結婚に想う…
独りで孤独を感じるより、誰かと一緒にいて孤独を感じてしまうと、より哀しい思いをします。
だから、片親だけの家族よりも、家族なのに、ふれあいがない家庭の子供のほうが、心の病になる率が高いのです。
これは、家族でも、恋人同士でも、同じなのかもしれません。
人はたとえ、一緒にいても、心がふれあえないと、心の栄養失調になります。
明日、美塾の内田塾長の結婚式があります。彼は弟のような存在です。
ドイツの詩人のハイネは「結婚とは、今だに、どんな羅針盤も、完璧な航路が発見できない荒海である」と言っています。
互いに価値観に違いがあり、どのカップルにも共通する成功論など、ありはしません。だから結婚は今だに見出せない荒海へ、漕ぎ出す航海のようなものかもしれません。
それは、現代人の離婚率の高さを見れば一目瞭然です。
誰もが、お互いに失敗しようと思って航海に旅立つ二人はいません。
結婚をゴールだという人がいますが、それは違います。
そこからが長い旅路のスタートなのです。生活すると、分かり合っていると思っていた二人が、何も分かり合えてなどいなかった、と驚くかもしれません。
夫婦の一番の亀裂は、お互いに相手を理解する努力を忘れて、理解されることを簡単に、求め過ぎることにあるようです…
分かってもらって当然だ、これくらいは、やってくれて当たり前だ!と言う感情です。これを心理学では、母子一体感と言います。
相手はどんな親しくなっても、違う存在です…
一緒であるわけがないのです。
でも、二人は慣れ親しむと、そのことを忘れて「考えも、感じ方も、同じであって欲しい」と、一体感願望が出て来ます。
でも、それは願望であって、現実の生活は違うものです。
相手は、それぞれに違う家庭で育ち、考え方も、感じ方も違うのです。
だからこそ、お互いに、自分の中にある思いを一生懸命に伝えて、相手の微妙にズレる、心の声をシッカリと聴き通さないといけないのです。
さらに、言葉に、ならない仕草まで…
視線の中にある淋しさ、元気のない声、ため息、笑っていても笑っていない微妙な表情…etc.
危機的な夫婦は、カウセリングの現場でこう語ります。
「相手が自分のことを分かっていない」
と…
僕は奥さんに「では、あなたは相手のことを分かっていますか?」
「もちろん!」
と
では、ご主人の子供の時のあだ名は?
幼い頃に、好きだった絵本は?
一番に憶えた歌は?
学校時代に嬉しかったことは?
飼っていたペットの名前は?
不思議なことに、こう言われると「わかっている」と豪語した人も、静かになってしまいます。
僕たちは、愛している人のことを知るには、たくさんの時間が、必要なのだと言うことが分かってきます。
だからこそ、簡単に相手をわかっている、相手は分かってくれているはずと言う考えは、お互いに、ズレが生じる危険性を宿しているのです。
夫婦とは、一生かけて、決して焦らずに、相手を理解しようとする決意と時間が必要なのかもしれません。
僕が結婚式で、旅立つ二人に読む《詩》があります。
あなたの夫や妻は、あなたの一部ではない。
これから一緒に暮らしはするが、決して二人は混じり合うことはない。
あなたは愛情を与えたとしても、自分の価値観を押し付けてはならない。
なぜなら、相手はある家庭で愛情いっぱいに育てられた息子であり、娘である。目にいれても痛くない存在であった時期があったのだから…
あなたが、相手を理解する努力を始めたとしても、相手から理解されないことにイラだてば、やがて愛は憎しみに変わるだろう。
なぜなら、愛とは、相手を知りたい、相手を理解したいと思うところにこそ、愛は存続するのだから…
byノブ
二人の航海の旅立ちに乾杯 ‼
また、明日、7月8日は、日本メンタルヘルス協会の銀座校で、メンタルの卒業生でもある可愛い双子魔女の出版記念公演と素晴らしい映画「うまれる」の上映会があります。
まだ、観ていない人は是非に鑑賞して下さい。
当日券もあります。
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