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我が父へ 「ありがとう」

大阪校  中井 道成さん(28歳 男性)


父親に対してはあまり良い思い出がありません。
思い出すのも嫌なくらい憎んでました。

父は僕が小学校入学前後くらいに別の女性と一緒になるために家を出て行きました。
当時僕は父は仕事で遠くに行っているのだと思ってました。

中学生になると父は家に戻ってきました。
多額の借金など色々な問題を抱えていて、
それを見兼ねた母親が救いの手を
差し出したので家に戻ってきました。
その頃の僕は父親の家を出て行った理由など知らずにいました。
家を空けていた期間が長かったので、父親というより他人が我が家にいてるような感じで
帰ってきた父親とはあまり打ち解ける事はできませんでした。

毎日家に帰って来てはキッチンでお酒を飲んでずっとぼ~っとしている生活が続き、
家族との会話もあまりありませんでしたし、母親と父親との距離にも違和感がありました。

高校生になる頃にはそんな父親に嫌気がさして、母親に「なんで父は戻ってきたん?」
本当の理由を母から聞いたときは、自分勝手な生き方だと怒りが湧きました。

「母親や家族を苦しめて父親の役割を何ひとつ果たしてないじゃないか!」
そして家族や自分が見捨てられたんだ...悲しい気持ちになりました。

それからも相変わらず酒をあおり酔っ払って帰ってきたり、
借金をしてブラックリストに載っても新たに借金をつくってきたり、顔を見るのも嫌でした。

どうしてあの人はあんな行動をするのだろう?
どうしてあの人はこういう考え方しかできないんだろう?
どうすれば自分のもっとこうして欲しいって気持ちをうまく伝えることができるんだろう?

それが心理学に興味を持つきっかけでした。

メンタルに出会うまで図書館に行き自己啓発や心理学などいろんな
知識を勉強して行動を起こしてみました。

効果はあったものと無かったものと様々でした。
相手からの自分の期待していた反応が返って来ない事があって、
やっぱりこれでも相手を変えることはできないんだと思ううちに、
行動することに対して気持ちが臆病になっていました。

そんな時、日本メンタルヘルス協会の記事を見て、
一度現場で働くカウンセラーの方のお話も聴いてみたいと思い体験ガイダンスに応募しました。

体験ガイダンスでは様々な気付きの連続でした。
衛藤先生の話を聴いて、受講生のみなさんが笑いながら、楽しく学ぶ事ができる。
堅苦しい感じがないので今までの心理学のイメージと違うものなんだなと思いました。
今でもはっきり覚えているのは、衛藤先生の相手としっかり向き合い信頼関係を築く姿勢に、
世の中に出回ってる成功哲学や何々の法則みたいなノウハウより、もっと身近な部分で
僕らが見落としてしまっている所に人間が自分らしく幸せに生きるための
大切なヒントがあるんだと感じました。

講座受講後少しずつですが職場の人や周りの人に対する接し方、見方がかわってきました。
人間とは勝手な生き物で自分の足りない部分を見ないふりをするのに、
他人の欠点は目に付きやすいんですね。
自分の価値観ばかりを押し付けて相手を傷つけていたと思います。
それに気づき考え方も変わってきて、どんどん前向きに考えれるようになりました。

そして一番変化があったのは家族との関係です。
講座で自分が見ている物事も相手の立場、相手の視点から見ると
違う景色を見られるということを学び、
父はなぜあんなにべろんべろんになるまでお酒ばかり飲むのだろう?
そうしなければならないような理由は何だったんだろう?
自分が父の立場になりきって視点を変えていろいろ考えました。

父は一度自分の都合で家族を捨てた身なので、

父親としての役目を果たせない事に罪悪感を感じていたのでしょう。


もともと寡黙な人で自分の意見を言うのがあまり得意ではなかったので、
家族にも悩み事など言い出せず心にため込んでいくうちに窮屈になり、
迫りくるプレッシャーからアルコールに逃げたんでしょう。
メンタルに出会うまでは僕はそんな事気づいてなかったので、
とにかく憎いという気持ちしかありませんでした。
でも今になってわかります。

「父親たるもの一家の大黒柱になり家族を大切に養うものだ!」

そんな世間一般の父親の理想像をいつも求められて辛かったんだね?
理想の父親になりたくて頑張ったけど、変われなかった無力感が辛かったんだね?
お酒を飲んでぼ~っとしている時もずっと一人で悩んでたんだよね?

父親である前に一人の人間。
強い人間なんていない。もし自分が同じ立場になった時、
父と同じことを繰り返さない保障なんてどこにもない。

思い出を整理するために古いアルバムをめくっていた時、
父が海で僕を抱っこしている写真をみつけました。

そこに写っている父の顔は僕が憎いと思っていた
父の顔とはちがいとても穏やかで幸せそうに笑っていました。

その写真を見ていると不思議なもので憎いという気持ちは和らいでいました。
本当は父も自分の事を愛してくれていた事に気付いたからです。
今までずっと父を憎んでいたけど、もうそんな感情は手放します。
そこに囚われたまま生きていく事は、父から受けた大切な愛情も
否定することになってしまうから。

もう両親が離婚していて、父がどこに住んでいるのかもわからないですが、
いつか会えた時は一言「ありがとう」と伝えたいです。

もしも今日みんなに会えるのが最後だとしたら・・・
こうやって家族や仲間、同僚が健康であって、いつもと変わらない毎日がありがたいと思う。

でもいつからその気持ちを忘れてしまったんだろう?
いつから相手の顔色うかがうようになったんだろう?
損得の感情で行動するようになったんだろう?

社会で生きて行くために僕らは大事なモノを犠牲にしています。
その行き着く先は、たしかに競争社会で勝ち続けお金を稼ぎ
豪華な家に住んで贅沢な暮らしをしているかも知れません。

でもそこに笑い声は聞こえません。
うわべだけの人間付き合いで心の底から笑うことなんてできないです。
僕達が子供の頃に描いた未来ってもっと夢があったはずなんですね。

みんなの将来の夢の共通する部分は自分だけが幸せなのでなく
まわりの人も幸せにして一緒に笑っている事なんです。
それだけ人が好きでした。
誰かのチカラになりたくて親切にした時に相手が喜んでくれた。
「ありがとう」と笑顔で言ってくれた。
ただそれだけで嬉しくて心が弾んだ。

講座を受けてから自分の人生を振り返ってみると、
自分が探していた人間関係を豊かにするための必要なものって
結局は子供の頃から自分の中にずっとあったんです。
人から学んだり、新しいものを他に求めることばかりに
焦点を当てて自分自身が見えなくなっていたんです。
自分と向きあい、気づきを得た事で自分自身をもっと好きになることができました。
生まれてからずっと一緒にいる自分に思いを込めて
「ありがとう」

 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:野本

人の人生100人いたら100通り、1000人いたら1000通りの人生が
あるんだと僕自身講座を通して感じ学びました。
言葉では分かっていても実際自分の事になると一番見えなくなることなのかも知れません。
色んな事情がある中、お父様との関係性を相手の立場になって考えることで
「ありがとう」と言いたい!と思える自分に出逢ったこと。
メンタルで学んだ事「他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来だけ」
その言葉が改めてストンと腑に落ちました。
ありがとうございます。