世界平和を叫ぶよりも•••

      2019/04/21

 世界平和を叫ぶよりも、自分の周囲の人を幸せにするほうが難しい。

 先日、カウンセリングした奥さんは御主人が働かない。そして、ついに幼い子供たちのために残しておいた食費と家賃を義援金と援助物資の寄付に使ってしまった。

 このご主人の口グセは「正義と愛」だそうだ。でも、定職に就かないでいる。

 「なぜ、仕事を辞めてきたの?」と妻が問うと「あの仕事はくだらない」「あの上司は人を見る目がない」と怒りだして手がつけられないと言う。

 このご主人は、現実に立ち向かう自信のなさを「正義と愛の運動」にすりかえてストレス回避のために使っているのだろう。

 普通の生活では自分は、自分の思ったように評価されない。だから、何か「人のために••••」という大義名分が出来ると、その現実感のなさから、自分は「なんて愛にあふれた人なのだ」と自分に酔いしれる。だから、現実の足元(家族が生活できない)が見えない。

 そして、それを奥さんが指摘すると「酒や遊びで使っていない」と暴れ出すのです。

 心理学では、自信のない人ほど、スケールの大きなことを平気で言う傾向があります。夢見る人、現実逃避型(ストレス回避傾向のナルシスト)の問題点は、生きることに必要な小さな努力や苦労を避けようとする。

 自分の思うように評価されないと、スケールの大きなことを言って仲間の注目を集めようとします。そこに震災復興活動は、彼には一時的に現実の自分(根気のなさ、自信のなさ)から目をそらさせるピッタリの大義名分になったのでしょう。

 平和活動、宗教活動も、同じように使われます。地に足のついた援助や支援が本当に継続可能な活動なのです。

 勇者に必要なことは、大きなことではない仕事を小バカにしないでシッカリする。注目をされない辛いことにも人並みに耐える。自分が今、目の前にいる守るべき人のために一生懸命に働く。

 それが真の勇者の条件だと思うのです。


 タイトルと同じような歌を偶然に見つけました。


日本メンタルヘルス協会:衛藤信之のつぶやき

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