「普通の君がいいよ」
人といると緊張し過ぎる人がいる。それを対人緊張とか対人恐怖と呼びます。
対人恐怖の特徴として周囲の人に対して完璧な自分を必死で演じようとしてしまいます。その理想的な自分とは、自分の理想ではなく、「他人からみた理想的な姿」を演じようとします。
ここに対人関係のエラーが起こるのです。人間は身内であっても他者の気持ちを100%理解することは不可能です。でも、対人緊張の人たちは「他人の気持ちは分かっている」と思い込んでいます。
その理想の自分は「自分に対して周囲がこう期待しているだろう」と推論や歪んだ思い込みなんだということに気づこうとしません。
誰もが完璧な姿など期待してはいない。「普通の君が良いよ」と笑ってくれる人のほうが多いのです。
ただ幼少期に期待値の高い人に囲まれて育てば、周囲は自分に「ここまでのレベルを期待しているに違いない」と周囲の人が高い欲求を望んでいると勘違いをしてしまいます。
やがて「普通の状態」ではいられない自分が生まれます。自分が完璧なヒーロー・ヒロインにならないと気がすまなくなります。
自分のしゃべり方はどうか?
自分の態度は可笑しくはないか?
自分の手の位置や歩き方は?
座っている姿勢などは変ではないか。
常に他人の目が、自分に対して高い期待を持って「こちらを見ている(錯覚)」と勘違いしているから、すべての自分の表情や言動、手の動きにも緊張が走ってぎこちなくなる。
やがて自分が完璧でないことが許せなくなり、誰かの「願い通り」にできなかった自分を、家に帰っても一人反省会となり眠れない。たとえ眠っても疲れが取れないまま朝を迎える。
このような人は仲間をも心から信じてはいないタイプが多い。不信感に囲まれて育てば周囲に不信感を感じてしまうのも当たり前…
もう誰もその人を責めてなどいないし、誰もその人に不愉快になってもいない。「そんなあなたで良い」と言ってくれる静かな大人たちが多い。でも対人緊張の人は「理想でない申し訳なさ」で日々が苦しくなる。
そこには他人に対する根本的な不信感が隠れています。怒りが自分に向いてしまうのは、その前に周囲に対して怒っているのです。
もうこれ以上「もう何も求めないで!」「もっと優しくしてくれ!」と周囲への不満の心が根底に存在します。その不満を周囲に出すと嫌われそうだから怖くて出せない。思うようにならない怒りはやがて自分に向いてしまう。
それが「陰うつな気分」になって心に降り注ぎます。だから不機嫌が日常を支配してしまうのです。
自分自身が「誰かの望む自分」になっていないと「嫌われる」「無視される」「笑われる」と間違った世界観で人生を観ているからすべてに緊張し、生き辛くなるのです。
まずは、もうあなたは大人で、誰もあなたをもう責めてなどいないと気づくことです。
僕はもう一度言います…
あなたはあなたの「普通がステキ」だということに気づいて下さい。そうすればナチュラルに生きるのが楽になれます。
そしてもっと世界と仲良くしましょう✨✨
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心理カウンセラー衛藤信之
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