのままであることを僕に謝罪した。

 僕は「もう、その事はいいじゃないか」と話をそらした。

 でも、彼は電話を切る直前「忘れていないから」と必ず言って、電話を切った。

 「忘れていないから」の証は、自宅に毎年届く、中元と歳暮に書かれた、彼の名前から、僕は感じ取っていた。

 一般社会からすると高額な借金に対して「たかだか、お歳暮、お中元でしょ」と言われるかもしれない、でも僕には、それで充分だった。

 その彼から、昨年の夏に久しぶりに電話があり「長い間、迷惑をかけた。借金を返すのが、衛藤が最後になったけど、借金を返すから」と電話が入った。そして、約束どおり毎月、僕の通帳には「忘れてないから」の、彼の言葉が振込まれるようになった。

 電話で「毎月、たいへんじゃないのか? あれだけの金額、もう、あれは、お前にあげたものとずーっと生きてきたし、俺をエンちゃんと、親しく呼んでくれる友達は少ないから…それに、毎年のお中元や、お歳暮の数々で返済は済んでるから」と僕が言うと「それと、これは全然、別物や。ホンマに長い間悪かった」と彼。

 そして、彼は最後の返済金を持って自宅に訪ねてくれたのだ。

 「最後くらいは銀行振込ではなく、手渡しでお前に渡したかったから」との言葉をそえて。

photo:02

 年末年始から「仁義」とは何かを考えさせられる出来事が続いた。

 恩を仇で返す人もいる。

 でも、かたくなに「自分らしさ」を石にかじりついてでも、守り通す人もいる。

 人と人との関係を、人前で語る仕事をしている僕としては、自分の人生を最後まで自分らしく「人として」の誇りを大切に生きたい。

 そんなことを思った2013年の新年になりました。

 みなさんの「誇り」「大切にしているもの」は何ですか?

 そんなことを考えてみるのも良い機会です。そう、新しく生まれ変わった年の始まりには…






日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき









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