Home 受講生の感想レポート 人の家族をうらやむ必要はなかった、と気がついた”きっかけ”
人の家族をうらやむ必要はなかった、と気がついた”きっかけ”

大阪校  浜田 ジュンさん(37歳 女性)


私はハワイアンヒーリングやロミロミマッサージなど、女性のボディケアに関する仕事をしています。

 最近はボディケアの他にも、オラクルカード(簡単に説明するとポジティブなメッセージのみのタロットカード)を使ってメッセージを伝えるというメンタルケア的な事も少し始めたところです。

 オイルマッサージを受けて、心身ともにリラックス状態になったお客様にオラクルカードを使ってセッションする際には、初対面の方もかなりプライベートでデリケートな事まで打ち明けてくれ、私のアドバイスに耳を傾けようとしてくれます。

 しかし、打ち明けられる内容は、私の人生では経験したことがないような内容のことも多く、なかなか思うようにアドバイスが伝えられないのです。

 例えば、「結婚して15年経つけれど、まだ子供ができなくて悩んでいます。
 昔ちょっと病院で診てもらったけれど、自分の身体は問題がないようです。夫の体も病院に行って診てもらって欲しいのですが、夫は嫌がって全く協力しようとしてくれません。
 自分はもう40歳。子供を本当に望むなら、今の夫とは別れて新しいパートナーを探す事も考えるべきでしょうか?」

ア ドバイスのメッセージとして私は、「まだまだ子供は十分に望めますから、旦那さんが無理なら、まず奥さんだけでも、もう一度ちゃんと病院に行って診てもら いましょう。すぐ諦めモードになるのではなく、ちょっと腰を据えて出来ることから始めてみませんか?」という内容を伝えたかったですが・・・私はこの奥さ んより年下だし、結婚もしていないし、子供を産んだこともないし、私が言ってもなんか説得力無いな・・・。

 旦那さんはちょっと威圧的な感じみたいだし、逆に奥さんにプレッシャーがかかってしまうかな・・・と、お客様が帰られた後も、もっといい言葉の表現で伝えられなかったか、もう少しいいアドバイスが出来なかったかと、ずっと気になってしまうのです。

 そんな時、東京のハワイアンヒーリング仲間がやっているサロンに遊びにいく機会があり、自分のサロンでも参考になることがあれば、とサロン室内を隅から隅まで見学させてもらっていたところ、壁に何やら額縁に飾られた証書のようなものが・・・・。

 こ れは?と友人に尋ねると、「それは、心理カウンセリングスクールの修了証書。この先生の授業、ホントいいよ。ほんと、いいスクールだよ、安いし。大阪でも やってるよ。」と、詳しい説明ではなかったのですが、この信頼できる友人が言うんだから、きっとすごくいいんだろうな、サロンの接客にも役立つことが学べ るかもしれないと思い、関西に帰ってから早速、メンタルの体験セミナーの申し込みをしたのでした。

 メンタルの授業の始めには、一緒のテーブルに座っている受講生同士、仕事や生活においてのさまざまな悩みなどをオープンに話して、前回の授業の内容が自分にどういう風に役立って、心が楽になったかなどを話し合います。

 スクール通い始めの頃、私はこの授業始めの自己紹介を兼ねた発表に何を話せばいいのか、とっても戸惑っておりました。
 「どうしよう私、特に今、悩みとかないんですけど・・・。」
 今は自分一人で仕事をしているから、仕事上で人とぶつかることも無いし、
 一人暮らしで気ままに好きなことだけやって生活しているし、家族とも関係は良いし。
 子供の頃は両親の事でいろいろあったけど、今はもう大人だし、最近は少々のことがあっても結構自分でなんでも解決できるし。

 しかし、自分がすっかり忘れそうになっていた子供時代の事で、自分に対して自己開示して認めてあげなければいけない感情がまだ残っていたのです・・・。

 「本 当の自分に出会える音楽療法」の授業の終盤にやった、電気を消して、受講生2人がペアになって、講師の先生に誘導してもらいながら、子供時代に立ち返り、 自分の両親との関わりを見つめなおすワークでは、自分の中ですっかり認識することを忘れていた父親との大切な関係をこの年になって思い出し、大変驚いたと ともに、普段決して涙もろいほうではない私がボロボロと大粒の涙を流してしまいました。

 私の両親は、私が高校生の時に正式に離婚しましたが、小学3年生頃からもう二人は夫婦としての関係が上手くいかなくなっていき、4年生になると父を残して母、姉、私が家を出て近所に住んでいた母方の祖母の家に移り、父との別居が始まりました。

 当時の小学生の私は、両親が離婚するということがどうしても頭で理解できませんでした。
 私 は、母とも父とも姉とも血が繋がっていて家族です。生まれた時から今まで、みんな家族として生活してきたのに、離婚という手続きをすることで、なぜ父だ け、いきなり家族ではなくなってしまうのか?私には父も母も姉も同じレベルで家族なのに、どうして父とだけいきなり家族ではなくなるのか?
 (別に離婚しても自分の父であることは変わりがないと今では分かるのですが・・・。)

 幼 いながらに両親が上手くいっていないことを感じ取り、なんとか家族が以前の楽しい雰囲気に戻って欲しいと思い、仕事からの帰りが遅くなりがちだった父に 「○○のテレビアニメがやっている時に帰ってきてね。」(夕方にいつもそのテレビアニメが放送されていたので。)と、少し勇気を出して早い帰宅を父に頼ん でみたこともありました。(しばらくは早めに帰宅してくれていたことを覚えています。)

 家 にあった大きな鏡台の鏡を私が割ってしまったことがあり、それが原因で父と母が不仲になってしまったのだと自分を責めたりしたこともありました。(母の嫁 入り道具でもある鏡台の鏡が割れるというのは縁起が悪いことで不吉であるというようなことを、母が母の友達と電話で話しているのを聞いたので。)

 家族のことは学校の先生や友達に言ってはいけないような気がして、誰にも相談できませんでした。
 友達はみんな、お父さんもお母さんも仲が良さそうで、とても羨ましかったです。
 とても怖そうに見える友達のお父さんでも、一緒に住んでいるというだけで羨ましかったです。

 テ レビの中のサザエさんの家族が本当に幸せそうに見え、ともて羨ましく感じたり、読んでいる漫画の世界が私の住んでいる世界より幸せそうに見えて、漫画の世 界で生きたいと真剣に思ったりしました。夏休みのキャンプファイヤーに行っても、修学旅行に行っても両親に関する辛い思いを常に一緒に持って行っていまし た。

 中学生になっても両親に関する辛い気持ちは変わらず、そのうち私には両親になんの問題もなく幸せそうに見える友達に、逆恨みする感情が生まれました。

 高 校受験で、希望する学校の受験を諦めなければいけない状況の友達を見て、希望どおりの学校を受験できる自分は、今まで両親の事で辛い思いをしてきたんだか ら、これぐらいの幸せは当然だ。私だけ受験が上手くいき幸せになっても、今までのことを考えるとすべて帳消しだ!と思いました。

 二十歳を過ぎた大人になっても、両親の仲が上手くいっていて、なんの心配事もなく育った同世代の人を見ると、どこか嫉妬心を感じていました。
 三十代になっても、お父さんからさまざまな援助を受けて生きている人をみると疎ましく思っていました。

 しかし、「本当の自分に出会える音楽力」の授業の終盤にやったワークで私は父との関係で大切な事実を思い出しました。

 ワークでは、自分が小学1年生ぐらいの頃の映像が浮かびました。
 従妹と遊んでいて意地悪をされた私が大泣きをした日のことです。
 悔しくて、悲しくて、どうしようもなくなって、一緒遊びに出ていたおじいちゃんや姉にもその気持ちが分かってもらえなくて、いたたまれなくなった私はお父さんに抱きしめてもらおうと家に走って戻りました。

 と ころが、家には父の姿が見当たらず、「お父さんはお母さんとついさっき、自転車でスーパーマーケットに行ったよ。」と祖母の声。それでも私はその時、どう してもお父さんのところに行きたくって「ウワーン」と大泣きしながらスーパーマーケットの方角に走って後を追いかけました。

 しばらく走ったところで、父がちょうどタバコを吸うために自転車を止めていて、そこで私は父に追いつくことができました。
 「大きな声で泣いている子がいるなぁと思ってたら、あっちゃんだったのかぁ!」といつものように父はやさしく全身で私を受け止めてくれました。
 どんな時でも、やさしく接してくれた父でした。
 このワークでやっと思い出しました。
 無条件にすべてを受け入れてくれる父という存在にたくさん愛されて、たくさん甘えることができた子供時代が、私にもちゃんとあったのです!
 人のお父さんを羨む必要なんてなかったのです!
 父は私が二十歳の時に亡くなってしまいましたが、今でもしっかり私の心の支えとなってくれています。

 自分のこれまでの人生を線グラフにして振り返る、というワークでも私の人生はこれで良かったんだと改めて肯定して思うことが出来ました。

 子供時代がかなり谷のグラフでしたが、そのマイナスと見ていた谷の部分のプラスな面を逆に探してみると・・・私の母は、私が幼い頃から働きに出ていたので、 専業主婦のお母さんをもった友達をうらやましく思っていましたが、母が定年までしっかりフルタイムで働いた姿を見て、女性が経済的に自立することは本当に素晴らしいという事をちゃんと教えてもらいました。

 中学時代までは親に翻弄されて、私の将来はいったいどうなるんだろうか?進学は出来るのだろうか・・・と不安定なグラフの線でしたが、心も徐々にしっかり強 く鍛えられていったお陰で17歳のある日、「お母さんも一人の女性なんだなあ・・・」と母を一人の女性として客観的に見ることが出来るようになった瞬間があり、親離れもちゃんとスムーズに出来ていって良かったと思います。

 子供の頃の終わりのないつらさとは対照的に、今は特に大きな悩みもなく、好きなことを勉強しながら健康に過ごすことが出来てとっても幸せだと思えます。

 先 日やっと基礎コースをひととおり受講終了しところなので、今後は日常にちょっとしたトラブルがあっても、ゲシュタルト療法の欠けたところじゃない方、つま り、日々満たされているところに焦点をあてて物を見るという習慣が身に染み付くようになるまで、再受講を重ねていきたいと思っています。

 また、自分のサロンでも自己開示がもっともっと出来て、悩みをもったお客様にもプラスな考え方ををスラスラと説いていけるようなセラピストになっていきたいです。

 

~受講生のレポートより抜粋~
  紹介スタッフ:鈴木

浜田さんは笑顔がとてもステキな受講生さんで、いつも一生懸命受講されていた姿が印象に残っています。

 でも、浜田さんのレポートを拝見し、そのステキな笑顔の裏には、子どもの頃にご両親が離婚されたことが心の中にずっと残っていらしたんだな、と思いました。

 浜田さんのように、お仕事上に役立てられればと、メンタルを受講される方もたくさんいらっしゃいます。部下育成のため、上司としてのコミュニケーション力を磨きたい、営業上お客様ともっといい関係を築いて行きたい・・・etc。

 でも、修了される頃には、ほとんどの方が「仕事に活かそうと思ってメンタルを受講しましたが、それよりも自分自身の問題に気づくことが出来ました。メンタルの講座が必要だったのは、何よりも自分自身だったんですね。」とおっしゃいます。

 浜田さんも、ご両親が離婚されたことは、すでにご自身の中で整理できていたことと思われていましたが、まだ受け入れていなかった部分に気づかれました。

 衛藤先生は講座の中で「親が子どもに与える愛情は、条件つきの愛情ではなく、無条件の愛情こそが、子どもの自己信頼感を育てることになる」とおっしゃいます。
 「学校の成績がいいから、あなたを愛してあげる」「あなたがいい子だから、愛してあげる」という条件つきの愛情ではなく、「あなたが、あなたのままだから愛す る」という無条件の愛情を与えられた子どもは、「自分はこの世に存在していいんだ。愛されるべき存在なんだ」という、自己信頼感を得ていくことが出来る、 というお話しです。

 私は受講中にこの話を聞いた時、両親との関係を改めて見つめなおす切っ掛けになりました。自分は条件つきの愛情で育てられてきたから、親、特に母親に対して反発心が強く、「どうして私のことをわかってくれないの!!」と思い続け、ぶつかってきたんだな、と気づきました。

 もちろん、それは母親が私を愛してくれていなかったわけではなく、子どもに対する愛情表現をそれしか知らなかったからだと、メンタルの講座を受講しながら、母親を受け入れていくことが出来、自分自身がとても楽になっていきました。

 浜田さんも、お父様と離れて暮らしたことで、「自分は父から愛されていないのではないか」という感情を、子どもながらに抱かれたのだと思います。だから、常 に他人の家族と比較し、その寂しい気持ちにフタをされて来た。そして、「本当の自分に出会える音楽力」の講座のワークが切っ掛けになって、長年フタをして きた気持ちを、ご自身で開けられ、お父様からの無条件の愛情に気づかれました。

 メンタルのスタッフになって初めてわかったことですが、自分自身を含め、子どもの頃にどうしても受け入れられないことを、自分でフタをして、そのことに気づかずに大人になっていく方が、本当に多くいらっしゃいます。

 そして、そのフタは他人が開けてくれるのではなく、自分自身でしか開けられないもの。そのフタを開けて初めて、自分自身を本当の意味で受け入れられ、自分を好きになることが出来、家族に対して感謝の気持ちを持てるようになり、自分自身がとても幸せだと感じ、楽になれる・・・・

 だから、浜田さんも、今は本当に心から幸せを感じていらっしゃると思います。
 そして、その気持ちが、心からの笑顔とともに、浜田さんのサロンに訪れるお客様に、きっと伝わっていくと思います。

 浜田さん、ステキなレポートをありがとうございました。
 これからも応援しています!!