行動は人生を映し出す鏡。
2019/04/21
受付で「迷ったじゃない。この地図わかりにくいわよ」とまずプンプン案内されたイスに荷物をドンと置いて、周囲を唖然とさせ、司会の話も資料にパラパラと眺めて目もくれない。
前で、講師である僕が「人との関わりの大切さ」の話をしていても「それが、なんなのさ」とでも言うように講師のいる前方を見ないで、窓の外を難しい顔で見ていたらしい。
「見ていたらしい」とは、僕の舞台の上からは確認できなかったからなのです。ただ、講座の途中で帰った人が、一人おられたので、後方にいたスタッフに講座後に「お急ぎだったのかなぁ?」と聞くと、講座に入る前の段階からプリプリムードで来ていたとのこと。スタッフいわく「でも、きっと講座を聞かれた後は、楽しんで帰っていただけると思って、お席にご案内したのですが…」
教室に入る時から、ドアをバンと開けて、バンと閉めて、後方にいた参加者の視線を集めたそうです。
スタッフは丁重に慎重に対応したらしいのですが、終始そうだったと…
気の優しいメンタルのスタッフが、ため息まじりにもらす「受け付けの用紙に、お店の店長とありましたが、下で働く人は大変だろうなぁ、となんだか同情しました」
「きっと、職場で頑張っているからストレスが溜まっているんだろうね」とボク。
「でも、いつもあんな風に苦虫を噛み潰したような方だと、お客様にも印象が悪いんじゃないのかなぁ…」とスタッフ。
「いや、意外にそういう人ほど、お客様には、すごいニコニコしているケースが多いよ。その分だけ、外で自分がお客になると『自分も日頃は我慢しているのだから、自分がお客の立場になったら、偉そうにすべきだ』と淋しい人生観を持ってしまうものだよ」
「へ~そうなんですか…」とスタッフ。
そうなのです、人は自分の言動・行動が、その人の世界を決めるものなのです。
これを「認知のゆがみ」と言います。
自分が上司や先生、目上の人に、どんなにヒドイ態度をされても、文句を言えなかった人は、自分が上の立場になった時に、二通りの行動に分かれます。
一つは、自分がされて嫌だったことは人にはしないと決める人。
もう一つは自分がヒドい仕打ちをされたから、自分も同じ立場になったら、立場の弱い人に自分がされたのと同じような行動をする人。
そうすることで「世の中はこんなものよ。勝つか負けるかなんだ」と冷めた人生観を持ってしまう。
僕は田舎の高校で、よく先輩から呼び出しを受けました。いつもトイレに…
「お前なにをニコニコしてるんだよ」
「転校して来たくせに、目立ちすぎるんだよ!」
「なんだか、生意気だ…」
僕も学習すれば良いのですが、毎回同じような理由で呼び出される…♪(´ε` )そう、学習能力がない。f^_^;)
同じように先輩に呼び出されている同級生は「ここの学校の伝統だから…」と半ばあきらめムードだった。
僕は、それにも納得できなかった…
だから、自分が上級生になった時には、トイレに呼び出された後輩に出会うと「俺が奴らに話をしとくから、帰れ!帰れ‼」となる。
だから、上級生になっても「トイレ」という場所は、後輩を呼び出した彼らと、後輩を帰らせた僕の、戦場の場所になる…。
そう、いつになっても、こんな感じで学習能力がないらしい f^_^;)
人は、その人の言動と行動が、その人の世界を決定する。
立場の弱いウエイトレスや店員に偉そうにする人がいます。
「早く水を持って来い‼」
「馬鹿野郎、釣りが間違っている‼」
「お客の荷物だろスグに持てよ‼」
「呼んだらスグに来いよ‼ ノロマ」
このような言動の人は「俺だって金をもらうのに苦労をしているんだ」だから「お前も苦労をしろ!」とでも言うような態度と言動をする。その態度を続けることで、自分の世界観を歪めて固めてゆく。
この世界は、上に行くか、下に行くかだ‼ 勝つか負けるかの世界なのだ…と自分の思い込みを中心に生きる世界を決定してゆくのです。
上司には、どんな簡単なお願いもできない部下がいました。その人は、逆に上司の無理難題や不当な仕事を申し付けられても、自分の考えすら伝えられない…上下関係は、そんなものだと決めつけている。
だから、その人は自分の部下にも、無慈悲で高圧的な態度になる。
そのような歪んだ考え方のために、彼は人間関係が上手くいかない。そのストレスから体を壊し、お酒やドラックに溺れる世界から抜け出せない。
もし、この人が、豊かな人間関係の中で過ごしたいのならば、自分よりも弱い立場の人に、自分自身が優しく行動する・言動することが、自分の歪んだ世界観を変える第一歩なのです。
確かに、苦労してお金を稼いでいるのかもしれません。でも、部下や他人に不必要な苦労をかける必要などないのです。
このような、部下への思いやり、目下の者に対する優しい配慮が、自分の世界観や人間関係に、確実に変化をもたらします。
上も下もなく、支配することも支配されることもない、穏やかに笑って過ごす豊かな職場生活や家庭生活。
その優しい穏やかな笑顔の中で、その人は安心して生きることが出来るようになるのです。
笑って過ごしたいものですね…
話は変わりますが、昨日は父の日で、息子がバイト代からケーキを買って来てくれました。
ケーキの甘さが、いつになく心に染み入りました。
ありがとう。