「幼児性」からの脱出

      2024/11/11

 

 いつもイライラしている人の特徴は、自分がいつも特別扱いしてもらえないと不機嫌になります。

 心理学では子どもの幼児性とは、自己中心的だと言われます。子どもが運動会でいつも3位だった順位が2位になった。それを家に帰って報告する。それを聞いた家族全体が「すごい!」と話題の中心にしてくれないと不満になり、すねてしまいます。

 

 

 でも、その幼児性の脱出に失敗した大人は、周囲が自分を一番中心にしてくれなければ怒りだす。

 子どもが朝起きて、母親が自分の登校の準備を中心に動いてくれないと怒りだすように、仕事に出勤の時に自分のことを第一に妻が動かないと怒りだす夫がいます。

 日本の夫は、自分が出かける時に妻がいないと不機嫌になる人が多いようです。自分がつねにプライオリティーの一番でないと不機嫌になり怒りだす。

 

 

 でも妻にも大切な約束があり、大切な仲間がいるということには、夫は無関心で平気で忘れる。でも夫の出張の予定を忘れた妻に対しては「妻として出来が悪い」と烈火のごとく怒り出す。

 また自分の自慢話しを家族全員が関心を持って聴いてくれないと腹を立てるのに、このようなご主人は奥さんの話には上の空で聞いていない。

 この「自己中な夫」は、自分の安心と快適さを何よりも最大に優先し、家族のために人知れず、安心と快適な生活をサポートしようという気概はない。

 

 

 もちろん「俺は生活費を入れている」と言われるかもしれません。でも妻が働くことで、自分が後回しになるのは心理的にイヤがり、そして「家庭は安心できる場所だ」と妻の社会参加を阻止し、一方では「俺はこんなに苦労して生計を支えているのに」と感謝の言葉を家族に求めます。

 妻からすれば、働けば「家庭をおろそかにして」と責められ、働かない妻に「お前は悩みがなくて良いなぁ」と嫌味を言う。前にも後ろにも進めさせないで責めてくる。

 

 

 こんな夫は病気になれば「自分が病気だ」「病気だ」と自分の病気を中心に世界が動いてくれないと面白くない。でも奥さんが体調が悪くても「飯はどうなっている?」と奥さんの体調には無関心です。

 このような自己中心的な人は、いつも自分が特別でありたいと思っているから、皆が並んでいても、自分は並びたくはない。皆が株で儲ければ「自分は特別だから自分の株が下がるはずがない」と手放す時に株を手放せない。

 いつも特別意識が強いから、誰かが、物を安く買っていれば、自分はもっと特別に安く買いたいとムキになります。普通に苦労をして稼ぐよりも、自分だけは楽をして儲けたい。

 

 

 この「楽したい精神」で投資ブームは到来しました。またはギャンブルで一生遊んで暮らせる一攫千金を狙う人、もっと楽して金銭の良い会社を目指し転職ブーム、金銭至上主義の政治家の裏金問題も根っこはそうです。

 さらに大金を楽に稼ぎたいと「闇バイト」に集まり凶悪犯罪に手を染める若者の根底にも隠れています。これは「自分だけ楽したい」という時代の精神構造上の問題だと僕は思っています。

 

 それに対抗するキーワードは「凡人中の凡人を楽しむ」ということです。

 

 それは普通の生活の中で、それなりに汗をかく日々、その中にも生きる喜びを感じる能力の拡張が必要です。

 それは、自分だけが楽をする「幼児性」から脱出し、一人の強い大人として家族や社会の快適さを守り、人並みの苦労や努力を強いられても平気でいられる「精神的タフさ」を、誰もが身につけることが大切な時代だと感じています。

 

 

 

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心理カウンセラー衛藤信之
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