優しい嘘 PARTⅡ
2019/04/21
僕は、親は嘘でも子供に「お前は愛されたんだ」と言ってほしいと思う。
その人が大人になって、すべてがうまくいかなくて、自分を投げ出したい夜にも、その魔法のコトバが、その人を守るから。
誰かに強く大切にされて愛された思いは、自分の命を守り、他人も傷つけない。
女性の肩に虫がとまったときに、そっと肩から、その虫をどけないだろうか?
「えっ、どうしたの?」と尋ねられたら、「肩に葉っぱが乗っていたらから」と嘘をつくのが優しさだと思う。
そういう時に、嘘は優しさの変化した姿でもある。
隣にいた誰かの軽い失敗を気づかないフリをすることもある••••
組織で、部下同士が仲たがいになり、片方の部下からグチを聞かされた上司は「そうか、あいつは君が居てくれて良かったって、常日頃は俺に言っているのだがね••••」 と上司が調整役を買って出て嘘をつくこともある。
グチを言っていた人が「奴がですか・・・」
「そう彼は君を認めているね。いつも彼は君のことを『何だかんだと言っても、自分の持っていないところを、彼は持っているから•••同期で入社してぶつかることも多いですが、彼には僕とは違った才能みたいなものがあると思っているんです』って。『でも、それを言わないでくださいね』と彼に言われてね••••でも、君に彼のホンネを漏らしてしまったけどね」
「信じられないですね」
「そうだろうなぁ。君からすると••••彼はホンネを伝えるのは得意ではないから。
きっと、ホンネを尋ねても言わないだろうけどね。彼も君に似て素直じゃないから」
これが、愛のある上司のセリフだと思う。
「あんなの姉じゃない。他人よ!」と言って姉妹の亀裂が深まりそうな時、「そう、そんなにお前は、お姉ちゃんがキライかい?」
「あんなの姉じゃない」と怒りが収まらない時に、
「私は身体が弱くて、お前を生むのは難しいと医者に言われた時に、お姉ちゃんは一番『妹を守って』と泣いてね。もちろん、母さんも命に変えてもお前を産みたいと思っていたけどね。でも、誰よりもお前の誕生を喜んだのは、あの子だったよ」
真実が、すべての人を救うわけではない。
仲の悪い薩摩と長州の間を取り持つために坂本龍馬は奔走した。だから、彼は大ボラ吹きの人たらしと評された。
でも、人の命がおびやかされる戦争を起こさない為には、嘘も必要であったのだ。
マスコミは「真実」と叫ぶことが多いけど、その情報が、多くの人々の怒りを助長させ、戦争という、哀しい真実を生み出さなければ良いのだけど••••と僕は思っています。
今日の名古屋での講演会。
夜は博多でした。
大阪名古屋博多
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日本メンタルヘルス協会で衛藤先生が直接教えてくれます。