呼吸の不思議
2019/04/21
なぜなら、呼吸は不思議な働きをしているからです。
人間の筋肉には手や足で歩くなどの意識して動かしている「随意筋(コントロール筋肉)」と、内臓の動きや呼吸のように無意識に動かしている「不随意筋(ノンコントロール筋肉)」があります。
「呼吸」は自分の意思でコントロールできます。一瞬、意思で止めることができます。そして、意思で呼吸のテンポを変化させることもできますから随意筋(意識できる筋肉)の支配でもあるのです。
しかし、人は意識が遠のいて眠っている間も、意思に関わらず呼吸をしています。ですから、呼吸は無意識の影響下である不随意筋(無意識の筋肉)」の命令下でもあるのです。
したがって、「呼吸」は意識と無意識の両方からの影響を受けています。そのため、「呼吸」を使いこなせば、「意識して」目に見えない「無意識」に影響を与えることができるのです。
人間、興奮している時は、呼吸は速く、浅くなっています。だから、興奮したり、イライラしている時に、意識して呼吸を深く、ゆっくりすることで、気持ちを落ち着かせることができるのです。
そして、ゆっくりした深い呼吸は酸素を脳にしっかり届けるので冷静に判断ができるようになります。
人前であがる人は、やはり呼吸が浅く、速くなっていることがわかります。
人前に出てあがれば、あがるほど、呼吸は速くなり、浅くなってしまっているのです。ですから、呼吸を深くして、ゆっくりするようになると「あがる状態」を自分でコントロールできるのです。
つまり、催眠下でたくさんの人の前でスピーチしている状態をイメージで作り出します。イメージの中ですから、しっかり周囲を見ることができます。
そして、冷静になり自分の状態にも注意が向きます。その時に呼吸が速くなっていることを意識させ、呼吸をゆっくりすることで「あがらなくなる」ことを何度もイメージトレーニングして体験させます。
すると、不思議と「現実」のスピーチでもあがらなくなります。
呼吸の不思議さはこれだけではありません。
婚活でも、好きな人と会話を合わせたければ、呼吸を合わせるのです。
相手の姿勢や話すスピードに対して同調するタイミングを合わせると呼吸は合ってきます。二人は息が合うというのは呼吸が合っている状態です。離婚する夫婦は呼吸がズレています。
集団でも、みんなで歌を歌うと息継ぎ(吸う時、吐く時)が合い集団の一体感や連帯感を味わえます。だから、祭りのかけ声(ヤーレン、ソーラン)や戦争への統制をとるために軍歌などが現に存在するのです。戦争の時に、ドイツ軍は「ハイル、ヒットラー!!」と連呼することで優秀なドイツの人々は、興奮状態でヒットラーにマインドコントロールされてしまったのです。
「呼吸」の心理的な影響は、良いようにも、悪いようにも使えます。だから、知っているとマインドコントロールされないですみます。
そして、長生きしたければ呼吸をゆっくりすることです。「長生き」の、生きは(長息)なのです。赤ちゃんの呼吸はとても深いのです。病気になると呼吸は浅くなります。危篤になった患者の息は浅く、速いです。だから、いつも怒っている人は、興奮しているから呼吸は浅く、速いのです。
だから、イライラしている人は長生きできません。
なので、長ーい息をしましょう。
会社で、いつも部下を怒鳴っている上司さん、あなた自身が、あなたの寿命を縮めていません?
ご愁傷様です・・・・・