自分らしさで自分を救え!
2019/04/21
ただ相談者の中には、誰に対しても緊張する人がいます。恋人に対しても肩に力が入る。会社に行っても力が入って肩がこる。友達といても力が抜けないから楽しくない。
このような人の深層心理は、私は理想の自分を演じ続けないと嫌われると勘違いしているようです。自分が相手の望むような理想的な人でなければ見捨てられると思い込んでしまっています。
相手はこちらがどうであれ、そんなもので単純に嫌いにはならないのに、自分の中で嫌われると勘違いしているようです。
極端な恥ずかしがり屋さんで緊張タイプの人は、自分は誰にも嫌われないような理想の人でなければならないと思い込んでいますから、嫌われる不安から他人の顔色がすごく気になり、誰に対してもニコニコして相手に過剰に合わせてしまいます。
そして、その理想の自分が演じられないとなると四つの行動パターンに変化します。
一つは、今ある人間関係を切って、自分をまったく知らない人と新しい関係を探します。だから、永く続いている友達が少なくなります。以前のブログで書いたオールorナッシングな人です。完璧か、もう一切の努力はしないかのどちらかです。そして、環境や友達を変えればうまくいくと信じています。
二つ目は、自分は価値がないと引きこもって誰にも会わない。自分は誰からも愛されない、理解されないと自分の世界に引きこもるか、自己否定の極致で死に向かう不幸な場合もあります。
自殺する人々は人一倍周囲に良く思われたい気持ちが強いと心理学の世界では言われています。
誰からも好かれるのは誰だって不可能です。なぜなら、人は誰かの一部の側面を見て、勝手に嫌う人がいるからです。それが、勘違いかもしれないのに・・・でも、誰からも好かれなければ自己価値がないと思い込んでいる人は思ったように他者評価がもらえないと自分は、もうお終いだと思ってしまいます。
三つ目は、自分のことを理解してくれない人を攻撃する。ニコニコ笑っていた人が最高の攻撃者になるケースは少なくありません。
受講生の中でもニコニコ笑っていた人が、リピーターの予約が入らないだけで手のひらを反して「もう教室にいかない!」と周囲に怒りをぶつける人がいます。その人の人間性に関係なく教室が満席だから平等に断られたのにもかかわらず「私にだけ」と被害者意識が強いのです。
そのような時に怒る人と「次回楽しみ」と笑える人の違いは、自分が否定されたと思うかどうかなのです。
いつもニコニコ笑っていたのに「え⁈ あの人が?」と驚くことがあります。
四つ目は、相手に合わせて迎合し続けるかです。相手に従っていれば、自分は嫌われない。理想的な自分に申し訳ないと感じるから相手に失望されないように相手の期待に応えようとしてムリをする。だから、誰にも明るく振舞う。それが、限界を越えると極端な攻撃者になるか、心身症のように身体に異常が出現する場合があります。
対人緊張の人、過剰適応の人は、一見明るく見えるため、その人が緊張していることがわからない場合が多いのです。
だから、極端な元気さと、極端な自己嫌悪感がその人を襲います。極端なフレンドリーさと、極端な悪口が表裏一体になるから仲間をとても驚かせます。
対人緊張、対人困難の解決策は、何よりも自分で自分を信頼することです。
自分自身は決して他人の負担になるような存在ではないと自分に心から言い聞かせることです。過剰にムリをしないでも大丈夫と••••
さらに、他人を悪く言ったり、自分自身や社会を責めても、自分自身を救えないと自分にわからせることです。
誰かとムリして付き合ったり、相手をけなしても、誰かに対しての脅えはなくなりません。
大切なことは、誰かの理想的な人間になることと、自分が自分を信頼することは、まったく別のことなのだと知ることなのです。
人に対して分かってもらいたいという感情と、分かってもらえないなら、攻撃してやるという怒りは、不満が自分に向かうか、他人に向かうかの違いで源は同じなのです。
あるがままの自分を心から信頼する。
他人の期待に応えるよりも、自分ができる笑顔や自分のできる親切で大丈夫なのです。
ムリしない優しさ、あるがままの笑顔が、あなた自身を救います。