幼児性の強い大人たちPART Ⅳ
2019/04/21
科学技術の発達と便利さは、私たちから「忍耐」や「待つ」ということを奪っていると、四回にわたって語ってきました。
ファーストフードに変わって、スローフードも同じなのです。ある特定の季節を待って、その地域に出向き、そのお店でしか食べられないものだから、その味は、とても美味しいのです。
同じものを冷凍宅急便で送ってもらって、見慣れたキッチンで、いつもの食器で食べても、同じ感動はえられないのです。
マクドナルドはいつも同じ味という安心感はあるのですが、深い感動がない。それが、ファーストフードです。
メンタルの講座もそうです。メンタルの講座もDVD化の話を、たくさんの会社から頂くのですが、やはり教室でしか得られない感動があります。
リピーターの受講者が多いのも、それを物語ります。
いつも違う角度で「気づき」と「感動」が得られると熱く話される受講者が多いのです。
なぜなら、話す側の講師ですら、毎回の会場のムードで、参加者との関係で発見の波があり、感動と心の気づきが違うのです。一度だって同じ講座がないから。講師もプログラムにあきない。昨日は名古屋校の320名の基礎コース修了式でした。今回の修了式にも、やはり参加した者でしか得られないドラマがあり、感動がありました。
話は変わりますが、ドラえもんの物語にも、不足があり、悲しみがあるから、人は努力も夢も生まれるのだと教えてくれています。
ドラえもんは、現代の科学文明のように、いつも、甘えの強い、のび太に便利さと快適さを与えていた。でも、ドラえもんも最後は未来に帰還するのです。
そこで、ドラえもんに会いたさから、のび太はロボット工学博士になる。そして、憧れのしずかちゃんと結婚する。それは、ドラえもんがいなくなったことで、彼はジャイアンと戦い、スネ夫と折り合い、何よりも勉強した。
そして、彼はドラえもんの初号機を開発する。さらに、自分から「ある時期が来れば、ドラえもんは未来の世界に帰還させるように••••」と自分の孫に遺書を託す。
それほどに、甘えの世界では、自分の今の幸せはないと、のび太は学んだのだ。
人間、生きてゆくために、越えなければいけない障壁がある。それは、甘えが入る余地がない。きびしい試練かもしれない。
でも、その峠の先に広がった世界は、峠を登った者だけに許された永遠のエル•ドラド(黄金郷)かもしれない。
その苦しみに安易に手を差し伸べないで待つことがカウンセリングの厳しさなのです。手を差し伸べたことで、相手の気づきを奪ってしまう。それは、悩んでいる側と、それに付き合う側にある、きびしい現実に逃げてもらいたくはないという真剣勝負なのです。
僕は信じている。あなたなら、そこに、たどり着けることを•••••