不眠は完全主義者!
2019/04/21
実は不眠症の人は眠っているのです。いや、気づかないで脳をしっかり休ませているのです。
不眠症の人の脳波を調べると「マイクロスリープ」と言う脳波が出ています。この脳波は完全な眠りではないですが、これで十分に脳は休まっているのです。
もちろん、不眠の人は「時計も見ていたし、意識もあった」とカウンセリングで訴えます。
でも、横たわっている、わずかの「間」に、不眠の人は意識に上らない間隔でマイクロスリープが出ているのです。
ですから、身体を横たえているだけで、身体も脳も、充分に休んでいるのです。
でも、不眠の人は、「昨日は、眠っていないから決してムリをしてはいけない」とお昼の活動で手を抜いてしまいます。
そして、その夜も眠ることを目指してベッドに入り、眠れない自分にイラついて夜を過ごします。
そして、ベッドの中では、マイクロスリープをとって脳と身体を休めさせる。
そして、次の日は「二日も眠っていないので、ムリしてはいけない」と自分で勝手に判断して、日中にやるべき仕事をムリをしないで手抜きをします。
さらに、その夜もマイクロスリープで脳の休養をとり「三日も眠れていないわ。いよいよ身体が心配だわ」と次の日の仕事も、手を抜いてしまって脳を疲れさせない。
そして、やがて不眠は習慣化してしまうのです。
ですから、不眠の治し方は、逆に思いっきり働き、頭を使って脳を疲れさせる。それを三日も続ければ、まぁ、三日は、もたないと思いますが、突然、努力をしなくても眠りは訪れます。
また、不眠症の人に「なぜ、眠りたいの?」と僕が質問すると「明日の仕事や学校のために…」と答えます。
僕は「なぜ、眠りたいのか?」と質問されたら「いや、僕は気持ちよく眠りたいから一生懸命に仕事をする…」となってしまう。
まったく逆なのです。不眠の人は「眠る」ことにガンバってしまう。
仕事のために眠るのか、僕のように、気持ちよい眠りのために、一生懸命に仕事をするかで不眠症は決まるのです。
完全主義の人は、明日の仕事のためにも完全に休んでおこうと考えます。
このように完全主義者というのは絶えず不安を抱えています。
完全主義者だから、何をする場合でも「うまくいかないのではないか?」と心配をしてしまいます。この心配がくせ者なのです。
人前であがる人も、失敗を恐れています。上手に話そうと思いが強すぎて「上手く話せなかったら」と不安が増大して緊張させます。
僕は毎日のように見ず知らずの人々の前で講演をしています。
でも、「あがる」ということは、ほとんど意識しません。
僕は、上手に話そうと思わないで、この状況を楽しもうと思っています。もちろん、緊張をも楽しんでいます。
だから「あがる」ということが意識に上ってこない。
失敗した時に「やっぱり失敗した」「やっぱりあがってしまった」「やっぱり打てなかった」と言う人びとは、最初から失敗することを心配していたのです。
だから、失敗した時に「やっぱり」と言う言葉が口をついて出てくるのです。
人は眠ろうと思ってベッドに行く。そして、自分を信じて目を閉じる。
不眠症の人のように「眠れなかったら」とは意識しない。
「そう、自分を信じている !! 」
歩くこと、胃で消化すること、空気を吸うことに意識しないように、自分の機能を信じることが、なによりも大切なのです。
でも、不眠の人は、自分のことを信じていません。「眠れなかったら」と、不安を抱えながらベッドに向かいます。
それは、自分の機能を信じていません。
自分の中にある自然にそなわった身体の機能を信じられないで、ベッドに向かいます。そして、「また眠れなかったら」と緊張します。
そして「眠ること」を意識し過ぎて、眠ろう眠ろうとして、かえって眠れなくなってしまいます。
だから、失敗恐怖症を治す方法は、自分自身を信じて目をつぶる。
たとえ眠れなかったとしても、それを「日頃、勉強できないから」とチャンスに変え、脳を疲れさせるために本でも読み始める。そして、睡眠不足でも朝から元気に仕事に行き、そして、しっかり緊張しながら働く。
そうすれば、不眠は治ります。
人間の機能は、脳細胞が破壊されないように、強制的に「眠り」を作ります。
ですから、不眠症は間違ったネーミングなのです。本当に「永遠に眠れない人」はいません。
不眠症の本当の意味は「寝たい時に眠れない病」なのです。
眠れないのは、脳が疲れていないためです。脳は疲れたら脳細胞の安全のために自動的に眠りを作り出します。
ですから自分に、もともと潜在する自然の機能を信じて、しっかり働いて、自然にベッドに向かいましょう。
不安な人は、ろくに準備をしないで、最高の結果だけを求めます。
スポーツ選手は、自分が完全に信じられるまで、失敗をくり返して成功に近づいて行きます。やがて何度も成功体験を身体に覚えさせるのです。そして「失敗したらどうしよう」の不安を心の外に追いやって行くのです。
それとは反対に完全主義の人びとは、自分が一番「やるべき努力」をしないで、結果だけが完全であることを願うのです。
そして「完全でなければ自分はどうしよう、自分は失敗したらどうしよう」と、さらに完全主義の不安に飲み込まれてしまいます。
大切なことは、失敗したって、完全でなくたって、一生そのことを笑われるわけではないし、人前で、あがってもその瞬間に死にはしない。
なにより失敗は、次の経験につながります。
だから、「成功」の反対は、「失敗」ではありません。失敗は次の機会へのバネになり、経験値を増やします。
だから、成功の対極にある言葉は「何もチャレンジしない」ことなのです。
最後に、歴史上の人物で不眠症で死んだ人は一例もありません。ですからね、安心して眠れない夜を楽しんでください。
そう、自分自身を信じて…