命は終わらない
今回、受講生の株式会社WOWOW 取締役専務執行役員の井原さんに「お時間があれば観て下さい。私は感動で泣きました」と言われ、『ディア・ファミリー』という映画を鑑賞しました。
町工場の社長の一人娘が生まれつきの心臓疾患で、どの病院にも見放され「20歳までは生きられない」と医者に言われ、「じゃあお父さんが、医者の代わりにお前の人工心臓を作って命を助けてやる」と娘に約束する。そこから医療のことが全然わからないど素人の父親が人工心臓を作るためだけに奔走する。実話がベースの映画です。
その主人公の父の前に、大学間の派閥、自己保身だけに向かう医療界の壁などが次々と立ちふさがります。
やがて娘の命のタイムリミットを前にして完成が間に合わないという結論が出た時、「これなら娘のそばにいてやればよかった」と泣く父に、娘は、「お父さんが、私のそばにいることよりも、いつも私のことを思って命を削って私の心臓を作ろうとしてくれた。だから私のそばに、いつもお父さんはいてくれた…淋しくはなかった…」というシーンがある。
昭和の時代のお父さんに比べて、専業主夫や育休パパが注目を集めています。でも、育休パパと同じくらいに、昭和のパパ達も家族のために走って来ました。
愛の形は違っても、愛の総量は変わらない。
お父さん役を演じた大泉 洋さんは、「僕の父も戦後に家族を守るために、選択肢もなくガムシャラに走ってきた。主人公のモデルになった筒井さんも、僕の父も、一生懸命に誰かのために走ってきた。昭和の『なせばなる精神』を感じました」と…
やがて娘が父に、「私の命はもう大丈夫だから…お父さんの力を誰かのために使って…」。
その娘の次の願いを叶えるために、父は人工心臓に養われた技術を使って世界中の17万人の命を救ったバルーンカテーテルを完成させることになる。
映画の後半で僕も涙を止める事が出来ませんでした。
過去に写真家、星野道夫さんの写真集の中に、朽ちたトナカイの骨あたりに、そこだけが美しい花が咲き乱れている写真を見つけて感動したことがありました。その時に感じた、
「一つの命が別の命を咲き乱れさせる」
ことを思い出させてくれる映画でした。
命は終わらない。
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心理カウンセラー衛藤信之
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